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仕事でミスをしたり、上司に怒られたり、仕事が山のように積み重なったり、私たち社会人が仕事で抱えるストレス要因は日々絶えません。慢性化したストレスをそのまま溜め込んだままにしてしまうと、それが引き金となって重い病気に発展してしまうケースもあります。

そこで、自分のストレスタイプ別チェック方法と、日頃から行える正しいストレスケアについてまとめてみました。

 

そもそもストレスとは?

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一般的に「ストレス」と聞くと、嫌なことがあった、不快な思いをしたなどマイナス要因がはたらいたと考えがちですが、「ストレス=嫌なこと」という認識は間違い。そもそも「ストレス」とは、「ストレッサー(圧力を与えるもの)」によって受けた「歪み」を意味する物理学用語です。これをヒトにあてはめて考えると、「心と身体に影響するありとあらゆる刺激」 がストレッサーであり、「刺激によって心身に生じた変化」がストレスです。
 
もうお気づきかもしれませんが、現在は、ストレッサーのこともストレスと呼ぶのが一般的になっています。さて、ストレッサーは大きく以下の5種類に分けることができます。

    • 物理的ストレッサー
      温度、気圧、騒音など
    • 生物的ストレッサー
      ウイルス、痛み、疾病など
    • 化学的ストレッサー
      アルコール、薬物、大気汚染物質など
  • 社会的ストレッサー
    転居、死別、結婚、昇進、退職、事故など
  • 精神的ストレッサー
    不安、怒り、緊張、焦りなど

 
精神的ストレッサーとして挙げた「不安、怒り、緊張、焦り」などは、ストレッサーであると同時に、あらゆるストレッサーによって引き起こされうる精神症状(ストレス)でもあります。つまり、できごとが起きて不安が高まり、これがさらに心身の異変を招くといった悪循環が生じる恐れも十分にあるのです。
 
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なぜストレスが溜まるの?

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では、なぜストレッサーの影響を受けた結果、ストレスが生じ、やがて溜まってしまうのでしょうか? 前述したように、「ストレッサーの刺激によって心身に生じた変化」がストレスです。私たちの身体にはストレッサーの影響を受けてストレスが生じて、元の正常な状態に戻そうとするホメオスタシス(体内恒常性)が備わっています。
 
しかし、常にストレッサーによる刺激を受けていたり、あるいはそうした状態を放置していたりすると、ストレッサーの存在や生じたストレスに気づく力が弱まったり、元の状態に戻ろうとする働きを維持できない状態に陥ったりすることがあります。これがストレスが溜まった状態なのです。

ストレスが溜まるとどうなるの?

ヒトは身体の働きを調整する「自律神経系」、ホルモンバランスを整える「内分泌系」、身体を外敵から守る「免疫系」、そして気分を調節する「脳内の神経系」がバランス良く働くことで、心身の機能の安定を保っています。本来、ストレッサーによる刺激の受け方もその働きによって制御されていますが、強いストレッサーが加わると、これらのバランスが崩れてしまいます。その結果、自律神経失調や、ホルモンバランスの乱れ、免疫力低下、気分の制御困難などが起こり、やがてさまざまな心身の異常に発展していきます。これが、ストレスが溜まった結果なのです。

身体に与える影響

・自覚症状:頭痛、腹痛、肩こり、めまい、肌荒れなど
・医療機関で診断される病気:狭心症、過敏性腸症候群、高血圧症など

精神に与える影響

・自覚症状:不安、気力・意欲・判断力・集中力の低下など
・医療機関で診断される病気:うつ病、不安障害、睡眠障害など

身近なストレッサーによってうつ病に至るケースは非常に多いのですが、厚生労働省の発表によれば、2009年の自殺者の中で、「うつ病」を背景とする割合は実に43.8にものぼりました。ストレスが溜まり、うつ病を発症した場合、生死に関わってくる危険性もありますので、ストレスへの気づきと対処は重要なのです。

まずは自分のストレスタイプを知ろう

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どのようなストレッサーに敏感となるかを知ることも大事ですが、そのストレッサーに対してどのようなストレス症状が現れやすいのか、意識したことはありますか? まずは、あなたのストレスタイプを診断してみましょう。

