夜型から朝型になるには?人生の目的別に活用すべき朝型・夜型メリット

【医師コラム】朝型人間になる方法!朝型・夜型メリットを人生に活かすには?

朝が得意という人もいれば、夜の方が元気いっぱいで夜が好きだという人もいます。そんな朝型と夜型は、どうやって決まるのでしょうか?

実は、「朝と夜のどちらが活動しやすいかは、生まれ持った遺伝子が影響している」という研究報告があります。

研究が進めば、もしかしたら「朝起きられないのは遺伝子のせいで…」という言い訳も、通用するようになるかもしれませんね。

 

朝型か夜型かは、遺伝子で決まる?

9万人近くの人を対象に、朝型生活と夜型生活のどちらが好きなのかと、ゲノム(遺伝情報)との関連が調べられました。この研究は、世界最高峰の科学雑誌である「ネイチャー」に載りました。

 

この研究によって、朝型生活の好みに関係すると思われる遺伝子が、いくつか見つかりました。

そして、その遺伝子の約半数が、これまで生体リズム(体内時計)を調整することが知られている遺伝子や、光の感知をコントロールする遺伝子の近くにあることがわかりました。

 

つまり、「朝型か夜型かは、遺伝子の影響を受けている可能性が高い」ということです。

 

また、今回の研究では、朝型生活が好きな人は肥満度(体格指数:BMI)が低いことや、不眠症やうつ病が少ないこと、1日に8時間以上の睡眠を必要とする可能性が少ないことなどもわかりました。

しかし、これらと朝型・夜型の因果関係は、まだよくわかっていません。

 

不規則な生活に強い夜型人間

では、朝型や夜型は一生、変わらないのでしょうか?

 

日本での朝型・夜型の調査から、年齢や社会的状況によって生活パターンが変化することが知られています。

典型的な朝型は、大学生で8%、20代社会人で15%、30代で18%、40代で33%、50代で54%です。一方、強い夜型は大学生で23%、20代社会人で5%、30代で5%、40代で4%、50代では0%でした。

 

年齢とともに夜型が減り、朝型が増えていきます。特に、大学生で約4分の1を占めた夜型が、社会人になると激減しています。これは、社会的な制約や本人の意志によるものと考えられます。

 

睡眠の内容も、朝型と夜型ではすこし違います。

 

朝型は寝つきがとても良く、平日・休日ともに就寝時刻や起床時刻が一定です。

一方、夜型は寝つきも寝起きも悪く、いつも寝たりないと不満に思っています。就寝時刻や起床時刻が2時間以上前後することも多く、さらに月に1回以上の徹夜もよく見られます。

 

朝型か夜型かを調べるためには、「朝型夜型質問紙」が使われます。インターネットでも調べられますから(「朝型夜型質問紙」など)、一度、試してみてはいかがでしょうか。

 

朝型と夜型はどっちがお得?

日中を活動的に過ごしたいのであれば、朝型人間のほうが適しています。一方、夜に頑張りたいなら、夜型生活が有利です。

 

朝型は目覚めがスッキリなので、毎日良いスタートダッシュがきれます。特に午前中は覚醒度が高く、仕事がはかどります。体温の変化もメリハリが利いて日中は高めなので、エンジンも全開です。

 

朝型は規則正しい生活が得意ですから、9時から5時までの定時の仕事をしているときは問題ありません。しかし、突発的な残業などで夜更かししようとすると、極端に作業効率が落ちます。

また、夜更かしできたとしても、翌朝はいつもの時刻に目が覚めてしまうので、睡眠不足がひどくなります。

 

この点、夜型人間はもともとの生活習慣が不規則なので、交代制勤務や徹夜に対する適応性が十分あります。

 

要は、どういう人生を送りたいかによって、朝型が良いのか夜型が有利なのかが決まります。大事な仕事や勉強をする時間帯が、自分の最も活動的な時間帯に一致すると効率が良くなります。

仕事の適性を判断するときにも、自分の睡眠パターンと合っているかどうかも、考える必要があるでしょう。

 

朝型人間になる方法

夜型には2つのタイプがあります。遺伝子的にしっかり夜型の人を「真の夜型」、遺伝子的には朝型あるいは中間型だけど、環境の影響などで夜型生活をしている人を「なんちゃって夜型」といいます。

 

「真の夜型」の人が朝型生活に変わるのは、かなり難しいと思われます。

一方、「なんちゃって夜型」の人は、少しずつ身体を慣らしていくと、朝型人間になれる可能性があります。

 

夜型から朝型に変わるためには、まず、起床時刻を15~30分早めることから始めましょう。就寝時刻から早めようとする人もいますが、なかなかうまくいかないことが多いようです。

早く起きると睡眠時間が短くなるため、その夜には少し早い時刻に眠くなります。これを毎日繰り返していくと、少しずつ朝型になります。

 

ただし、朝型生活が定着するには、しばらく時間がかかります。

 

起床時刻を少し早めたら、身体がなれるまで1週間ほど様子を見ましょう。

朝はすっきり目が覚めて、日中の眠気がひどくなくなれば、もう少し早く起きて早く眠るようにしていきます。
 

睡眠の時間帯をずらすだけでは、朝型生活は定着しません。生活の習慣や寝室の環境を見直して、生活全体を朝型にシフトしましょう。

 

眠りの質を良くするためのアイデアは、以下を参考にしてください。

夜型生活も楽しいですが、朝型人間にはそれなりのメリットもあります。自分がどんな人生を送りたいかを考えて、自分に合った生活パターンを実現してください。

 

photo:Getty Images

坪田 聡

執筆

医師・医学博士

坪田 聡

医師として睡眠障害の予防・治療に携わる一方で、睡眠改善に特化したビジネス・コーチとしても活躍中。「快適で健康な生活を送ろう」というコンセプトのもと、医学と行動計画の両面から睡眠の質を向上させるための指導や普及に尽力。総合情報サイトAll about 睡眠ガイド。 「睡眠専門医が教える! 一瞬で眠りにつく方法」(TJMOOK 宝島社)、「パワーナップ仮眠法」(フォレスト出版)他、監修・著書多数。

医療法人社団 明寿会 雨晴クリニック 副院長

Site: http://suiminguide.hatenablog.com/


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