休日の寝だめは効果なし! 睡眠不足の正しい解消法とは

休日の寝だめは効果なし! 睡眠不足の正しい解消法とは

睡眠不足のまま平日を過ごし、休日に一気に長時間睡眠をとる「寝だめ」をしていませんか?

「寝だめ」をしようと時間を気にせず昼まで眠っても、「たっぷり眠ったはずなのに疲れがとれていない」と感じることがあります。

なぜたくさん眠ったのに、すっきり目覚められないのでしょうか。

ここでは、睡眠不足を解消するために長時間睡眠をとることを「寝だめ」と定義し、「寝だめ」の効果を検証します。

また、正しい睡眠不足解消法についても解説します。

 

寝だめには効果がある?

寝だめには効果がある?

平日に不足した睡眠時間を、休日の寝だめによって解消できるのでしょうか。実は、休日の寝だめにはデメリットが多いうえ、睡眠不足を解消できません。

以下に寝だめができない理由と、正しい睡眠不足の解消法をまとめました。

 

睡眠リズムの乱れ

身体に蓄積した睡眠不足を「睡眠負債」と呼びます。この「睡眠負債」は、寝だめによって一気に返済できるものではありません。

むしろ、長時間睡眠によって就寝時刻や起床時刻が変わると、夜になると眠くなり、朝になると目が覚めるという睡眠リズムが乱れてしまいます。

すると、睡眠リズムをコントロールしている「体内時計」が乱れ、睡眠の質が下がり、疲れがとれません。

 

また、睡眠のリズムが乱れると、夜になっても眠くならず、眠る時刻が遅くなり、翌朝起きられなくなってしまうという悪循環が生まれてしまいます。

例えば土日に寝だめをすると、翌週の月曜以降も夜になかなか眠れず、スッキリ起きられないという状態が続いてしまいます。

 

寝だめのデメリット「ブルーマンデー症候群」とは

ブルーマンデー症候群とは、休日最後の夜に「明日の仕事に行きたくない」「憂うつだ」と感じたり、休日に「寝だめ」をしたりしてしまうことで睡眠リズムが崩れ、日曜の夜に眠れなくなってしまう症状のことをいいます。

月曜の朝に眠気やだるさを感じて起きるのがつらくなり、出勤しても仕事のパフォーマンスが低下した状態になります。

 

ブルーマンデー症候群の原因

・金曜日の夜にアルコールを大量にとり、休日の睡眠の質が下がっている
・土曜日または日曜日に眠りすぎたため、寝つきが悪くなり、夜更かしをしてしまった
・日曜日に昼過ぎまで眠ってしまった
 
上記のような行動は、ブルーマンデー症候群のきっかけになってしまいます。休日の寝だめはやめ、平日の起床時刻の2時間後までに目覚めるなど、睡眠リズムの改善に努めましょう。

 

寝だめ以外の睡眠負債の返済法

睡眠負債は、寝だめではなく、適度な時間の睡眠を日々補うことで返済できます。平日の日中15時までに、不足した睡眠時間を補って返済しましょう。

また、徹夜で睡眠不足になるとわかっている日の日中にあらかじめ仮眠をとっておくと、睡眠負債が大きくなるのを防ぐ「先取り返済」ができます。

 

平日15時までの20分仮眠

前日の夜に十分眠れず、睡眠不足だと感じているときは、20分程度の仮眠をとりましょう。毎日20分ずつ仮眠をとると、平日の5日間で100分の睡眠負債を返済できます。

ただし、15時以降に仮眠をとると、体内時計のリズムが崩れ、夜になかなか寝つけなくなってしまうことがあるので、仮眠をとりはじめるのは14時ぐらいまでを心がけましょう。

 

先取り睡眠

「先取り睡眠」とは、深夜作業や徹夜などで、本来の睡眠をとるタイミングで睡眠がとれない、睡眠量が不足してしまうといった場合に、あらかじめ睡眠をとっておくこと。

例えば、残業予定があって睡眠時間が短くなりそうなときに、15時までに20分程度の仮眠をとっておく、という方法です。

仮眠をとり、夜につくる予定の睡眠負債(疲労物質)を「先取り返済」することによって、徹夜によるダメージを減らせます。

 

寝だめをしたくならないようにする睡眠習慣

寝だめをしたくならないようにする睡眠習慣

寝だめをしたくなるほどの睡眠不足になるのを防ぐためには、生活習慣を整えましょう。

例えば、起床時刻や就寝時刻が不規則になると、体内時計が乱れ、睡眠の質が下がります。

睡眠の質が下がると十分な睡眠をとれていると感じられなくなり、休日に一気に眠ろうとする「寝だめ」をしてしまいます。

ここでは、平日と休日に気をつけたい睡眠習慣について説明します。

 

平日に気をつけたい睡眠習慣

平日は社会生活を送っていると自分の思い通りの時間に帰宅したり、就寝したりすることができないことがあります。

忙しい生活のなかでも、以下のことに気をつけるだけでも睡眠不足になりにくくなります。

 

就寝前にスマートフォンやテレビを見ない

スマートフォンやテレビの画面から出る青い光の「ブルーライト」には脳を目覚めさせる働きがあり、スムーズな眠りをさまたげます。

自然と眠りにつけないと、眠りが浅くなり、睡眠の質が下がります。

また、読書をするときも、本の内容に注意しましょう。ドキドキ・ワクワクするようなサスペンス小説を読むと、脳が目覚めてしまいます。

何度も読んだことのある本や、写真集などをながめるようにしましょう。

 