ストレスタイプ診断

A】~【D】に挙げられた項目のうち、あなたによくあてはまると感じるものをすべてチェックしてください。

【A】

  • 腹痛や腹部不快感を伴う便通異常(下痢や便秘)が増えた
  • 胃のあたりがムカムカすることが増えた
  • 肩こりが悪化した
  • 頭痛に悩んでいる
  • めまいや耳鳴りなどに悩んでいる

 

【B】

  • 身体がだるく疲れやすい
  • 夜は寝つきが悪く、朝は寝起きが悪い
  • 自分の時間をなかなか持てない
  • うっかり物忘れをしてしまうことがある
  • 何をするにもやる気が出ない

 

【C】

  • 何かと憂鬱な気持ちになる
  • 人生をつまらないと感じることがある
  • 人付き合いが苦手で孤独を感じる
  • 心配性で悩み事が多い
  • ふと悲しい気分になることがある

 

【D】

  • じっとしていることが苦手である
  • 衝動的な行動に走ることがある
  • 些細なことでも過剰に反応してしまう
  • すぐカッとなる
  • 思い通りにいかないことが多い

A】~【D】のうち、どれが最も多く当てはまりましたか? このストレスタイプ診断を行うことで、あなたがどのようなストレスを抱えやすいのかがわかります。

診断結果からわかるあなたのストレスタイプ

【A】が多かった人は…「心身症・身体化」タイプ

日々のストレスを無理に抑え込もうとすると、身体の症状や病気となって現れることがあります。狭心症・過敏性腸症候群・高血圧症などの身体疾患は、発症や経過にストレスが強く関与した場合、「心身症」と呼ばれます。
 
また、病気までに至らずとも、ストレスが、めまい・吐き気・動悸などの身体症状として現れることも多く、これは身体化と呼ばれます。心身症や身体化は、自分の感情の変化に気づきにくい人に多くみられます。本人は身体の異常の原因がストレスにあるとは考えていないため、原因不明の腹部症状やめまいなどに悩んでいる人はまず、ストレスと体との関連に気づくことが必要です。

【B】が多かった人は…「慢性疲労」タイプ

慢性的なストレスの持ち主で、体力が十分でない人に多いタイプ。心の中に葛藤、怒り、不満を抱きながらも、その解決方法が分からず常にモヤモヤしている状態で過ごしていませんか? 具体的な症状としては疲労感、目の疲れ、生理不順、不眠といった症状が現れることが多く、病院で原因不明と診断されることも。身体の不調によって仕事などに影響が出れば、さらにストレスを抱え込んでしまいます。

【C】が多かった人は…「うつうつ」タイプ

B】が身体的な活力が十分でない人に多いタイプであるのに対して、【C】は精神的な活力が十分でない人に多いタイプ。自己評価が低く、ものごとを寛容に受け止められない場合、憂うつな気持ちに陥ってしまいがちです。そしてそういったネガティブな気持ち自体がさらなるストレスにつながっていきます

【D】が多かった人は…「イライラ」タイプ

心の中の不満や怒りを人や物にぶつけずにはいられない人に多いタイプ。自分の思い通りにいかないことがストレスとなってしまい、それが発散されないと余計にストレスが溜まってしまいます。

【A】〜【D】のすべての傾向がみられた人

A】〜【D】のいずれも3項目以上あてはまった人は、心身ともに非常にデリケートなため、あらゆるストレッサーに対してストレスを生じやすく、常に心身の異常をきたすリスクにさらされている可能性があります。

このように、ストレッサーに対し、どのようなストレス症状を生じやすいかを自覚することで、自分に合ったストレス対処法を見つけることができます。

日頃から行える10のストレスケア

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ストレスは日々の生活の中で意識せずに溜まってしまうもの。心身に負荷を与えるストレスを軽減させるためには、日頃から簡単にできるケアを行いましょう。

タイプ別10のストレスケア

ここからはストレスタイプ診断を元に、それぞれのストレスタイプに特化したストレスケアと、どんな人にでもおすすめのストレスケアについて、10の方法を紹介します。

【A】の「心身症・身体化」タイプさんには

自分の苦しみや痛みから目をそらしてしまう傾向があるため、まずは自らをいたわり、何が苦痛なのか気づくことが先決。その後、身体に現れている症状を少しでもやわらげましょう。

