不眠になったかも?と思ったらまずやるべきこととそのポイント

こんにちは、睡眠コンサルタントの土井です。連載の第2回目となります。

私は幼い頃から約20年もの間、不眠に悩み苦しんできました。

 

また、病院での治療も10代の頃からはじめ、睡眠薬の服用も5年以上の経験があります。

そんな私も紆余曲折あり、連載1回目 でご紹介した通り、色んな方法を試しながら、やっと数年前に不眠を克服することができました。

今回は、「不眠かも…!」と思ったときにまず考えてほしいこと、試してほしいことについて書いていきたいと思います。

 

なんか不眠になったっぽい…いったいどうすりゃいいの??

この記事を読んでいらっしゃる皆様は、大なり小なり睡眠に悩みを持った方だと思います。

そして、「もしかして自分は不眠なのでは・・・?」と思いはじめている人も少なくないのではないでしょうか?

 

しかし、そんなあなたは同時に、こう思うのではないでしょうか?

「不眠になったっぽいんだけど、いったいどうすりゃいいの?」

これは永遠のテーマとも言えるのではないでしょうか? 「病院に行く」という正攻法もあれば、「寝具を変える」、「市販の睡眠改善薬を試してみる」、「睡眠アプリを使ってみる」など様々な選択肢があります。

 

「◯◯といえば△△!」というように、対処法が明確になっていればよいのですが、不眠の場合はそうではありません。よくわからないから結局そのまま放置する・・・という人も多いです。

 

私のもとにも「何年も睡眠で困っているけど、どうすればよいかわからない・・・」という相談が多く寄せられます。

何ヶ月、何年も苦しみ、もうこれ以上は耐えられない!というタイミングでやっと具体的に動き出す、そんな人が多い印象です。しかし、その間にも不眠は悪化していきます。

 

早めに対処できればすぐに解決できていた問題でも、放置していく間に慢性化し、解決が難しくなってしまったという例が多いのではないでしょうか。

かくいう私も十数年は放置してきました。

それはやはりどうしていいか分からなかったんですね。分からないから動けない。そして、分からないうちにあきらめてしまう。10年以上そんな状態でした。

 

まずやってほしい“情報収集”とそのポイント

では、なぜあるタイミングで不眠改善に向けて動き出すことができ、不眠を改善することができたのか。

それは不眠について情報をしっかり集めたことがキッカケでした。情報を集めることで、不眠に対してどんな対処法や選択肢があるのかわかりました。

 

たかが「情報収集」と思えるかもしれませんが、情報収集こそ不眠解決のキモ。

それがわかったからこそ「じゃあ改善するためには今何をすればいいんだろう?」、「どんな選択肢が自分に合っているのだろう?」と次のステップに進むことができたのです。

 

ただし、ポイントを踏まえた情報収集でなければ、余計な不安を募らせたり、逆に問題を軽視することにもなりかねません。前向きに歩みだすための情報収集が大事なのです。

そこで、不眠解決に向けてまずやってほしい情報収集のポイントを、経験者の視点からお伝えしていきます。

 

ポイント① 出典元に信頼性のある情報を入手する

「よし!じゃあ不眠の情報を調べるぞ!!」と思った時に、多くの方はお手持ちのスマホや携帯、またはPCを使いネットで検索されるかと思います。

ネットで調べると非常にたくさんの情報で溢れています。先程実際に「不眠 対処法」で調べてみると実に44万7000件ものページがヒットしました。

この中には、医師や睡眠の専門家が書いたものもあれば、一般の方や誰が書いたかも分からない情報もあります。

 

「◯◯しただけで睡眠が改善した!!」

という記事を見つけると「ほんとかな?」と思いながらついつい読んでしまいます。

しかし、そこには正しい情報もあれば、真偽が怪しい眉唾な情報もたくさんあります

 

「長年信じて実践してきたけれど、実は医学的にみると何の根拠もなかった!」ということも珍しくありません。害がないならまだマシなほうで、逆効果になってしまうものもあるのです。

「その情報ははたして本当に正しい情報なのか?」
「出典元は信頼性があるのか?」

そういった視点をもちながら情報を集めることが大切です。

 

ポイント② 断片的ではなく、体系立てて理解する

「出典元が正しいことが確認できた!」となればまずは一安心ですが、もう一点注意して頂きたいことがあります。

それは、断片的に情報を入手するのではなく体系的に情報を入手するということです。

 

