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睡眠時無呼吸症候群(SAS)かもしれない…そんなときは、睡眠時の「マウスピース」の装着が一般的なSASの治療法のひとつとされています。それはどんな治療法? 逆に眠りづらくないの? マウスピースによる治療や、SASの改善対策について、睡眠歯科医師の片平治人先生にうかがいました!

 

マウスピース治療、気になるお値段は…

 

睡眠中、重力の影響で口が開いて舌がのどの奥へ落ち、気道が塞がれてしまうことが一因であるSAS。マウスピースを使うことで、SAS改善に以下のような作用があるそう。

 

<マウスピースの作用>
① 口を閉じた状態にすることで、開口による気道(呼吸する時の空気の通り道)の狭まりを防ぎ、鼻呼吸を促進する
② 下あごを前方に移動させて、下あごに付いている舌を前に引っ張り、口の奥の気道を開く
③ 舌が前方に移動することで、舌と筋肉でつながっている軟口蓋(のどちんこ)が前方に移動するため、引っ張られることで鼻の奥の気道が開く
④ 以上から、下顎→舌→軟口蓋に順に連動することで気道が開いて呼吸が楽になる

 

では、実際治療に用いるマウスピースとはどんなものなのでしょうか? 例として、片平歯科クリニックで導入されているものを教えていただきました。片平歯科クリニックで扱うタイプは2種。保険適用のものと、適用外のものがありますが、いずれも医科の睡眠クリニックでSASの検査を行い、マウスピース治療が適応と診断された場合にのみ導入が可能です

 

<マウスピースの種類>
【保険適用のマウスピース】
・費用:約1万円(診療費・検査費別)
・特徴:上下固定式(上下がくっついたタイプ)で、口が開かない。

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【保険適用外のマウスピース】
・費用:約15万円(診療費・検査費別)
・特徴:上下分離式(上下が開くタイプ)で顎を動かすことができる。

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マウスピースを見ると「これを装着して眠れるの?」と思ってしまいますが、入眠までの違和感にはほとんどの人が慣れるのだそう。睡眠中の呼吸が格段に楽になるため、「つけないと安心して眠れない」という人もいるとか。ただし知っておきたいのが、マウスピース治療は対症療法であり、根本治療ではないということです。

 

マウスピースをつけることで、SASの症状を抑えることはできますが、根本原因を改善しない限り、治すのは困難です。そして、その治療法は“原因”によって変わります」(片平先生)

 

原因を改善しない限り、一生マウスピースを装着して眠る日々が続いてしまうことに…。
その原因の多くは、生まれ持った骨格、肥満、低位舌などの生理的な因子と言われています。

 

マウスピースは骨格の一時的な改善をする治療ですので、一度マウスピースを作っても、人の生理的な状態は年齢とともに変化するため、その都度、今の状態がマウスピース治療の適応範囲であるか否か検討する必要があります。もちろん、ダイエットや次に紹介する方法でマウスピースをめでたく卒業となる方も中にはいらっしゃいますよ」(片平先生)

 

SAS改善に有効! 口まわり・舌の筋力を鍛える「あいうべ体操」

 

片平先生によると、口まわりや舌のトレーニングにより舌の位置や口呼吸を改善し、睡眠中の舌の落ち込みを防ぐことが、SASの原因改善のひとつとして有効とのこと。
そんなトレーニングにぜひ取り入れたいのが、「みらいクリニック」の今井一彰先生が考案した「あいうべ体操」だそうです。やり方はとっても簡単。口を大きく「あ~い~う~べ~」と動かすだけ。「あ~い~う~」と言いながら口を動かし、「べ~」のところで、舌を大きく前に出します。

 

<あいうべ体操のポイント>
POINT1 できるだけ大げさに、声は小さく
POINT2 1セット4秒前後のゆっくりとした動作で行います
POINT3 1日30セット(3分間)を目標に
POINT4 あごに痛みがある場合は「い~う~」でもOK

 

毎日やることで、口まわりの筋力が鍛えられ、SASの改善や防止につながります。小顔効果もあるので、口まわりの贅肉をすっきりさせたい人にもオススメだとか。やらない手はなさそうです。

 

もちろん、SASは自分の原因に合った治療法を探すのが大切。SASかもしれないと思ったら、一度睡眠外来や睡眠歯科を受診し、自分に合った治療法を相談してみましょう。

 

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監修:片平治人(片平歯科クリニック 院長)

 

photo:Thinkstock / Getty Images

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