起きる時刻をそろえる

睡眠の質を下げないようにするためには、毎日の起きる時刻をそろえ、朝日を浴びましょう。

太陽の光を浴びると、脳から目覚めの物質「セロトニン」が分泌され、その約15時間後から睡眠の物質「メラトニン」が増えます。

メラトニンが分泌されると自然な眠気を感じるようになるため、朝同じ時刻に太陽の光を浴びると同じ時刻に眠気を感じることになり、就寝時刻もそろいやすくなります。

また、朝日を浴びるとメラトニンが急激に減少するため、眠気をとることもできます。すっきりと目覚めることができるので、二度寝の防止にも効果的です。

 

休日に気をつけたい睡眠習慣

休日には目覚まし時計をかけず、決まった時刻に起きなくてもいい…とつい長時間眠ってしまいがちです。

しかし、休日に睡眠リズムが崩れると、平日に睡眠負債がたまりやすくなり、次の休日に寝だめをしてしまう…という悪循環におちいってしまいます。

ここでは休日に心がけたい睡眠習慣を紹介します。

 

休日前に夜更かしをしない

翌日が休みだからといって夜更かしをして活動していると、翌朝に起きられずに睡眠リズムが乱れてしまいます。

また、睡眠負債がたまっていると、眠気を感じていることに慣れてしまい、夜更かしがクセになってしまう場合があります。

休日の前は特に意識して、いつもと同じ時刻に就寝することを心がけましょう。

 

平日の起床時刻2時間後までに目覚める

休日にどうしても「もっと眠りたい」と感じたときは、平日の起床時刻プラス2時間までに目覚めましょう。

これ以上長く眠ってしまうと、平日になっても体内時計がリセットされず、休み明けにまた睡眠不足だと感じてしまいます。

それでもどうしても眠りたいときは、15時までに長めの仮眠を取ることが有効です。しっかりソファやベッドに横になり、90分ほど昼寝をしましょう。

 

寝だめをしたくなるほど眠いときに試したい眠気解消法

寝だめをしたくなるほど眠いときに試したい眠気解消法

「休日まであと〇日」と考えながら疲れたまま日中を過ごし、休日になったら寝だめをする、という生活が続くのはつらいですよね。

ここでは「寝だめしたい…」と思うほど眠気を感じているときに、すっきり目覚める方法を紹介します。

 

起床6時間後に仮眠をとる

人間の脳は1日2回、起きてから約8時間後と約22時間後に眠気を感じますが、この眠気はあらかじめ目を閉じて休憩することで防止できます。

起きてから6時間後くらいに5分間目を閉じてみましょう。眠気を感じる前に脳を休めることで、眠気を予防できます。

 

起床11時間後に背筋を伸ばす

夜に自然な眠気を感じるためには、身体の中の体温「深部体温」のリズムを整えることが重要です。

通常、深部体温が一度上がり、その後下がるタイミングで眠気を感じる仕組みになっています。
 
深部体温が最も高くなるのは、起きてから約11時間後です。この時間帯は身体も脳も最もよく働き、活動的になっています。

この時間帯にきちんと深部体温を上げると、就寝するころに深部体温が大きく下がり、スムーズに深い眠りにつくことができます。
 
深部体温を上げるには、「椅子に座ったまま背筋を伸ばす」だけでOK。

背中には効率よくエネルギーを生み出す筋肉「遅筋(ちきん)」が集まっており、ここを動かすことで効果的に体温を上げられます。

〈深部体温を上げる簡単ストレッチ〉

  • 椅子に座ったまま肛門(こうもん)を締め、背中の筋肉を意識しながら背筋を伸ばす
  • 両肩を上にすぼめるように引き上げる
  • そのまま肩をめいっぱい後ろに引く
  • 両肩を一気にストンと下げる

 

眠る前にヨガまたはストレッチをする

就寝1時間前の軽い運動は、寝つきをよくために有効です。就寝前の体温が低下するタイミングで軽い運動をすることで、一度体温が上がります。

すると、その反動で体温が下がり、スムーズに眠りに入れるため、深い睡眠がとれるのです。
 
ただし、激しすぎる運動は脳を興奮させてしまうため、避けましょう。ヨガやストレッチなどの身体への負担が少ない運動が効果的です。

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安眠ヨガで眠れない夜を改善! 布団の中でできる簡単ポーズ

→心と身体に多大なストレスがかかっているときの眠りに効果的なヨガをご紹介

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寝る前ストレッチが自律神経を正常化! 睡眠の質UPの夜ケア

→寝る前に凝り固まった関節や滞った腹部をほぐし、副交感神経を優位にするためのストレッチをご紹介

 
<参照>
『「いつも眠い~」がなくなる快眠の3原則』菅原洋平著(メディアファクトリー)
『脳も体も冴えわたる1分間仮眠法』坪田聡著(すばる舎)
『睡眠専門医が教える! 一瞬で眠りにつく方法』坪田聡(宝島社)
『ぐっすり眠れてすっきり起きる50のコツ』菅原洋平(宝島社)

photo:Getty Images

坪田 聡

監修

医師・医学博士

坪田 聡

医師として睡眠障害の予防・治療に携わる一方で、睡眠改善に特化したビジネス・コーチとしても活躍中。「快適で健康な生活を送ろう」というコンセプトのもと、医学と行動計画の両面から睡眠の質を向上させるための指導や普及に尽力。総合情報サイトAll about 睡眠ガイド。 「睡眠専門医が教える! 一瞬で眠りにつく方法」(TJMOOK 宝島社)、「パワーナップ仮眠法」(フォレスト出版)他、監修・著書多数。

医療法人社団 明寿会 雨晴クリニック 副院長

Site: http://suiminguide.hatenablog.com/


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