ストレスがたまると、集中力が低下することで仕事の効率が落ちたり、ぐっすり眠れなかったりするなど、心身へ不調が出ることがあります。ストレスはためずに、日々対処することが重要です。今回は、ストレスを緩和する方法として「呼吸法」に着目。今回は、呼吸法を変えることで自律神経のバランスを整える「リセット呼吸術」をご紹介します。

森林で深呼吸する女性

 

リセット呼吸術がストレス対処に有効な理由

「リセット呼吸術」は、日常生活で日々蓄積していくストレスに対し、呼吸を整えることでこまめに対処していく方法です。ストレスをため続けると心身に不調が出てしまうため、蓄積する前に日々対処していくことが重要になります。ここでは、リセット呼吸術と呼ばれる呼吸法がストレス対処法として有効である理由について解説していきます。

ストレスをこまめに解消したほうがよい理由

ストレスが蓄積してしまうと、睡眠に問題が出たり、食欲に異常をきたしたりするなど、心身に不調が出てしまいます。こうした症状は、積み重なると、重大な病気が発症するきっかけとなり得るので、小さなストレスをこまめに対処していくことが重要です。
 
小さなストレスには「上司に嫌味を言われた」「隣の家の生活音が気になる」など外的要因が挙げられ、「デイリーハッスル」と呼ばれています。この「デイリーハッスル」を蓄積させないように工夫することが大切です。

ストレス対処のための3つのR

「デイリーハッスル」の対処するためには3つの「R」を実践することが有効です。これは「レスト(Rest)」「リラクゼーション(Relaxation)」「レクリエーション(Recreation)」の頭文字を略したものです。ここでは、ストレス対処法として有効な3つの「R」について解説します。今回解説している「リセット呼吸術」は「リラクゼーション(Relaxation)」に当てはまります。

レスト(Rest)

横になって休息をし、疲労回復のために睡眠をとることを指します。眠ることで、覚醒を司る交感神経と、休息を司る副交感神経のバランスが整い、心身ともに落ち着いた状態になります。

リラクゼーション(Relaxation)

「心も体も気持ち良く、くつろぐ時間を確保する」というもの。つらいという感情を遠ざけて、積極的に気持ちを楽にする方法を考えます。ヨガやマッサージ、マインドフルネスを実践すると、休息を司る副交感神経の働きが高まるため、リラックスした状態になります。リセット呼吸術も副交感神経の働きを優位にする行動なので、「リラクゼーション(Relaxation)」にあたります。

リクリエーション(Recreation)

気の置けない友人とおしゃべりをする、料理など集中できる趣味に没頭する、など積極的に活動をすると、ネガティブな感情からポジティブな感情へと切り替わります。

ストレスと呼吸の関係

人はストレスがかかると、交感神経が緊張します。交感神経が緊張した状態が続くと、おもに以下の状態になります。

  • 血圧が高くなる
  • 脈拍数が上がる
  • 呼吸が浅く速くなる

 

このなかで人間が意識的にコントロールできるのは、呼吸のみです。そして、呼吸は自律神経と相互に作用する仕組みになっているため、息を吸ったときには交感神経の働きが高まり、副交感神経にブレーキをかけるようになります。逆に息を吐いたときには副交感神経の働きが高まって、交感神経にブレーキをかけるようになります。
 
意識的に息をゆっくり吐くことでストレスの影響による交感神経の緊張がおさめられ、血圧や脈拍などが落ち着きます。すると、心や身体への負担が減るため、呼吸を整えることが重要なのです。

リセット呼吸術の方法

呼吸を工夫する

リセット呼吸術は、ストレスを緩和するために重要である自律神経の調整に有効な呼吸法で、息を吸う時間よりも吐く時間を意識的に長くするというものです。ここでは、リセット呼吸術の具体的な実践法をお伝えします。

リセット呼吸術を行う前に

まず、いまの自分がどんな呼吸をしているのかでストレス状態を把握しましょう。骨やおなかなど体に手を当てて動きを確認します。特に意識せずに、息を吸う、吐くという動作を繰り返してみましょう。このとき、「吸う」「吐く」の切り替えのときのポーズ(休止)のタイミングを鏡で確認します。ポーズが短くなっていると、呼吸が速く、浅くなっており、ストレス負荷がかかっている状態だといえます。

リセット呼吸術の方法

呼吸の状態を確認した上で、リセット呼吸術を実践していきましょう。リセット呼吸術は、腹式呼吸を基本とします。一般的に、人は1分間に15回~20回のペースで呼吸をしています。最初は、これと同じペースで、おなかを膨らまして息を吸い、おなかをへこまして息を吐くということを繰り返していきます。
 
