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日常生活の中で、知らず知らずのうちに蓄積されている「ストレス」。睡眠はストレスを緩和させる手段のひとつであるものの、それが原因で眠れなくなってしまうことも。「適度なストレスはあったほうがいい」なんて話も耳にしますが、実際はどうなのでしょうか? 呼吸法によるストレス緩和のメカニズムを研究する愛知学院大学の榊原雅人先生にお話を伺いました。

ストレス耐性の強化が、寝起きの疲労感を軽減させる

 

まず、ストレスは身体にどのような影響をもたらすのでしょうか?

 

「人はストレスを受けると、心拍数が速くなる、呼吸が速くなる、血圧が上がるなどの反応が生じ、心身に大きな負荷がかかります。また、これらに合わせて脳が覚醒状態になるので、睡眠への影響も多大です。もし健康な人で布団に入ってから30分以上眠れない状態が続いたら、かなりのストレス状態にあると言えるのではないでしょうか」(榊原先生)

起床時に疲れが抜けきれていない感覚も、ストレスが一因なのだそう。

「ストレスを処理できているうちは、身体がアクティブに動いてストレスに積極的に対処しようとするので疲労感も少ないのですが、一定量を超えてしまうと、その処理レベルがガクンと低下してしまい、ストレスを感じやすくなり、たとえ眠れたとしても、疲労感が抜けきらないんです」(榊原先生)

 

何かと神経をすり減らすようなことが多い日常。できれば、ストレスフリーな状態で過ごしたいものですが、実はそんな状態が理想かと言えば、答えはNO。

 

「日常生活を送る上で、ストレスを受けることは避けられないので、どうやって耐性をつけていくかが重要になります。『適度なストレスは受けていたほうがいい』と言うのは、ストレスへ耐性ができるという点では正解。比較的軽いストレスを継続的に受けている人は、耐性が強まるので、ストレス慣れしていない人よりもダメージを受けにくいと考えられます」(榊原先生)
 
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不安だけじゃない! 精神状態が睡眠に与える影響とは

 

「睡眠はストレス解消の最も有効な手段」という話をよく聞きますが、どのようにストレスを解消してくれるのでしょうか?

 

「睡眠は、毎日、当たり前のように行っているため軽視しがちですが、心身の回復という面では非常にすぐれた効果があります。また、夢には昼間にあったこと(記憶)を整理する機能もあるといわれているので、日中に溜め込んだストレスを上手に処理している可能性があります」(榊原先生)

 

喜怒哀楽の感情の中で、最もストレスに転化しやすいのは「不安」の感情なのだそう。

 

強い不安感は、過度の自律神経反応の誘因となったり、心拍変動との負の相関関係が報告されています。睡眠の質を低下させる要因のひとつと考えても間違いないと言えます。また、楽しい気分であったとしても、覚醒レベルが高まる興奮状態だと、寝つきや睡眠の質に影響が出ます。就床1〜2時間前にはオフのモードに入っていけるように、強い刺激を避ける、リラックス手段を試すなどの対策をしてあげる必要があります」(榊原先生)

 

自分がストレス状態にあるか否かは、一般的なストレスチェックをはじめ、友人とのコミュニケーションや趣味の時間がとれているか、1日の内で少しでも笑えているか、などを指標にするとよいそう。

 

「まずは、ご自身のストレスを認識することから始めてみてはいかがでしょうか。ストレス状態は、呼吸・心拍・血圧に現れるので、それらの状態を見ながら判断することも可能です。専門的な方法だと、『心拍バイオフィードバック法(※)』というストレス状態を把握する手段があるのですが、これはまだ一般的なものではありません。手軽にストレスを解消できる方法としては、『呼吸法』がおすすめ。スマートフォンのアプリなどでも呼吸を整えるものもあるので、それらを利用しながら心拍変動を高めていけば、心拍バイオフィードバック法に近い効果が見込めるはずです」(榊原先生)

 

人は運動のほか、好きなことをしたり、ときどき好きなものを食べたりするだけでも、無意識にストレスを発散しているそう。となれば、前出の心拍変動を上げる呼吸法のトレーニングを含め、“自分のための時間”をつくってあげることが、快眠のためのストレス対策には有効なのかもしれませんね。

 

※心拍バイオフィードバック法
専用機器で心拍変動を測定し、音や画像などの情報に変換した数値を見ながら、心身の状態を自分でコントロールする方法。睡眠障害の改善の他、ぜんそくや高血圧、うつ病などの治療にも適用されている。

 

監修:榊原雅人(愛知学院大学心身科学部教授)

 

photo:Thinkstock / Getty Images

 
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