スマホ首になってない? 睡眠障害「テクノストレス不眠」の正体とは?

 

仕事で毎日使用するPC、気づけば見ているスマホ…。現在、こうしたツールを使用することによって発症する新種の睡眠障害「テクノストレス不眠」が問題となっています。「なんだか最近調子が悪いなあ」と思っていたあなた、実はテクノストレス不眠の疑いがあるかも…。そこで、どんな原因で発症してしまうのか、また、どう予防すればいいのかなどについて、浅川クリニックの浅川雅晴先生にお話を伺いました。

他人事じゃない! あなたもスマホ首になっているかも

 

テクノストレス不眠とは、PCやスマホの画面から発せられるブルーライトが脳に過剰な刺激を与え、脳が疲労してしまうことによって起こる睡眠障害。スマホを使う時に画面をのぞきこむように前かがみになってしまうことも原因の一つだといいます。

 

「首が前に倒れることで、首に集まっている重要な血管が圧迫され、血流が悪くなり、さまざまな不調が引き起こされます。これは、スマホ首とも呼ばれているんですよ」(浅川先生)

 

浅川先生によれば、テクノストレス不眠を訴える人はここ10年ほどで急増しているそう。特に20歳未満の若い世代に多いのが特徴だといいます。

 

「テクノストレス不眠の特徴として、症状が遅れて現れることが挙げられます。今はまだ不調が現れていなくても、2〜3年後に症状が出てくる可能性があります」(浅川先生)

 

若い世代の患者が多い理由としては、脳が発達途中のため、ブルーライトの刺激による影響を受けやすいためでもあるそう。「スマホを使用する年齢が低年齢化しているので、これからさらに患者が増える可能性もあります」と浅川先生は危惧しています。

 

放置していると危険! 睡眠障害「テクノストレス不眠」の症状とは

 

まだ、その存在があまり知られていないテクノストレス不眠。具体的には、どのような症状が表れるのでしょうか。

 

「一般的な不眠症は睡眠に関する症状がメインですが、テクノストレス不眠は不眠だけでなく、複数の症状が同時に現れるのが大きな特徴です。睡眠障害だけでなく、頭痛、耳鳴り、眼の奥の痛み、めまい、吐き気など、2〜3種類の症状が同時に現れるのです」(浅川先生)

 

そのため、患者さん自身も不調の原因が特定できず、内科や眼科を訪れる人が多いといいます。実際、浅川先生のもとを訪れる患者さんの中には、いくつもの病院を転々としてきたという人も少なくないとか。

 

さらに、テクノストレス不眠の怖いところは、放置しておくと別の問題を引き起こすということ。まず、自律神経のバランスが崩れ、自律神経失調症を誘発。さらに進行すれば、人によってはうつ病やパニック発作が引き起こされることも!

 

「症状が遅れて現れる上に、テクノストレス不眠であると気づきにくいことから、医師の診察を受けるのが遅れてしまうケースが多いんです。しかし、治療の開始が遅くなればなるほど、治るまでに時間がかかるんですよ」(浅川先生)

 

もし、原因不明の不調と不眠が一緒にやってきたら、早めに心療内科や睡眠外来に行ってみましょう。

 

早めの予防が大切! 今すぐ始めたいテクノストレス不眠対策

 

テクノストレス不眠に陥りやすいのは、スマホやPCを一日中使っているような人。職業でいえば、IT関係の人は要注意です!加えて、運動したり、日光を浴びたりして自律神経のバランスや身体のリズムを整えることも大切なので、運動しない人や外に出ない人も注意する必要があります。

 

「1日1回外に出て軽く運動したり、2時間くらいは太陽の光を浴びるようにすると予防にもつながります」(浅川先生)

 

本来であればPC・スマホを使わないのが一番の対策ですが、仕事をしていれば限度があります。完全に断つことができないなら、「使う時間を少なくしていき、生活にメリハリをつけることが必要」と浅川先生はいいます。

 

「夜は本来脳を休める時間なので、『床につく2時間前以降はスマホを使わない』などと決めて、その分、身体をリラックスさせるようにしましょう。ぬるめのお風呂にゆっくり浸かったり、軽いストレッチで血流をよくするのがおすすめ。音楽を聴いたり、本を読んだりするのもいいですね」(浅川先生)

 

特にテクノストレス不眠に陥りやすいのは子どもたち。ゲームに熱中するあまり、知らず知らずのうちにスマホを使いすぎてしまいます。最近増えているLEDテレビもブルーライトを多く発しているので、テレビの観過ぎにも気を配りましょう

 

「寝床でスマホをいじるのが習慣化してしまう子もいるので、寝る時間には親がスマホを預かるとか、休みの日には外に連れ出して一緒に遊ぶなど、ある程度の強制力で制限するのがよいでしょう」(浅川先生)

 

ブルーライトカットメガネなども効果はありますが、あくまで補助的なもの。「PC・スマホを使う時間を減らす」ことを第一に考えるとともに、スマホを使うときの姿勢にも留意しましょう。背筋を伸ばし、スマホを持つのと反対側の手を肋骨の一番下あたりの高さに置いてスマホを持つ手を支えるようにすると、視線が下がりすぎるのを防げます。

 

症状の進行は、PCやスマホの使い方次第。夜の過ごし方を見直し、テクノストレス不眠対策をしましょう!

 

監修:浅川雅晴(浅川クリニック院長、一般社団法人 東京精神神経科診療所協会理事)

 

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photo:Thinkstock / Getty Images

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