ここでは、息を長めに吐くことがポイントとなります。順にリセット呼吸術の手順を見ていきましょう。

鼻から吸って、口から吐き、腹式呼吸を心がけましょう

鼻から吸って、口から吐くイメージ

普段息をしているようにいつもと変わらない体勢で、ゆったりとした気持ちで行います。
 
鼻から2秒かけて空気を吸い込み、おなかが膨らむように、空気を肺に入れます。力まずに自然と空気が入ってくるようにします。

2~4秒をかけてゆっくりと息を吐く

2~4秒をかけてゆっくりと息を吐くイメージ

鼻から2秒かけて空気を吸ったあとは、おなかを徐々にへこませるように、2~4秒をかけてゆっくりと息を吐いていきます。吸った時間と比べて2倍ほどの時間をかけるイメージです。このときに副交感神経の働きが高まり、ストレスを軽くすることができますので、ゆっくりと息を吐くようにしましょう。
 
息を吐ききったら、次の呼吸に向けて、もう一度自然と空気を肺に入れるようにします。
 
はじめのうちは、1分間に15回~20回ほどのペースでよいですが、慣れてきたら1回の呼吸を「2秒吸う →6秒吐く」という流れで合計8秒ほどかけましょう。1分間に7回~10回ほどの呼吸回数になるのが理想的です。

リセット呼吸術を行う適切なタイミング

日々の小さなストレスである「デイリーハッスル」を取り除くためにも、毎日行うことがおすすめです。とくに、夜眠る前にリラックスできるシチュエーションで行うと、副交感神経が優位になることで自然な入眠につながり、質のよい睡眠につながります。
 
眠る前に自然に呼吸ができるようになってきたら、普段の生活の中でも「つらい状況に直面した」と感じたタイミングで取り入れてみましょう。小さなことでもかまいません。朝、電車にのったときに他人の動きにイライラする、誰かの電話の音が大きくてイライラする、家庭で夫婦げんかになってしまう、などのタイミングでも呼吸を整えると、ストレスが蓄積されにくくなります。

スムーズにリセット呼吸術を行うコツ

リセット呼吸術をスムーズに習得したい場合には、音でインストラクションしてくれるものや、呼吸の状態をモニターする外部機器などを利用するとよいでしょう。呼吸を整えてスムーズに入眠するために有効です。

リセット呼吸術のメリット

笑顔でハンモックに横になる女性

リセット呼吸術を行うと、休息を司る副交感神経が優位になるため、ストレスが緩和されます。ストレスが緩和されると、心身にさまざまなメリットがあります。ここでは、リセット呼吸術により得られるメリットを紹介します。

イライラしにくくなる

リセット呼吸術を試すことで交感神経の緊張がゆるくなると、不安感、緊張感、焦燥感もやわらぎます。

心身症のリスクが下がる

「心身症」は、精神的な負担から身体的に症状が出てしまうことを指します。身体的な症状はさまざまで、高血圧、胃潰瘍、アトピー性皮膚炎、頭痛やめまい、アレルギー性鼻炎などが多いといわれています。リセット呼吸術を実践し、小さなストレスでも蓄積しないようにすると、心身症のリスクが下がります。

仕事の効率アップ

ストレスを対処して、精神面と肉体面の両面が安定すると、集中力が高まり仕事の効率もアップします。

リセット呼吸術と睡眠の関係

睡眠にも良い影響

リセット呼吸術によって自律神経を整えると、入眠がスムーズになり、睡眠の質が上がります。ここでは、リセット呼吸術と睡眠の関係について解説します。

リセット呼吸術で睡眠の質が上がる理由

息を吐く時間を長くとることにより、副交感神経の働きが高まると、リラックス状態になります。人はリラックスした状態になると、スムーズに入眠できるようになります。とくに、入眠時には疲労回復のために必要な成長ホルモンの分泌が盛んになるため、身体の疲れもとれやすくなります。すると、心身の疲労の蓄積が減るため、ストレスの軽減にもつながるのです。
 
<呼吸をガイドする2breathe(ツーブリーズ)>
ウエアラブルセンサーを腹部に装着し、センサーとアプリと接続すると、呼吸パターンを読み取ってくれ、スマホアプリよりユーザーに合った呼吸調節ガイド音が流れてくる呼吸ガイドアイテムです。呼吸リズムの変化や、入眠時間などが記録されるので、リセット呼吸術にも活用できるアイテムです。
 
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監修:古賀良彦(杏林大学名誉教授)
 
<参照>
 
ストレス社会に負けないリセット呼吸術
https://fuminners.jp/special/resetbreath/
『ビジネスパーソンの抱えるストレスを全国一斉調査』(チューリッヒ生命)
『現金給付受給者状況調査』(全国健康保険協会)
『ハリソン内科学第5版』デニス・L・カスパーほか編 ,福井次矢ほか監修(メディカル・サイエンス・インターナショナル)
『ガイトン生理学原著第11版』アーサー・C・ガイトンほか原著. 御手洗玄洋総監訳. 小川徳雄ほか監訳(エルゼビア・ジャパン)

photo:Getty Images

  • 体験談は個人の感想であり、特定の効能・効果を保証したり、あるいは否定したりするものではありません。

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