ついお酒を飲みすぎてしまい、翌日に頭痛や吐き気などのつらい症状に悩まされる「二日酔い」。「こんなことになるならもうお酒は飲まない」などと後悔したことはありませんか? 今回は二日酔いのメカニズムから予防法、対処法まで紹介いたします。

二日酔い予防と解消法|飲酒前にやっておきたいこと

 

二日酔いになるメカニズム

二日酔いになるメカニズム

二日酔いは、アルコールが分解される際に発生する有害物質「アセトアルデヒド」が原因となって起こります。二日酔いのメカニズムを知るために、まず身体の中でアルコールがどのように分解されるのかを理解しましょう。

アルコールが分解されるまでの流れ

アルコールは以下の流れで体外へ排出されます。
 
(1)吸収
体内に入ったアルコールが、胃や小腸から吸収される
(2)運搬
血液によってアルコールが肝臓に運ばれる
(3)分解
肝細胞(※)にある「アルコール脱水素酵素(ADH)」と「ミクロゾームエタノール酸化系(MEOS)」という2種類の酵素によって、アルコールが「アセトアルデヒド」という毒性のある物質に分解される

(※)肝臓で行われる代謝の大部分を引き受ける細胞

(4)酸化
「アルデヒド脱水素酵素(ALDH)」によってアセトアルデヒドが酸化し、無害な「酢酸」に変化する
(5)再分解
酢酸が血液中に運ばれ、「水」と「炭酸ガス」に分解される
(6)排出
水は腎臓を通して排尿、炭酸ガスは肺を通して呼吸によって、それぞれ体外へ排出される
 
上記の流れでアルコールは分解され、体外へ排出されます。正常に分解作用が働けば、二日酔いになりません。しかし、肝臓の処理能力を上回る多量のアルコールを摂取したり、分解の過程で何らかのトラブルが生じたりすると、無害化できなかったアセトアルデヒドが体内に蓄積され、二日酔いにつながります。

二日酔いの代表的な原因と症状

二日酔いの原因には次のようなものがあり、その原因によって症状にも違いがあります。

水分不足が原因…口の渇き

肝臓でアセトアルデヒドが分解される際、大量の水分が消費されます。そのため、飲み過ぎなどによって肝臓がオーバーワークを強いられると、身体は脱水状態に陥り、結果として翌日に「口の渇き」を覚えるようになります。

アセトアルデヒドを分解しきれなかったことが原因…吐き気、頭痛

肝臓がアルコールを分解するときに発生する「アセトアルデヒド」が体内に残ると、脳の血管が拡張され、頭痛の原因となる神経を刺激されます。これにより、頭痛がおこります。また、アセトアルデヒドは嘔吐中枢も刺激するため、吐き気ももよおされます。

胃腸の乱れ…胸焼け、吐き気、嘔吐

アルコールの吸収時、胃酸過多の状態となり、胃が傷ついてしまうため、「胸焼け」「吐き気」「嘔吐」の症状が出ます。

二日酔いになりやすい人の特徴

日中眠ってはいけないときに強い睡魔に襲われてしまった場合、一時的に対処する方法を紹介します。

二日酔いになりやすい人の特徴

二日酔いに影響を与えるものとして、体質やお酒を飲んだ日のコンディションが挙げられます。ここでは、二日酔いになりやすい人の特徴をまとめました。

二日酔いになりやすい人

いつも二日酔いになってしまう人や、どんなに飲んでも二日酔いにならない人がいますが、その違いはどんなところにあるのでしょうか。以下に二日酔いになりやすい人の体質をまとめました。

アセトアルデヒドを分解する酵素が少ない

二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解する「アルデヒド脱水素酵素」の能力には、個人差があります。「アルデヒド脱水素酵素」の活性が弱い人「不活性型」の人は、安定的に活性がある「活性型」の人と同量のお酒を飲んでも、血中のアセトアルデヒドの濃度が10倍以上高くなってしまいます。

二日酔いになりやすいコンディション

普段と同じ飲酒量でも、以下のタイミングでお酒を飲むと二日酔いになりやすくなります。

飲酒をする日が続いている

毎日のように飲酒をすると、アルコールの分解作用が追いつかなくなったり、アセトアルデヒドの分解が追いつかずアセトアルデヒドが体内に蓄積するため、二日酔いになりやすくなってしまいます。

生理前

女性は男性に比べ、肝機能の働きが弱く、アルコール処理能力が低いとされています。また、生理前に多く分泌される女性ホルモンがアルコール分解に必要な酵素の働きを妨げるため、二日酔いになりやすくなります。

