あなたの睡眠はみんなと同じじゃない。睡眠のトリセツ作成のススメ

あなたの睡眠はみんなと同じじゃない。睡眠のトリセツ作成のススメ

こんにちは。睡眠コンサルタントの土井です。連載の第14回目となる今回は、「自分の睡眠のトリセツ作成のススメ」をテーマに書いていきたいと思います。

 

あなたの睡眠はみんなと同じじゃない

あなたの睡眠はみんなと同じじゃない

いきなり睡眠のトリセツと言われても聞き慣れない言葉だと思います。睡眠のトリセツ、つまり自分の睡眠を言い表した取扱説明書ということです。

 

なぜ、「トリセツ」が必要なのか、どうやって作っていけばよいのか、順番に説明していきたいと思います。

 

「あなたの睡眠は他のみんなと必ずしも同じではない」これが、睡眠のトリセツが必要な理由の1つです。人間はみんな睡眠をとります。

それは生まれた頃から無意識にやっていることです。誰にも習わず物心ついたころからみんなが等しくできることなので、自分の睡眠とみんなの睡眠が同じであるような錯覚に陥ります。

 

しかし、実際はそうではありません。睡眠には非常に多様性があるのです

 

もちろん「平均」や「一般的」という考えはありますが、それに自分があてはまっているかどうかはわかりません。

平均的な数字や一般的な数字は参考にはなるものの、あなたの睡眠を言い表しているわけではありません。あなたの理想の睡眠を言い表しているわけではありません。

1人1人得意・不得意があるように、好き・嫌いがあるように、睡眠は人によって異なってくるのです。

 

自分の得意・苦手を知るのが大事なように、自分の好き・嫌いを知るのが大事なように、自分の睡眠がどんなものなのか、自分に最適な睡眠はどんなものなのか知ることはとても大切になってくるのです。

 

自分を知ることが、自分を活かす

自分を知ることが、自分を活かす

自分の睡眠を知ることは、自分を守ることであり、自分を活かすことにつながるということも理由の1つです。

 

私達は一生眠らないで過ごすということはできません。ほとんどの人が必ず毎日眠りに落ちます。

もし眠りが著しく制限されると、ブラックアウトのように本能レベルで身体は無意識に眠りにおちます。それほど人間の身体にとって必要なことなのです。

 

そんな大事なものにも関わらず、多くの人は自分の睡眠について知りません。もし自分の睡眠を知り、理解することができれば、それはあなたが自分を守り、活かすことに非常に役立ちます。

 

メタボリックシンドロームや認知症をはじめとした様々な病気のリスクをあげると言われますので、日々の睡眠不足によって病気を発展することもあるかもしれません。

睡眠を知り、理解することができれば自分を守るだけでなく、自分を活かすことができるかもしれません。

 

例えば、生まれつきすごく夜型の人がいるとします

 

寝つけるのも非常に遅く、それゆえ一般的な学校生活や会社生活では常に睡眠不足に陥っています。夕方頃にやっと調子がでてきたと思ったら、もう帰る時間。

なかなか自分の思うようにできませんが、みんなの生活リズムや睡眠のリズムが普通だと思っているので、自分はなんとかそれに合わせられるようにがんばらないと!と思います。

 

しかし、それを社会のリズムではなく、自分のリズムに変えることで自分を活かすことができるかもしれません。

それまでは常に睡眠不足で発揮できなかった力が自分のリズムに合わせることで発揮できるかもしれません。

 

実は、この夜型の例は私自身のことを表しています。

不眠を克服できたことに加えて、自分の睡眠と向き合う中で自分の睡眠の特性に気づくことができ、それに合わせた生活を意識することで非常に生きやすくなりました。

 

いままでは「朝型じゃなきゃいけない」と思い込んでいましたが、そもそもなぜ朝型がいいと世間一般で言われるかといえば、それは時間を有効活用したり、仕事や日常生活を充実させるためではないでしょうか

その目的が達成できるのであれば、なにも朝型にこだわる必要はないのではないか?とある日思うようになりました。

そこで自分の睡眠の特性に合わせて生活したところ、十分な睡眠を得られるようになり、その結果仕事の生産性や生活の質が上がりました。

 

自分の睡眠を知り、理解することで、自分を守ることができるようになるだけでなく、自分に合った働き方や生き方を見つけるヒントになるのです。

 

記録をとろう、睡眠を知ろう

記録をとろう、睡眠を知ろう

ここからは具体的に「トリセツ」を作っていくための方法を紹介したいと思います。

 

