ストレスは、睡眠に悪影響を与えます。日本のビジネスマンの約6割が仕事にストレスを感じている(※)という現代。「まだまだ大丈夫」と思っていても、知らず知らずのうちにストレスを抱え込み、不眠やうつ病を発症してしまうケースも少なくないそう。そんな中、2015年12月に、職場のメンタルヘルスを調べる「ストレスチェック制度」の義務化が始まりました。今回は、ストレスと睡眠の関係などについて、日本快眠協会の今枝昌子先生にお話を伺いました。

※2012年厚生労働省発表「労働者健康状況調査」による

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ストレス社会は“眠れない”ビジネスマン醸成の場

 

多くの不眠を抱えるビジネスマンをケアしてきた今枝先生によると、年代によってストレスの原因はさまざま。例えば新人なら社会のルールや立ち振る舞いに苦労し、管理職は、上司と部下の板挟みやマネジメントなど重圧のかかる仕事がストレスになりがちです。こうした状態が続くと、身体や心の疲労を感じにくい状態になるといいます。

 

「そのストレスを解消するうえで重要となるのが睡眠です。多くのビジネスマンはストレスによって眠れず、眠れないことで仕事のパフォーマンスが低下し、さらにストレスがたまるという、“眠れないスパイラル”に陥っています」(今枝先生)

 

この負のスパイラルを断ち切るためには、一人ひとりが自分のストレスと向き合うとともに、睡眠への意識を高めることが必要不可欠とのこと。

 

質の高い睡眠には5つのメリットがある

 

忙しいから睡眠時間を確保するのが難しい…ストレスチェックをきっかけに、そんな意識を変えて欲しい、と今枝先生は言います。

 

「睡眠の質を高めると、仕事の効率は劇的に変わります。『仕事で成果を上げたいからこそ、睡眠を大切にする』という意識をしっかり持つことが大切です」(今枝先生)

 

今枝先生によると、睡眠をとることには大きく5つのメリットが。

 

1.ストレス耐性を高める
2.脳の疲労を取り去る
3.メンタル疾患予防
4.生活習慣予防
5.集中力・モチベーションアップ

 

「良質な睡眠や睡眠時間の確保を意識すると、ポジティブな精神と健康な身体づくりの実現だけでなく、脳のオンオフの切り替えがスムーズになり仕事の能率が格段に向上します。それは企業にとっても、生産性の向上とともに、メンタル疾患による離職などの損失を予防できる大きなメリットがあります」(今枝先生)

 

今枝先生は現在、ビジネスマン向けのセミナー「睡眠強化プログラム」を実施し、ビジネスマンへ睡眠の重要性を伝え、質を高める方法を教えています。

 

「セミナー参加者の中には、仕事より睡眠を優先させることに罪悪感を覚える人も多いです。しかし、受講後『朝から気持ちよく活動できるようになった』『仕事以外にも目を向けられるようになった』など、生活が驚くほど改善したという人が大勢いらっしゃいます。睡眠への意識を少し変えるだけで1日の充実度はグッと高まる、そのことをもっと多くの人に気づいてほしいですね」(今枝先生)

 

ついつい「仕事のために睡眠時間を削る」という発想になりがちな日本人。でも、仕事の効率が上がり、ストレスも軽減できるならば、個人でも企業単位でも睡眠を大切に考えるべきなのかも。ストレスチェックを、そのきっかけに活用したいですね。

 

 

監修:今枝昌子(一般社団法人日本快眠協会 代表理事)
http://www.kaimin.or.jp/

 

photo:Thinkstock / Getty Images

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