おすすめのストレスケア

・イメージトレーニングで痛みを和らげる
まずは楽な姿勢で目を閉じて、ゆっくり自分の身体の痛みや、苦しみを感じている場所をイメージします。その場所に意識を向けることで、改めて自分が抱えていた苦痛に気づき、いたわることができるはず。自分自身を見つめ直すというケアが重要です。
 
・部分的に身体を温める
部分的に身体を温めることで血行を良くし、緊張状態の筋肉をほぐす効果があります。例えば肩こり、腰痛などで悩んでいる場合は、患部をカイロなどで温めたり、家族や友人に手でさすったりしてもらうと、温もりを感じて痛みが楽になるだけでなく、安らぎを得られ、精神的なストレスケアにもなります。

【B】の「慢性疲労」タイプさんには

身体の疲労状態が抜けないことで悪循環に陥ってしまっているため、以下のように身体を十分にリラックスさせるケアを試してみましょう。

おすすめのストレスケア

・腹式呼吸で自律神経を整える
まずは楽な姿勢になって、おへその下に空気が入っていることをイメージします。最初に、その空気をすべて出し切っておへその下をぺちゃんこにするよう意識しながら、鼻または口からゆっくり10秒かけて息を吐きます。その後鼻から息を吸い込んで(吸いすぎないように!)おへその下を膨らませ、再びおへその下をぺちゃんこにするよう意識しながら、鼻または口から10秒ほどゆっくり息を吐き出します。これを繰り返すことで自律神経の乱れが改善し、疲れにくい身体を手にすることができます。効果を出すために重要なのは、1回あたり45分間続けることです。

・温泉や自宅のお風呂でリラックスタイムを味わう
旅行ではゆっくり温泉に入り、自宅ではお風呂でアロマオイルなどの香りを広げたバスタイムを持つのがおすすめです。リラクゼーションタイムを大切にし、疲れが飛んでいくのを全身で感じましょう。

【C】の「うつうつ」タイプさんには

「自分は何をやってもだめ」と自己否定感が強く、そしてそのまま気分が落ち込んでしまうことが多いため、以下のような自分を肯定的に捉えるためのケアが必要です。

おすすめのストレスケア

・目指すのは小さな一歩から
高い目標を掲げ、遠くのゴールを意識すると、自信を失いがちになります。今日一日の目標、手の届きそうなゴールを設定し、そこに到達したら、「できた!」と声にしてみてください。これを積み重ねることで、少しずつ自信が得られるようになります。

・日光浴や散歩で気分をリフレッシュする
外出することも億劫に感じてしまうかもしれませんが、太陽の光を浴びることは、気分を安定させたり、睡眠を改善する効果があります。特に緑が多い公園、遊歩道などを散歩して自然と触れ合えば、自律神経のバランスも整い、より効果的です。

【D】の「イライラ」タイプさんには

以下のように、ストレスを発散できるようなケアと衝動のコントロールが効果的です。

おすすめのストレスケア

・音楽ライブやスポーツでイライラを吹き飛ばす
好きな音楽やスポーツなどに集中し、我を忘れることで、自分の怒りや不満も忘れさせてしまう方法です。観戦・観覧するだけでなく自ら参加して熱唱したり、運動して汗を流したりすることもおすすめです。

衝動をやり過ごす
物にあたることでストレスが発散できると考える人もいますが、これはあくまでも人にあたってしまう事態を避ける緊急避難的手段。長期的な視野に立つと決して賢明な方法ではありません。というのは、何かを傷つけたり壊したりすることは、その対象のみならず自分の心も消耗させ、怒りを増幅させる作用があるからです。
 
何かにあたってしまいたいという衝動に駆られたら、まず、一呼吸。そしてもう一呼吸。衝動は時間とともに大きさを変えますので、間をおいて衝動が薄れていくのを見届けてください。見届けられたことは、自分の感情をコントロールできるという自信につながります。

どんな人にでもおすすめのストレスケア

タイプ別にストレスケアを紹介しましたが、以下はどんなタイプでも実践してほしいストレス解消法です。意識すれば日常の中でも簡単に取り入れることができるので、是非、試してみてください。

・ストレス日記をつける
自分がその日に感じたことや思ったことを日記に書き留めます。はじめは主観的に感情や思いを書きなぐってもOK。続けるうちに客観的に自分を見つめ直せるようになります。「どうしたらこの気持ちは和らぐだろう?」と考えながら書き記し、自分の心を整理しましょう。

・自分の感情や思いを人に話す
書くだけでは気持ちが収まらないという人は、実際に家族や友人などに、その悩みを話してみましょう。ここで大事なのは、相手にその悩みの解決法を求めるのではなく、相手に自分の気持ちを共有してもらうするということです。近しい人に伝えるだけでも自分の気持ちが整理でき、相手から共感されるだけでもストレスの軽減につながります。

睡眠とストレスケアの関係

睡眠は重要なストレスケアの1つです。では、具体的にどんな効果があるのでしょうか?

