パートナーのいびきに悩まされる女性

いびきって、どうしたら治るの?|原因から探る治療法

自分で気づいていなくても、実はあなたもいびきをかいているかも!?  日本人で「いびき」をかく人は男性の24%、女性の10%と報告されています。(※1)いびきの裏には、病気が潜んでいる場合もあるので、単に「うるさい」ではすまされません。

今回は「年々いびきが酷くなっているようで、寝起きの奥さんがこわ過ぎる」というフミナーくんが、いびきの原因と解消法を探りにフミナーズ睡眠ドクターの元を訪れました。

教えてくれた人|フミナーズ睡眠ドクター

眠りの研究を重ねることXX年。多くの眠れないフミナーズたちを救ってきた。口癖は「睡眠がすべてなのです!」

相談者|フミナーくん

不眠・いびきをはじめ、眠りに関するさまざまな悩みとともに生きてXX年の玄人フミナー。

寝相の悪さやいびきが原因で、奥さんが寝起きに不機嫌なことが多いらしい。

なぜ、人はいびきをかくの?

いびきをかいて眠る人

 

フミナーズ睡眠ドクター、僕、いびきが酷くて悩んでいるんです。僕のいびきがうるさいせいで、最近は奥さんも寝不足みたいで…。なぜ、人はいびきをかくんですか?

 

何らかの理由で、鼻から気管までの空気の通り道である『上気道』が狭くなることが、いびきのおもな原因なんです。狭いところを空気が通ろうとすると空気抵抗が大きくなるため、呼吸をしたときに粘膜が振動して音が出ます。この振動音が、いびきの正体なんですよ。

 

僕の場合、お酒を飲んだときにとくに酷くなるみたいなんですけど…お酒っていびきと関係ありますか?

 

とても関係ありますよ! お酒を飲むと、のどのまわりの筋肉がゆるんで上気道が狭くなるので、いびきをかきやすくなります。飲酒以外にも、いびきをかきやすい人には、外見や生活習慣に特徴があるので、一緒に見ていきましょうか。

 

いびきをかきやすい人の特徴

いびきをかきやすい人は、“上気道が狭くなりやすい”外見や生活習慣を持っています。

外見の特徴

  • 首が太くて短い
  • 下あごが小さい、横顔を見たときに下あごが後ろに引っ込んでいる
  • 口蓋垂(のどちんこ)が長い
  • 舌が大きい
  • 鼻中隔湾曲症(鼻が曲がっている)

生活習慣の特徴

  • 肥満傾向がある(首まわりに脂肪がついて、上気道が狭くなる)
  • 仰向けで寝る(重力によって、上気道まわりの組織が落ち込みやすくなる)
  • 口呼吸をする(軟口蓋が落ち込みやすくなる)
  • 鼻づまりなどの鼻症状がある(口呼吸しやすくなる)
  • ストレス・疲れが溜まっている
  • アルコールを習慣的に摂取する(のどのまわりの筋肉がゆるむ)

 

いびきにも、種類があるってホント?

いびきにも、種類があるってホント?

 

最近は中年太りも気になってきていて…。それもいびきに関係してるんですかねえ。仕事のストレスや疲れもたまってるし……。

 

太り気味なのは、けっこういびきと関係があるんですよ。たとえば、太ると知らぬ間に上気道のまわりにも脂肪がついていて、それが気道を圧迫して、いびきを引き起こしていることがあるんです。ちなみに、いびきには種類があって、普段はいびきをかかないのに、疲れたときやお酒を飲んだときにかくのを『散発性いびき』といいます。寝ているときはいつもいびきをかくという場合は『習慣性いびき』です。とくに問題なのは、習慣性いびきのほう!また、習慣性いびきは、影に病気が隠れているケースも多いので、特に注意が必要です。“たかがいびき”と侮るのは禁物ですよ!

 

いびきと関連している病気

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)は、眠っている間に呼吸が止まる病気です。医学的には、10秒以上の気流停止(気道の空気の流れが止まった状態)を無呼吸とし、無呼吸が一晩(7時間の睡眠中)に30回以上、若しくは1時間あたり5回以上あれば、睡眠時無呼吸症候群です。

脳や身体に大きな負担がかかるため、日中に強い眠気や倦怠感、集中力低下などが引き起こされ、日常生活に影響が生じてきます。また、命に関わる生活習慣病のリスクを高めることにもつながります。

鼻中隔弯曲症、肥厚性鼻炎などによる鼻づまり

鼻腔を左右に隔てている「鼻中隔」が弯曲していることによって、鼻腔が狭くなり、鼻づまりなどの症状が出ることを「鼻中隔弯曲症」といいます。一方「肥厚性鼻炎」は、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などの影響で、鼻腔粘膜が肥厚して鼻がつまる症状を指します。

いずれも鼻がつまって、口呼吸になりやすいのが問題です。口で呼吸をしていると、鼻呼吸に比べて軟口蓋が落ち込みやすく、上気道を狭くしてしまいます。また、いびき以外にも、免疫力の低下や扁桃炎、口内炎、歯周病や口臭の悪化など、さまざまなリスクを招く可能性があり、要注意です。

 

いびきは、どうしたら改善できる?

