人の身体には膨大な数の細菌がすんでいると言われています。その中でも、最近特に注目されているのが、「腸内にすんでいる細菌」です。この腸内細菌は身体の健康バランスを左右するだけでなく、“睡眠の質”にも大きな影響を与えているそうです。睡眠についてお悩みの人は、「腸内環境」にも目を向けてみましょう。

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「腸内フローラのバランス」が健康を左右する

 

最近、腸内フローラという言葉をよく耳にしますよね。この腸内フローラは、腸内に約100兆個存在すると言われている「腸内細菌の塊」のことです。

 

この腸内細菌には、腸内環境を整える「善玉菌」、異常繁殖すると身体に悪さをする「悪玉菌」、腸内の環境によってどちらにも味方する「日和見菌」の3種類があります。この3つがうまくバランスをとりあうことで、身体の健康が保たれています。

 

身体に良い作用がある善玉菌の代表は「乳酸菌」です。乳酸菌を腸内にとり入れることで悪玉菌の繁殖を抑える効果があります。最近、さまざまなメーカーが乳酸菌入りの食品などを売り出していますね。

腸内細菌が睡眠ホルモンを生み出している

 

腸内細菌は睡眠と深い関係があります。人の睡眠と深く関わるホルモンである「メラトニン」は就寝時に分泌され眠りを誘います。このメラトニンの原料となっているのは、必須アミノ酸の「トリプトファン」です。このトリプトファンは体内で作り出すことができないため、食べ物からとり入れる必要があります。

 

食物に含まれるタンパク質は、腸内細菌の力でトリプトファンに分解されます。トリプトファンは「5-HTP」という物質になり脳へと運ばれ、その後、神経伝達物質のセロトニンへ転換されます。このセロトニンを元に睡眠ホルモンの「メラトニン」が生成されます。

 

つまり、腸内細菌が正しく機能しないとメラトニンがうまく分泌されず、睡眠不足につながる可能性があるのです。

負のスパイラル!? 「体内時計」が乱れると「腸内環境」も乱れる

 

「体内時計」の乱れは、しばしば睡眠不足の原因にあげられますが、それは「体内時計」が身体の自律神経などの生体リズムの調節に関わっていることに由来します。体内時計の乱れは腸の機能に影響し、食べ物の消化や吸収力の低下を招く他、悪玉菌が増加し、腸内環境の悪化につながります。

 

体内時計が乱れてしまうと睡眠ホルモンである「メラトニン」が正しく分泌されず、睡眠不足の原因になる、というわけです。このことからも、腸内環境と体内時計には密接な関係があることがわかります。

 

体内時計が狂うと腸内環境が乱れ、腸内環境が乱れるとメラトニンが分泌されにくくなってしまう。この関係性がある以上、睡眠の質を高めるためには、腸内環境を整えることが必須のようですね。寝具を変えたりリラックス法を試してみてもいまいち良い変化を感じられない、という人は、腸内環境を見直してみることが必要かもしれません。

 

参考

Circadian Disorganization Alters Intestinal Microbiota

 

睡眠に関わる3つのホルモン

朝型と夜型の人は何が違うのですか。

photo:Thinkstock / Getty Images

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