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目がかすむ、充血する、乾く、ショボショボする……。眠ってもその症状が治らないなら、それはただの疲れではなく「眼精疲労」という重度の疲れ目症状かもしれません。『目を温めると身体が自然によみがえる!』を著書に持つ吉祥寺森岡眼科の森岡清史院長は、「眼精疲労は、さまざまな体調の悪化や不眠にもつながる可能性のある厄介な症状」だといいます。そこで、意外に知られていない眼精疲労の原因や怖さ、そして睡眠への影響について、森岡先生にお話を伺いました。

不眠の原因が「目」から来ているって、ホント?

まず、眼精疲労が社会問題化してきている原因の一つに、「IT社会の進行がある」と森岡先生。
 
「情報、広告、書類、連絡がどんどん電子化し、銀行や駅などの操作機器もタッチパネル化されています。つまり、私たちは家でも職場でも街中でも、常に“発光するもの”を見続けているのです。これは、目にとって非常に過酷なことなんです。また、仕事で長時間パソコン作業を行い、移動時間にはスマホを見続ける…という生活を送っていると、目が疲れるだけではなく、肩こり、首や背中の痛み、不眠といった症状が出ることも珍しくありません」(森岡先生)
 
目のメカニズムには、電子機器など発光するものを見続けているときは、まぶしさへの対策として「虹彩筋(こうさいきん)」が収縮し、さらにスマホやパソコンなどの使用時は、近距離にピントを合わせるために「毛様体筋」も収縮させ続けるという特徴があるのだそう。つまり、電子化が進んだ現代は、目の周辺筋肉が収縮する機会が多く、これが問題だと森岡先生はいいます。
 
「目の周辺筋肉を収縮させてばかりいると、血流が悪くなり、酸素の供給量が減ってしまいます。また、視神経が脳神経に与える影響も大きいので、目の周辺筋肉が収縮して緊張しっぱなしだと、その信号が自律神経に伝わり、交感神経が活性化し続けてしまいます。すると心身が休まらず、本来、副交感神経優位のときに行われる筋肉の修復作業が追いつかなくなってしまうんです」(森岡先生)

交感神経優位の原因が、眼精疲労にあった!

近年は、「目の周辺筋肉が緊張しっぱなし」なのが原因で不眠に悩む人が増えているようです。
 
「眼精疲労とは、主に目の周辺筋肉の疲労が原因です。昔は一晩寝れば目の筋肉は回復していましたが、現代は発光体や電子機器に囲まれているため目の疲労度合いが激しく、一晩寝ただけでは回復できない人が増えています。睡眠で目の疲れが取れなければ、眼精疲労はひどくなる一方。また、目の筋肉の緊張状態が続けば次第に自律神経が乱れ、うつや不眠の症状も出てきてしまいます」(森岡先生)
 
実際、眼精疲労の患者さんは不眠、軽いうつ、頭痛、肩こり、蓄積疲労など、さまざまな症状を訴えるそう。眼精疲労による不眠は30~50代に多く、「1日10時間以上パソコン作業をしている」という人は、多忙を理由に眼精疲労のケアも疎かになりがちなのだとか。
 
また、目の疲れが慢性化してしまうと、痛みに身体が麻痺してしまい、気づいたときには手遅れなんてことも…。「そうならないためにも、自分の眼精疲労レベルを把握することが大切」と森岡先生。そこで、自分の眼精疲労レベルを計るためのチェックポイントを教えていただきました。
 
「以下の3つの質問項目に回答してみてください。それぞれ2や3を選んだ数が多い人は、眼精疲労が深刻なレベルに来ている可能性大です。なるべく早めに眼科を受診しましょう」(森岡先生)
 
■眼精疲労レベルチェック質問項目
 
【Q1】1日のコンピューター使用時間は?
1.1~4時間くらい
2.5~9時間くらい
3.10時間以上
 
【Q2】まぶたや目の感覚は?
1.まぶたが重い感覚がある
2.目の奥の痛み、頭痛がある
3.まぶたにけいれんがある
 
【Q3】乾燥やまぶしさはありますか?
1.目の渇きやまぶしさを感じるようになった
2.目薬をしないとつらい
3.室内でもまぶしい
 
目の疲れは日常的に起こるため、「疲れているだけだろう」と軽視してしまいがちですが、それを無視していると眼精疲労の進行や、不眠の呼び水になってしまう可能性があります。そうならないためには、「アイマスクなどで強制的に光を遮断する時間をつくることが大切」と森岡先生。
 
IT化が進んだ現代社会において、目の疲れは避けられないものかもしれませんが、目の違和感にいち早く気づき、早めの対処や継続的なケアを心がけたいですね。
 
監修:森岡清史(吉祥寺森岡眼科院長・医学博士)
参考図書:目を温めると身体が自然によみがえる! 森岡清史著(サンクチュアリ出版)

 
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photo:Thinkstock / Getty Images

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