寝酒でよく眠れるのですが、アルコールと睡眠の関係は?

お酒は、睡眠にとって百害あって一利なしです。

 

多量のお酒を飲んだ日は、寝つきがよく、深く眠れるように感じる人も多いでしょう。しかし、アルコールには睡眠を直接引き起こす作用はありません

実は、多量のアルコールによって覚醒が抑制されているだけで、レム睡眠(※1)や深い睡眠(※2)は減ってしまうのです。

 

また、アルコールが代謝されると、中途覚醒が増えて眠りが妨害されます。そのうえ、交感神経(自律神経系のひとつ)も休息しないので、朝起きたときに疲れがとれていないと感じる原因にもなります。

さらに、毎晩のようにお酒を飲んでいるとアルコールへの耐性ができるので、「寝つきがよくなる」「深く眠れる」と感じる錯覚効果はなくなります。これが、アルコールの摂取量がどんどん増えてしまう一因になるのです。

 

一方、アルコールが代謝されたあとにできるアルデヒドなどには耐性ができず、睡眠妨害効果が残ってしまうことがわかっています。

 

(※1)「レム睡眠」:睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠があります。
レム睡眠の脳波はノンレム睡眠の「段階1」に似ていて、目玉がキョロキョロと動きますが、筋肉はゆるんで体は動きません。記憶の索引をつくるなどの大切な役割をつかさどっています。
(※2)「深い睡眠」:ノンレム睡眠は「段階1」のもっとも浅い睡眠から「段階4」のもっとも深い睡眠まで4段階あります。深い睡眠は、ノンレム睡眠の段階3、4のことを指します。

 

白川 修一郎

監修

医学博士

白川 修一郎

睡眠評価研究機構代表、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所客員研究員。東京都神経科学総合研究所客員研究員。江戸川大学睡眠研究所客員教授。日本睡眠改善協議会常務理事・日本睡眠学会理事。主な著書に『睡眠とメンタルヘルス‐睡眠科学への理解を深める‐』(ゆまに書房/共著)など。


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