夜、眠れない人は「不安を預けて」しまうと良い。

 

ビジネスはシビアである。 成果が出れば報われ、成果が出なければ冷や飯を食わされる。そのプレッシャーに耐えることができず、不眠に悩まされる人も多いだろう。

 

「明日、大事なプレゼンテーションがあるが、目が冴えて眠れない」

「やらなければならないことがありすぎて、気になって眠れない」

「将来の不安で寝付けない」

 

そんな人も多いのではないかと思う。

 

私も人のことは言えない。翌日にセミナーの講師などがあると、

「うまく話せるだろうか」

「テキストにミスはないだろうか」

「会場を間違えたりしないだろうか」

そんな不安で、寝付けない日も数多くあった。

 

ところが、ある方から教えていただいた「不安を預けてしまう方法」が、これを解消することにかなり大きな貢献をしてくれた。

不安を預けてしまうと、余計なことをくよくよ考えず、よく眠れ、また 睡眠が十分取れることで翌日の成果も出やすくなる。 ちょっとしたことだが、有用なのでここに書いてみたい。

 

結論から言うと、「不安を預ける」のにやらなければならないことはたったの3つである。

 

1.不安を整理する

2.不安を書き出す

3.不安を預ける

 

では、ある2人の会話から、具体的にどうすべきかを見てみよう。

 

1.不安を整理する

 

先輩は「不安の源は何かしってるかい?」と私に尋ねる。

「自分に自信がないことですか?」と答えると、彼はこう言った。

「うん、間違いではないけど、もうすこし深く考えてみよう。どんなに自信のある人でも、不安に襲われるときはあるからね。自信がある、イコール不安がない、ではないよ。」

「うーん……」

「わからないかい?とても単純で、実は不安の源は『わからない』『備えていない』なんだ。」

「どういうことでしょう?」

「例えば、お金の不安って、皆持っているよね。」

「はい。そう思います。」

「なんで皆、お金の不安が大きいんだと思う?」

「将来、いくら必要になるかわからないし、いつ収入が減ったりなくなったりするかわからないからではないでしょうか。」

「正解!そのとおり。だから、お金の不安を解消するために何をする?」

「……専門家に相談したり、貯金したり。」

「そうだよね、できるだけ情報を得て、備えるよね。」

「そうです。」

「つまり、『わからないこと』と『備えていないこと』が『不安』を生み出しているんだ。」

「なるほど。」

「人生は1度きりのプロジェクトのようなもの。わからないことは不安だ。で、実はプロジェクトマネジメントの教本でも、『まずはリスクを洗い出せ』という事を教えている。これは、リスクをきちんと整理しなければ、リスクを感情的に過大評価したり、過小評価したりするからなんだ。」

「確かに、やったことあります。」

「だから、不安の根っこを抑えるには、一旦不安を整理する必要がある。」

「どうやってやるんですか?」

「単純だよ、さっきのように『自分はなぜ不安なのか?』を、自分に問いかけるだけでいい。」

「なるほど」

「自分がわかっていないことは何か、備えていないことは何かを整理するだけでも、かなり気持ちがすっきりするんだよ。」

 

2.不安を書き出す

 

「さて、もちろん自問自答して整理するだけじゃ、不安は無くならない。逆に不安がつのる、って言う人もいる。」

「そうです。さっき色々考えてみたんですけど、逆に眠れなさそうです。」

「うん、そこで『不安を書き出す』んだ。」

「書き出す?」

「書くだけですか?」

「あ、いま『書くだけか』ってバカにしたね。」

「い、いえそんなことは…」

「いつも大体、そんな顔をされるんだよね。でも、書くことは本当に不安解消に役立つ。精神科の医者の中には、うつ病の治療に日記をすすめる人もいるくらいだ。」

「そうなんですね。」

「まあ、日記はけっこう大変だから、自分は『なにか不安だな』って感じた時、それを手帳に書き出して、不安の中身を目に見えるようにしている。」

「どんなふうに書いているんですか?」

「本当に単純で、『◯◯が不安』と手帳の上の方に書く。とりあえず、さっきのお金の不安でやってみればいいんじゃない?」

「はい。」

「その下に、なぜ不安なのか、理由を書く。」

「こうですかね。」

「そうそう、で、その理由の下に、備えを書く。」

「こんな感じでいいですか?」

 

【お金が不安】

 

なぜ不安なのか?

理由1:将来に必要とされるお金がわからない

備え:ファイナンシャルプランナーに相談してみる。

 

理由2:今の仕事がなくなってしまうかもしれない

備え:転職するつもりがなくても、とりあえず転職活動をしてみる。

 

理由3:生活のレベルを落とせないかもしれない

備え:家計簿などをつけてみて、余計な出費を調べる。

 

 

「そうそう、こんな感じ。自分も同じように書いてる。ホラ。」

「ホントですね。」

「具体的に書いてみてどう?」

「結構、不安が明確になりましたね。」

「そうだろう。もっと詳しく書けばもっと不安は減る。あとは備えの通りに行動するだけだよ。」

 

3.不安を預ける

 

「さて、ここまでくれば、もう不安を預ける事ができる。」

「預ける?どういう意味ですか。」

「単純に、もう不安についてあれこれ考える必要がなく、手帳を開けば詳細が見えている状態を、『不安を預けた状態』って言うんだよ。」

「そういうことですか。」

「この状態だと、『今は不安なことについて考えなくても大丈夫だな。手帳に書いてあるから』って思うことができるんだ。」

「なるほど。」

「不安や心配は、放置すればするほど、自分の中で大きくなる。だったら正面から立ち向かって、分析してしまったほうが、遥かに心は軽くなる。」

「確かにそうですね。試してみます!」

 

不安で夜眠れない時は、原因と対策を書き出して、手帳に不安を「預けて」しまおう。見えないもの、わからないものは不安に思うが、見えているものにはいくらでも対処できる。

 

こう言った単純な仕掛けでも、不安な時には絶大な効果があると感じる。是非試してみていただきたい。

 

photo:Thinkstock / Getty Images

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