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いま、世界中でヨガをする人が増えています。ヨガの故郷インドでは、高度経済成長に伴い、主に都市部でストレスが原因の心身症・生活習慣病が問題化。現代医学だけでは改善しない状況に直面し、医療を補完する形としてヨガやインドの伝承医アーユルヴェーダが見直されています。

各国でヨガの魅力が見直されている

 

一昨年、インドのナレンドラ・モディ首相は、国連で6月21日を「国際ヨガの日」と提唱(実は、日本もこれに賛同)。モディ政権は内閣にヨガ大臣を任命し、「ヨガ・アーユルヴェーダ省」を創設しました。インドのみならず、アメリカの医療業界でもヨガの研究は進んでいます。世界最大の医療系データベース【PubMed】で“ヨガ”と検索すると、現在3,000件近くの論文が見つかります。

 

日本でも、メディアが特集する世論調査「やってみたい習い事」の部門にて、王道の英会話をおさえてヨガが数年連続、堂々の一位に。老若男女、多くの人の興味を惹いているヨガですが、その魅力のひとつは、約5000年前の古代インドから伝わる哲学を持ち、肉体から意識までのつながりや、呼吸を観察しながら、それぞれの状態にあわせた改善方法を探るというユニークな健康観ではないでしょうか。

ヨガの3要素とは

 

ヨガは、もともとは悟りを得るためにごく一部のヨガ行者の間で継承されてきたもの。それらのテクニックを現代的に解釈すると、次の3つの要素があります。

 

・フィットネス
肉体を鍛錬することで健康や美容を促進する
・メンタル
呼吸法や瞑想という内観を通じて心のバランスを図る
・スピリチュアル
“生命の根源”生気を巡らせて、健康を害する要素を浄化する

 

これら3つのバランスを整えることで、“生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)”の向上に役立てます。

 

ヨガ業界の動きとしても、世代を超えた幅広いヨガ愛好家に向けて、個人の目的やライフスタイルに合わせたプラクティスを提供中。最近ヨガに興味を持ち、習慣に取り入れたという人たちに話を聞くと、かなりの頻度で「睡眠の質が悪い」「目覚めが悪い」というワードに出会います。夜、ただ寝るだけの行為とはいえ、人生の約三分の一を睡眠時間に充てているという事実は、不眠症状を持つ人には死活問題。肉体や精神を健やかに保ち、生命のパフォーマンスを上げる究極の休息は、生活の質の向上にも直結しています。

 

慢性的な不眠症状や睡眠の問題でお悩みの方には、深い呼吸と適度な運動に加え、ライフスタイルそのものを見直すことが有効な手立てになります。そして、これこそヨガの得意な分野!

ヨガは自立のための積極的なツール

 

多くの人は不調を感じると病院へ行き、適切な処置を受けますが、ヨガはその手前のプラクティス。自然治癒力を高め、病気にならない土台を作る、自立のための積極的なツールです。ヨガの主なメリットをご紹介しましょう。

 

<自律神経のバランスが整う>
血流や消化排泄、ホルモン内分泌や体温調節その他、数えきれないほどの生命活動を支える自律神経は「呼吸」、特に横隔膜の動きと深く関係しています。丁寧な呼吸運動によって、緊張と弛緩を繰り返す横隔膜が自律神経のバランスを整え、体の各機能を正常に働かせます。また、副交感神経(リラックスモード)のスイッチが入ることで、スムーズな睡眠の導入にも。

 

<心身がくつろぐ>
現代人はリラックスが苦手。何気ない所作でも、無意識に体を緊張させているもことが多々あります。心地よい呼吸に体を連動させながら緊張と弛緩運動を繰り返すことで、無理なく心身の緊張がゆるみ、安眠中の状態に近い、なめらかな腹式呼吸に。

 

<体温を調節する>
手足の冷えが原因で眠れないという人は、過度なストレスが溜まっている証拠かも。心身の緊張が続くと交感神経(戦闘モード)が優位な状態になり、血管が収縮することで巡りも悪く、低体温に…。ヨガのポーズで体を動かすことでストレスを発散。筋肉や体幹を働かせ、効率的に熱を作り、血流を促進します。

 

<いま、ここの感覚が身につく>
寝る前にあれこれ余計なことを考えてしまう人は、眠れぬ夜に羊を数えるのではなく、“いまの瞬間を刻む活動”、呼吸を観察しましょう。呼吸に意識を向けることで心の無駄な活動が休まり、眠気を誘う静けさがやってきます。

 

とはいえ、なんといっても忙しいのが現代人。いまのスタイルが変えられない!という人は、適材適所で役立てていただければ◎ これからの連載では、思い立ったらすぐに試せるヨガのポーズや、生活にいかせるヨガ的エッセンスなどを紹介していきます。

 

photo:Thinkstock / Getty Images

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