二日酔いの対処法

二日酔いの対処法

週末にお酒を飲みすぎてしまって、せっかくの休日なのに二日酔いで身体を起こすこともだるいと感じる…。そんなときは、以下の方法を試してみましょう。

二日酔いの症状別リセット法

二日酔いになったときは、症状に合わせた対処法をとることが大切です。

口が渇く…100%果汁入り飲料

朝起きて口の渇きを感じるときは、まずは水分摂取が基本になります。できるだけたくさんの水を摂るようにしましょう。また、果汁100%のミカンやリンゴのジュースを飲んでみるのも良いでしょう。これらのドリンクを摂ると、アルコール分解によって失われた水分を補給できると同時に糖分を摂取できるため、糖分不足による頭痛やだるさを緩和できます。

めまい、身体のだるさ…時間の経過を待ち、カフェインや糖分を摂る

アセトアルデヒドが主な原因ですが、基本的には時間が経過し待つことが一番の対策になります。たくさんの水分を摂るようにしつつ、あまりに症状がひどい場合には後述の市販の医薬品を使ってみましょう。また、コーヒーやお茶に含まれるカフェインには頭痛を和らげる作用が、また果物には肝臓のアルコール代謝に必要な糖分を補う効果があるので、積極的に摂るようにすると良いでしょう。

吐き気、頭痛…医薬品の服用

二日酔いの吐き気や頭痛には、それぞれに特化した医薬品を服用すると、症状が緩和されます。二日酔いによる吐き気や胃のむかつきには胃腸薬が、また頭痛にはイブプロフェン等が配合されている頭痛薬が効果的です。ただし薬によってはお酒との相互作用がある薬もありますので、薬局で相談するようにしましょう。また、多量のアルコールを代謝する際にはビタミンB1が消費されますので、必要に応じてビタミンB1のサプリメントを摂取しても良いでしょう。

二日酔いの予防法

二日酔いの予防法

つらい二日酔いを予防するためには、お酒を「飲む前」「飲んでいるとき」「飲んだ後」の3つのタイミングで心がけたいポイントがあります。

飲酒前

前もってお酒を飲むと分かっているときは、以下のポイントをおさえておきましょう。

水分補給をしっかりしておく

アルコール分解時には大量の水分が必要になるため、事前に水分補給をしておくことで水分不足を防ぐことができます。胃の中が水分不足だと、胃酸過多による吐き気や嘔吐などの症状を引き起こすことがあります。

飲酒時

二日酔いを回避するためには、飲酒量に気をつけることが最も重要なポイントです。

適量を心がける

当然ながら、多量のアルコール摂取は、二日酔いの大きな原因。前述の通り、日本人にはアセトアルデヒドを分解しにくいという特徴を持つ人が多いので、ストレスや疲れがたまっているからといっても、深酒は避けるようにしましょう。
 
成人男性のアルコール摂取量の目安は、ビール中びん1本(500ml)、日本酒1合(180ml)、ウイスキー・ブランデーダブル(60ml)、焼酎1合(180ml)、ワイン1杯(120ml)です。
 
女性は男性よりも、肝機能の働きが低く、アルコールを分解するためにより多くの時間を必要とします。女性は、これよりも少なめを目安としましょう。

空腹状態でお酒を飲まない

空腹時の飲酒は、肝臓や胃に負担がかかるため、アルコール分解のパフォーマンスが低下します。また、胃の中が空っぽのときはアルコールの吸収が早まります。肝臓も空腹時はエネルギーが不足しているため「吸収は早いが分解は遅い」という状態になり、二日酔いになってしまいます。

飲酒後

酔いにまかせてそのまま寝てしまうこともあるかもしれませんが、少し工夫をするだけでも二日酔いになりにくくなります。

水分補給をする

アルコールには利尿作用があるため、お酒を飲んだあとは水分不足になりやすくなります。これにより、血液中の水分が減ってしまい、血がドロドロになることで、眠っても疲れがとれにくくなってしまいます。眠る前に十分に水分を補給しておきましょう。
 
監修:坂元晴香(さくらクリニック 内科医)
<参照>
▼第一三共ヘルスケア
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/38_futsukayoi/index1.html
 
▼厚生労働省「健康日本21(アルコール)」
http://www1.mhlw.go.jp/topics/kenko21_11/b5f.html
 
▼テーマ02 「あなたはお酒が強い人?弱い人?」|東京国税局|国税庁
https://www.nta.go.jp/tokyo/shiraberu/sake/seminar/h19/02/02.htm

photo:Getty Images

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