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神秘的な存在の「月」。月に関するエピソードは数多くあり、小説や映画、歌などで満月や三日月を取りあげた作品もたくさんありますよね。日本では古くからお月見の文化でも親しまれています。
 
そんな月は、実は睡眠とも関係が深いようです。一見関係のなさそうに思える月と睡眠、この二つにはいったいどのような関連があるのでしょうか?

月が私たちに及ぼす影響はたくさんある

普段、何気なく見ている月ですが、実は人間にも身体的、精神的にも影響を与えているといわれています。月の満ち欠けが人体に影響を与えているという説、これは「バイオタイド理論」といわれています。バイオタイド理論とは、1984年にアーノルド・L・リーバー氏というアメリカ人の精神科医が書いた本「月の魔力」の中で唱えられた説です。
 
「月の引力によって潮の満ち引きが発生するように、約60%が水分で構成された人体にも月の引力と関連性がある。そして月の満ち欠けが人の感情などに何かしらの影響を与えている」という内容です。また「満月と新月の1日前、3日後に出産が多い」、「満月と新月の日に生理が始まることが多い」という説もあります。

老若男女問わず、満月には睡眠時間が短くなる

スイスのバーゼル大学附属精神科病院のクリスチャン・カヨチェン博士によると、スイスでは満月の夜に「満月のせいでよく眠れない」という人が約40%に上るといいます。
 
そこでカヨチェン博士とその研究チームは調査をすることにしました。ボランティア33人を集め、専用の睡眠研究所で睡眠をとってもらい、満月と新月、2種類の夜における33人の就寝状態を観察しました。その結果、新月の夜は満月の夜に比べて、33人の平均の睡眠時間が19分長く、起きている状態から睡眠にはいるまでの時間が平均で5分短縮されたそう。そして満月の夜は、睡眠をうながすホルモンであるメラトニンの分泌量が33人とも少なかったという結果になりました。
 
実験終了後、33人のボランティアは満月の夜のときは充分に睡眠がとれなかったという感想を持ったそう。その結果を見てカヨチェン博士は、睡眠に必要なメラトニンの分泌は、満月までの日数に影響を与えていると考え、体内時計が月と同調しているのではないか、と推測しています。

なぜ満月の夜は睡眠が浅くなる?

最近、不眠を訴える中学生・高校生が続出しています。その理由の1つは、スマートフォンの使い過ぎによる悪影響です。体内の睡眠ホルモンであるメラトニンは、強い光を目で認識すると分泌が抑えられ、暗くなると分泌量が増えます。ご存じの通り、スマートフォンやパソコンの画面は強い光を放ちます。就寝前の数時間にスマートフォンを見て過ごすとメラトニンが分泌されにくくなり、眠りにくい
状況を作ってしまうのです。
 
満月の光も明るい光なので、明るさの影響で満月の夜は眠りにくくなるのではないかという説があります。見事な満月が夜空にあるとつい見いってしまいますが、それによって満月の光を目で認識して体内のメラトニンの分泌がおさえられてしまうのはないかと考えられてます。
 
しかし一方で、「原始時代の人類は、満月の光で明るくなった時は捕食動物に襲われる危険があるので浅い眠りで過ごし、その記憶が今の人類のDNAに残されているのではないか」という説もあり、満月と睡眠の関連性はいまだ謎が深いまま。

月の周期をチェックして快眠対策を

謎が多い満月と睡眠の関係ですが、満月の夜には眠りが浅くなり、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌量も下がるというデータが出たのは事実。眠りが浅いと感じることが定期的に訪れるようなら、月の周期をチェックしてみては?もし満月の夜に限って…ということがわかれば、眠れない悩みも解消されるはず。月の神秘に触れた気持ちになれるかもしれません。

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