病院での不眠治療の実際・初診からの流れと“治療のゴール”の持ち方

こんにちは、睡眠コンサルタントの土井です。連載の第5回目となります。私は幼い頃から、不眠に苦しみ約20年もの間、不眠に悩み苦しんできました。

また、病院での治療も10代の頃からはじめ、睡眠薬の服用も5年以上の経験があります。

 

そんな私も紆余曲折あり、連載1回目でご紹介した通り、色んな方法を試しながら、やっと数年前に不眠を克服することができました

前回は病院を選ぶポイントについてお話しましたが、今回は実際の診察の流れと診察のポイントをお伝えします。

 

特に今回はかかりつけの内科というよりは、心療内科・精神科、睡眠クリニックなどを想定してお伝えできればと思います

「ハードルが高くてなんだか行きにくい」
「行ってみたいけど、何を準備すればよいかわからない!」
という方はぜひご一読下さい。

 

心療内科・精神科、睡眠クリニックでの主な受診の流れ

予約

まずは予約です。内科のかかりつけのお医者さんに診てもらう場合は別ですが、ふらっと立ち寄って診察してもらうということはかなり難しいでしょう。

大抵予約でいっぱいなので、事前に予約をとってから診察を受けましょう。予約がとれる曜日や時間帯で自分が通いやすいかどうかの確認もできます。

 

受付&問診票記入

病院に入ってまず受付を済ませましょう。ここは他の病院と同じです。その後は問診票や睡眠に関するアンケートが渡されることが多いので、自分の症状を事前にまとめておくと便利です。

 

診察

いざ診察です。時間がたっぷりあるわけではないので伝えたいことをある程度まとめておいたほうがよいでしょう。

特に人気で予約いっぱいの病院では後ろが別の人の予約でつまっており、診察時間が思ったより短い場合もあるので、短い時間で正確に伝えられることが大切になってきます。

診察時のポイントは後ほど詳しくお話します。

 

次回予約&薬をもらう

病院での継続的な治療が必要となった場合は次回の予約をとりましょう。また、薬が出された場合は薬を薬局でもらって終了となります。

行き慣れない何か特別なことをするイメージがありますが、全くそういったことはありません。基本的には流れも診察の内容も他の病院と同じだと思ってもらって大丈夫です。

 

受診のポイントをおさえておこう

治療の間に何度か引っ越しをしたこともあり、私自身は5つの病院で治療を行なってきました。「勇気を出して病院に行ってみたものの期待していたほどではなかった…」という経験が何度かあります。

中には先生との相性がよくなかったり、自分の症状と病院の専門が違っていたということもありますが、今振り返ると「受診のポイントをおさえることができていなかったな」と感じることが多いのです。

次はそんな受診のポイントをいくつかご紹介します。

 

自分の症状をまとめておく

「受診の流れ」の問診票や診察のときにも触れましたが、自分の症状をまとめておくことが大切です。

・「いつから」

・「どんな風に」

・「どれくらい続いているか」

・「思い当たる理由はないか」

を中心に事前にまとめておきましょう。

 

睡眠の悩みは風邪のように見た目や触診ではわからないので、正確に自分の情報を伝えることが非常に重要になってきます。

症状や原因によって対処法は違ってきます。誤った情報を伝えることで治療の効果があまり得られなかったり、治療が長引いたりする原因になります。

 

睡眠日誌もあればより効果的

自分の睡眠を伝える方法として、「睡眠日誌」をつけておくと便利です。自分の睡眠はわかっているようでわからないもの。いざ聞かれても詳細に答えられないことが多いのです。

毎日とはいかなくても日々の記録をしておくことで、自分の記録を客観的に残しておくことができます。すると診察の際に役立つのはもちろん、自分で自分の睡眠を見直すキッカケにもなります。

 

睡眠日誌と言えば「何時に寝たか」、「何時に起きたか」という睡眠の記録が中心になりますが、日中や寝る前の活動を記録しておくとなおよしです。

なぜなら、睡眠は日中や寝る前の行動によって左右されるからです。日中や寝る前の記録をつけておくことで、睡眠の悩みの原因を探っていくときに役立つのです。

これは初回診察時だけでなく、継続的に通院して治療を行う場合でも同じです。

 

疑問はその場でしっかり確認

診察を通じて担当の先生から今後の治療方針等が説明されるかと思います。その際に聞き慣れない言葉や、すぐには理解できない説明、納得できないことが出てくることもあるでしょう。

 

そんな時は遠慮せずにその場でしっかり確認しましょう

「こんなこと聞いたら先生に悪いかな?」と思うこともあるかもしれませんが、先生にとってもしっかりと理解して、納得してもらったほうが治療を進めやすいはずです。

 

よくわからないまま治療を続けて「こんなつもりじゃなかった…」となってはお互い損です。

私の場合は診察の時に疑問に感じたことだけでなく、治療を行う中で日常的に疑問に思ったことも質問していました

 

せっかく睡眠に詳しい先生と話せる時間、うまく活用しないともったいない!くらいに思っていました。

日常の不安や疑問をそのままにしないで、その都度解決することで迷いなく治療に集中することができました。

 

さいごに:自分のゴールは自分で決めて、常に意識しよう

長期間治療を続けていると「いつになれば治療が終わるのか」というゴールがだんだんわからなくなってきます。

そうして症状もよくならないまま何となく受動的に通い続けているうちに何年も経っていた…そんな経験が私にもありました。

「このままずっとこんな感じで一生病院に通い続けるんだろうか」と言いようのない不安に襲われたこともありました。

 

それが変わったのは、もう一度目標やゴールを意識するようになったことがきっかけです。

「自分はいつまでに、どんな睡眠の悩みを解決したいんだろう?」と改めて見直すことで、自分が今何をしなければいけないのか考えられるようになりました。

すると自然に治療に主体的になれ、それが停滞していた状況を変える原動力になりました。
治療のゴールは人それぞれです。

 

たとえば、「睡眠薬を服用しても眠れるならいい」という人もいれば「睡眠薬を使わずに眠れるようになりたい」という人もいます。

寝つきを早くしたいという同じ悩みでも「30分以内でなければ困る」という方もいれば「1時間くらいで眠れるならそれで十分」と考える人もいます。

 

治療のゴールを決めるのはあなた自身なのです。自分でゴールを決めることで主体的に治療に取り組みやすくなります。

前回の連載でお話したように、治療には本人の主体性がとても大切になってきます。やらされている感覚だとなかなか難しいものです。

「自分はどんな睡眠を手に入れたいんだろう?」というゴールを意識しながら、ポイントをおさえて治療を進めることができれば、きっと睡眠の悩みの解決につながるはずです。

不必要に怖がらずに、うまく病院を活用していきましょう。
 

photo:Thinkstock / Getty Images

土井 貴仁

執筆

睡眠健康指導士

土井 貴仁

幼少の頃から不眠症に悩み、高校生の頃から睡眠導入剤を服用しはじめる。不眠症を患ってから2年以上たったある日、カウセリングを通じた「認知行動療法」に出会い不眠症を克服する。自らの経験を生かし、一人でも多くの人の為になりたいという想いから「一般社団法人日本睡眠教育機構」認定資格である「睡眠健康指導士」を取得。 不眠症における認知行動療法を受けることのできる医療機関の少なさ、地域格差に問題意識を持ち、Web上で認知行動療法が実践できる仕組みづくりに奮闘している。その他講演活動や執筆活動など幅広く活動中。


※体験談は個人の感想であり、特定の効能・効果を保証したり、あるいは否定したりするものではありません。

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