ベッドで眠る男女

 

病気がいびきの原因という可能性もあるわけですね? ハカセの話を聞いていたら、僕、睡眠時無呼吸症候群なんじゃないかって、不安になってきました……。どうやったら僕のいびきの原因を知ることができるんでしょう?

 

まずは鼻づまりがあるかないかで、耳鼻科での検査や治療の要否がわかります。

 

いびきの原因チェックフロー

 

鼻づまりがある場合は、耳鼻科へ。鼻中隔弯曲症、肥厚性鼻炎、慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎などの鼻疾患を治療して、鼻づまりがすっきりすれば、いびきの改善が期待できますよ。

 

鼻づまりがない場合は、どうしたら?

 

鼻づまりがない場合は、いびきが一過性か習慣性なのかによって対応が変わります。習慣性の場合は、耳鼻科で睡眠時無呼吸症候群の検査を受けましょう。

 

僕の場合、鼻づまりはないけれど、一緒に寝ている奥さんによると『毎日いびきをかいているし、年々酷くなっている』らしいので、一度、耳鼻科で検査してもらったほうがよさそうですね。

 

そうですね。その結果、重大な病気でなかった場合は、生活習慣を改善するといいでしょう。

 

生活習慣の改善方法

ダイエットをする

太ると、首やのどのまわりに脂肪がつくだけでなく、上気道の壁にも脂肪がついて、いびきの発生につながります。健康のためだけでなく、いびきの改善のためにも、適正体重を維持しましょう。

寝具と寝姿勢を見直す

仰向けよりも横向きで寝たほうが、上気道が狭まるのを軽減し、いびきを改善できる場合があります。

最近は自然と横向きになるように形状が工夫された枕なども市販されているので、使ってみるといいでしょう。横向きに慣れていない人には、抱き枕もおすすめです。身体の一方にかかる負担が軽減され、入眠しやすくなります。

お酒(寝酒)を控える

お酒を飲むと、のどを支える筋肉がゆるみ、上気道が狭くなっていびきをかきやすくなります。寝るときは、ただでさえリラックスして筋肉がゆるんでいる状態。そこにアルコールが加わると、いびきのリスクを高めることにつながります。とくに寝る前の飲酒、深酒は控えましょう。 

禁煙する

たばこを吸うと粘膜が傷つき、気道壁が厚くなることで、上気道が狭くなります。いびきの改善には、禁煙も重要です。

 

もし、睡眠時無呼吸症候群だった場合は、どんな治療があるんですか?

 

保険適用で治療することができます。睡眠時無呼吸症候群が治ると、いびきも自ずと改善されていきますよ。

 

睡眠時無呼吸症候群を治療する方法は?

マウスピース治療

寝るときにマウスピースを装着して、下あごを上あごよりも前方に出すように固定させることで、上気道を広く保ち、いびきや無呼吸の発生を防ぎます。中等症までの人に対して比較的効果が見られやすい方法です。

CPAP療法

Continuous Positive Airway Pressureの頭文字をとって、「CPAP(シーパップ)療法:持続陽圧呼吸療法」と呼ばれます。寝ている間の無呼吸を防ぐために、鼻にマスクをつけ、CPAP装置からエアチューブを通して空気を送り続け、気道を確保します。日本国内や欧米でもっとも普及している治療法です。

外科的手術

小児の多くや成人の一部で、睡眠時無呼吸症候群の原因がアデノイドや扁桃肥大などの場合は、気道を塞ぐ部位を取り除く摘出手術を行うことがあります。

 

いろんな改善法や治療法があるんですねえ!毎朝、寝不足で不機嫌な顔の奥さんを見るのが怖くて…。僕のいびきのせいだから、治せたらいいなとは思っていたのですが、いびきの原因が病気の場合もあると知って、さっそく検査に行こうと思いました。

 

まずは、自分のいびきの原因を探ることが大切!早くいびきが治って、奥さんもぐっすり眠れるようになるといいですね。

 

<参照>
無呼吸なおそう.com
https://659naoso.com/snore
フミナーズ
https://fuminners.jp/neteru-toki/15106/
https://fuminners.jp/neteru-toki/7184/

坪田 聡

監修

医師・医学博士

坪田 聡

医師として睡眠障害の予防・治療に携わる一方で、睡眠改善に特化したビジネス・コーチとしても活躍中。「快適で健康な生活を送ろう」というコンセプトのもと、医学と行動計画の両面から睡眠の質を向上させるための指導や普及に尽力。総合情報サイトAll about 睡眠ガイド。 「睡眠専門医が教える! 一瞬で眠りにつく方法」(TJMOOK 宝島社)、「パワーナップ仮眠法」(フォレスト出版)他、監修・著書多数。

医療法人社団 明寿会 雨晴クリニック 副院長

Site: http://suiminguide.hatenablog.com/


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