まずは、記録をとるということです。

「知る」というステップです。

 

「自分の睡眠くらい記録をとらなくてもわかる」と思ってしまいますが、実は意外にわかっているようで、わからないのが睡眠です。

 

たとえば、昨日の睡眠は思い出せても、1週間前、1ヶ月前の睡眠を思い出すことはかなり難しいでしょう。

そこで記録するということが大変役立ちます。

自分の睡眠はどんなものか客観的に知ってみる、それが大切です。

 

では、どんなことを記録していけばよいのでしょうか。まず基本となるのは、以下の項目です。

  • 何時に寝て、何時に起きたか
  • 寝付くのにどれくらいかかったか
  • 途中目が覚めることはなかったか
  • 起きたときの満足度はどうだったか

 

これだけでもかなり有益ですが、さらに寝る前の行動や日中の行動や活動を記録するとさらに役に経ちます

 

というのも、睡眠に大きな影響を与えているのは、起きてから寝るまでの行動の積み重ねだからです。同じ時間寝ていても、ある日はすごく眠った気がするけれど、別の日はあまり調子がよくないと感じることはないでしょうか?

睡眠だけの情報を記録していると、それに対する対策は見えてきませんが、日中や寝る前の行動を記録しておくとそのヒントが見えてきます。

 

さらに1日や1週間では見えてこなかったものが、1ヶ月、2ヶ月と継続的に記録することで見えてくるようになります。

現在は、睡眠を記録するアプリも多くあるので、そんなものも利用しながら記録をとってみると今まで見えなかった自分の睡眠が見えてくるかもしれません。

 

分析して法則を見つけよう

分析して法則を見つけよう

記録するだけでも、自分の睡眠を知るための色んな情報を入手できますが、定期的に睡眠を分析してみるとなおよいでしょう。

 

「知る」の次の「理解する」というステップです。

 

睡眠を記録するだけでは、どうしても記録したその日や記録した週の睡眠の内容や変化に注目がいきがちです。しかし、これを数週間単位、数ヶ月単位で分析してみることで新たな発見があります。

 

たとえば、毎週月曜日は睡眠がよくないとか、休日の過ごし方によって平日の睡眠に違いが出るなどはある程度の期間を見比べないとなかなか気づきにくいことです。

 

そこで気づいたことは自分なりの法則としてメモをしてみましょう。すると、自分の中でよい睡眠をとるための法則が徐々にわかってきます。

法則をたくさん見つけることができれば、ある程度睡眠をマネジメントすることができるようになります。睡眠をマネジメントできれば、日常の生活を豊かにすることができるでしょう

 

さらに悪い睡眠の時の共通点をあらかじめ知っておくと、いざ不眠になった時にあせらず対処できます。不眠では初期の対応が大切なので心強い味方になってくれるでしょう。

このように自分だけの法則を見つけることが「トリセツ」を作る上でポイントになってきます。

 

「一般的な睡眠」や「平均的な睡眠のデータ」ではなく、あなただけの、あなたに合った睡眠の「トリセツ」をつくってみましょう。

 

さいごに:人生の3分の1をしっかり知ろう

さいごに:人生の3分の1をしっかり知ろう

睡眠は人生の3分の1を占めると言われるほど大切なものです。

 

そんな3分の1を占める自分の睡眠を知るということは、自分について知ることでもあります。逆に言えば、自分のことなのに知らない時間が3分の1もあるのはよく考えると不思議なことではないでしょうか。

 

睡眠は決して無駄な時間ではなく、人間にとって必要不可欠なものです。睡眠を知り、理解することでは人生を豊かにすることにつながるのではないでしょうか。ぜひ皆さんも睡眠のトリセツを作って見て下さい!

 

photo:Getty Images

土井 貴仁

執筆

睡眠健康指導士

土井 貴仁

幼少の頃から不眠症に悩み、高校生の頃から睡眠導入剤を服用しはじめる。不眠症を患ってから2年以上たったある日、カウセリングを通じた「認知行動療法」に出会い不眠症を克服する。自らの経験を生かし、一人でも多くの人の為になりたいという想いから「一般社団法人日本睡眠教育機構」認定資格である「睡眠健康指導士」を取得。 不眠症における認知行動療法を受けることのできる医療機関の少なさ、地域格差に問題意識を持ち、Web上で認知行動療法が実践できる仕組みづくりに奮闘している。その他講演活動や執筆活動など幅広く活動中。


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