ネットの情報もそうですが、テレビや雑誌の情報はある一部分の情報を切り抜いてわかりやすく読者の方々に提供しています。

すると情報自体は事実でも、実はそこには隠れた前提や条件があったり、よい面だけを強調するようなことがあります。

1つの治療法や解決法でも、良い面もあれば、悪い面や難しい面もあるのが一般的です。

 

私が実践した「認知行動療法」で言えば、「薬だけに頼らずに、根本的な不眠の原因をなくしていく」という意味ではよい面もありますが、結果が出るまでに時間と労力がかかるなどといった難しい面もあります。

一部の断片的な情報だけで判断してしまうと、正しい選択ができなくなってしまう可能性が高いのです。

 

また、睡眠の悩みの原因が違えば対処法も変わってしまいます。医学的に正しい方法でもあなたの症状や原因にとってはマッチしないこともあるのです。

私の場合ですと、友人や家族から「睡眠専門で外来やっているところがあるから行ってみたら?」と言われある病院を紹介されたことがあります。

どうやらテレビや雑誌で紹介されている非常に有名な病院のようです。

 

「ここに行けば、今までの不眠が治るかもしれない!」

そう思い、いざ予約とろうとしたところ実はその病院は「睡眠時無呼吸症候群」向けの方の病院であり、私のような不眠症向けではなかったのです。

 

私の場合は事前にわかったからよいですが、気づかないうちに自分とはマッチしない情報を実践している場合も多いように感じます。マッチしていないので、効果が出ない。

効果が出ないから不眠が慢性化し、あきらめてしまう…

このように断片的に情報を得ることによる弊害はあなどれません。そこでぜひ体系的に情報を収集することをオススメしたいと思います。

 

不眠の情報収集にもっとも適した方法とは?

信頼性のある情報を体系的に収集するオススメの方法が、書籍を読むことです。書籍であれば、一から順に体系立てて話が展開されるため誤って情報を解釈するということが少なくなります。

書籍を選ぶポイントとしては、睡眠の専門家が書いた書籍であるということです。書店には睡眠に関連する本がたくさんありますが、その著者は色んな属性の方がいます。

 

もちろん専門家ではない方も、正しい情報をもとにしっかり書かれている方も多いですが、中には真偽が怪しい情報も存在しています。

たとえ医師だとしても、睡眠を専門で学ばれている医師の書籍がよいでしょう。

 

というのも、睡眠はまだまだ分からないことが多くそれゆえ新しい発見も多いため、数十年前には常識と言われていたことが今は違うということが普通にある世界です。

決してだますつもりではなく、昔学んだことのまま書いた情報が実は最新の研究では違っていた、なんてこともあります。

 

一例として、「体内時計25時間説」があります。かつては体内時計の周期は約25時間であるという説が有力でしたが、最新の研究では平均24時間10分程度であることが分かっています。

睡眠は、それほどまだ研究途上にある世界です。

だからこそ、情報に必要以上に振り回されないために、常に最新の知見をもつ睡眠の専門家が書く書籍、これが一番手堅いのではないかと思います。

 

さいごに

私たちは、どうしてよいか分からないことに遭遇すると不安が高まります。「眠れない」ことは多くの人にとってどうしてよいかわからず、解決の見通しもつかないことです。

 

だからこそしっかりと情報を集めることで、不安をなくしていけるのではないでしょうか。

そしてその情報を集めること自体が、睡眠の悩みを解決するための大きな一歩になります。一見遠回りに見えますが、まずは「敵を知る」ことで正しい対処につながるのです。

 

次回からは、情報を集めた次のステップについてご紹介できればと思います。

photo:Thinkstock / Getty Images

土井 貴仁

執筆

睡眠健康指導士

土井 貴仁

幼少の頃から不眠症に悩み、高校生の頃から睡眠導入剤を服用しはじめる。不眠症を患ってから2年以上たったある日、カウセリングを通じた「認知行動療法」に出会い不眠症を克服する。自らの経験を生かし、一人でも多くの人の為になりたいという想いから「一般社団法人日本睡眠教育機構」認定資格である「睡眠健康指導士」を取得。 不眠症における認知行動療法を受けることのできる医療機関の少なさ、地域格差に問題意識を持ち、Web上で認知行動療法が実践できる仕組みづくりに奮闘している。その他講演活動や執筆活動など幅広く活動中。


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