睡眠によるストレスケアの効果

●病気に対する抵抗力・免疫力のアップ
成長ホルモンが最も分泌されるのは睡眠時です。成長ホルモンには身体を修復する働きがあるため、ストレスによって働きが弱まっている身体の抵抗力や免疫力を高めてくれます。

●疲労回復、精神的ストレス解消
睡眠には心身の疲労を取り除いたり、ストレスへの敏感さを弱めたりする効果があります。ゆっくり眠ることで、嫌な気持ちが和らぎ、気分がリラックスできます。
 
睡眠は、心身の健康を保つために欠かせないストレスケアの1つです。仕事で帰りが遅くなってしっかりと睡眠時間を確保できなかったり、ストレスでなかなか寝付けなかったりという悩みを抱えている人は、ストレスケアの一環として睡眠の改善を目指してみましょう。
フミナーズ(フミナーズ)」では、過去にも「睡眠によるストレス解消法」や、「ストレスが引き起こす不眠とその解決法」についてご紹介しています。以下も参考にして下さい。

Check

・【完全マニュアル】眠れないときに試したい、3分で眠くなる6つの方法
https://fuminners.jp/nemureru/

・不眠症の原因はストレスかも? 切っても切れない関係とは
https://fuminners.jp/newsranking/3726/

・知っておきたい!ストレスと不眠の関係と対処法は?

https://fuminners.jp/iroha/857/

・ストレス解消には睡眠が効果的!しっかり寝る5つのメリット

https://fuminners.jp/newsranking/1795/

 

話題のストレスケア方法とは?

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これまでにご紹介したストレスケア以外にも、以下のようなケア方法も話題を集めています。

マインドフルネス

ストレスを軽減させるためのプログラムとして、1979年にマサチューセッツ大学医学部に導入されたのがマインドフルネス。マインドフルネスの中心は「瞑想」ですが、そこでは呼吸に伴うあらゆる身体感覚を意識します。その中で自然に浮かび上がる雑念に気づき、それが心の中で変化していくのを見届け、雑念への執着をなくしていくのです。これを習得することにより、気持ちが安定し、ストレッサーへの耐性が高くなります。
 
マインドフルネスがメディアで紹介される機会も増え、これを取り入れている医療機関や企業も話題になりました。認知度が増すにつれ、自己学習用の書物も増えてきましたので、一度お手にとってみてはいかがでしょうか。

読書

イギリスのサセックス大学の研究チームによる実験で、読書にはストレス軽減効果があることが判明しました。実験は心拍数の低下や筋肉の緊張緩和からストレスの軽減度合いを計測するもので、読書による軽減度合いはなんと68。方法はいたって簡単で、自分が好きなジャンルの本を、難しいことを考えずに思いのままに読むというシンプルなもの。読書を通して非日常的な体験を味わうことで、ストレス軽減効果が得られるといいます。
 
今回ご紹介したのはストレスケアの一部ですが、他にも美味しいものを食べたり、趣味に没頭したりなど、さまざまなストレスケアがあります。まずは自分の心と身体のSOSに気づき、自分に合ったケア方法を実践してみましょう。
 
監修:吉田菜穂子(産業医、内科・心療内科医)

 
<参照>
・ロート製薬
http://www.rclub2.rohto.co.jp/club/karada/hc001/43.htm
 
・Fujimoto Medical System
http://www.fujimoto.or.jp/home-medicine/phychiatry/p_5/#entry_1_5
 
・Harmonista(神経内科医 木ノ本景子)
http://www.harmonista.org/archives/2958
 
・東京マインドフルネスセンター
http://www.tokyo-mindfulness-center.jp/modules/w_mindfulness/index.php?content_id=1
 

 

photo:Thinkstock / Getty Images

 
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