パフォーマンスUPの秘訣!忙しい人こそ「マインドフルネス」

 
マインドフルネスは、もともと仏教の八正道(はっしょうどう)にある「正念(しょうねん)」を起源とする瞑想法です。1979年に、マサチューセッツ大学医学大学院のジョン・カバット・ジン教授が瞑想のストレス軽減に注目し、主に鬱の予防・治療に応用。その後も、脳科学の進歩により科学的な検証が重ねられ、宗教色を切り離したマインドフルネスが広がっていきました。あのスティーブ・ジョブズが実践していたことは有名ですが、5万人いるGoogle社員の10人に1人がマインドフルネスを実践、ほかにもIntelやFacebookなど米国の有名企業の企業研修に導入されていることで話題をよんでいます。
 
今回はそんなビジネススキルとしてのマインドフルネスについて、マインドフルリーダーシップインスティテュート代表理事の荻野淳也さんにお話を伺いました。

近年、仕事のパフォーマンスアップ、心身の健康などが期待できる「ビジネス×マインドフルネス」に注目が集まっています。

マインドフルネスには「VUCAワールド」でも自分を見失わないヒントがある

VUCA(ヴカ)ワールド」という言葉をご存じですか?
 
VUCAワールドとはもともとアメリカの軍事用語で、最近IT業界や経営者の間でよく使われている言葉です。下記にある単語の頭文字から構成されています。

  • Volatility(変動性)
  • Uncertainty(不確実性)
  • Complexity(複雑性)
  • Ambiguity(曖昧性)

 
これらは、未来を見通せず、何が答えなのかよくわからない現代社会を言い表しています。そんな答えのない世界で成果を上げるビジネスパーソンになるために、荻野さんが必要だと主張するのは、以下の2つ。
 
(1)ブレない自分軸をつくり、どんな変化にも右往左往しないセルフマネジメント力を身につけること
 
(2)過去の成功法則を手放し、変化の激しい今の時代に合った仕事のやり方を選ぶこと
 
確かに、ビジネスマンにとってこの2つは働く上での理想形と言えそうです。いかなる環境に身をおいても自分を見失わない―簡単そうで難しいことですが、実はそれを可能にするヒントがマインドフルネスにあるのだそう。

大切なことは、いかに「ベストな状態」に気づくことができるか

荻野さんとマインドフルネスの出会いは10年前。外資系のコンサルタント会社で働き、仕事にやりがいを感じつつも精神的に追い詰められていく生活の中で、友達に誘われて行った90分のヨガクラスでのことでした。
 
「クラスの後、衝撃的なほど頭と心がすっきりしていて、自分の本当にベストな状態ってこういうことか!!と。今まで自分がどれだけいっぱいいっぱいだったかに気づいたんです。それで、この状態がキープできればもっと仕事のパフォーマンスが上がるし、いい仕事ができるはずだと思ったんです」(荻野さん)
 
こうしてビジネス上でのマインドフルネス(今に集中している、気づいている状態)の重要性を身をもって体感したのだそう。
 
「悪い状態が長く続いていると、それが普通になってしまってなかなか良い状態に気づけないもの。いい仕事をするために重要なのは、自分のベストな状態がどんな状態かを知り、それをキープすることです」(荻野さん)
 
コンサルタント会社で働いていたころは、目覚まし時計を手放せず、ひどい時は起きられなくならないように床で寝て、無理やり起きるという激務だった荻野さん。今はアラームをかけることなくぐっすりと眠り、すっきりと目覚める生活を送っています。
 
「文字通り、過労死の一歩手前のような経験をしてマインドフルネスに出会ったからこそ、マインドフルネスが今の社会にどれだけ必要かわかります。日々の仕事で疲弊している多くの人に、マインドフルネスを伝えれば、もっと幸せな人が増えるのではないかと思い、僕はマインドフルネス×ビジネスの普及活動をしています」(荻野さん)
 
日々の忙しさに流され、自分がベストかベストじゃないかなど関係なく常に何かに追われている…そんな人こそ、少し立ち止まってまず自分のいい状態を知ることが大切になりそうです。

マインドフルネスは脳と心の「筋トレ」で実践し続けることが重要

マインドフルネスに初めて触れた人の多くは、「マインドフルネスを早く習得するにはどうすればいい?」「マインドフルネスとはどんな状態?」と答えを求めがち。しかし荻野さんいわく、「マインドフルネスは筋トレと同じ」。頭(理論)で理解しても、実践しなければ、身につかないし、また、三日坊主でも同じ。一方、その実践は誰でも可能なもので、継続して実践し続けることで、誰でも習得可能ということ。
 
「重要なのは、職場にいる時や生活の中でもマインドフルネスかどうか。趣味に没頭している時だけ嫌なことを忘れられる、ヨガクラスにいる時だけ心が解放されているで終わらずに、今の目の前の現実でマインドフルネスでいられるかどうか。どんな時も今の自分に集中して、気づく。環境に左右されず、その世界に溶け込み、フラットな状態でいる。それがマインドフルネスです」(荻野さん)
 
仕事のパフォーマンスアップ、リーダーシップの向上、心身の健康などが期待できる「ビジネス×マインドフルネス」ですが、幸せに生きたいすべての人を助ける取り組みになりそうです。
 
このままVUCAワールドに振り回されて生きるか、今すぐ自分のベストな状態を知り、世界の波をつかみに行くか。あなたはどちらを選択しますか?
次回は、荻野さんが講師を務めたビジネス×マインドフルネスのセミナーの模様をお伝えします。マインドフルネスの世界を少しだけ体感できるかもしれません。お楽しみに。
 
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監修:荻野淳也(一般社団法人 マインドフルリーダーシップインスティテュート 代表理事)

photo:Thinkstock / Getty Images

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