なぜ!?疲れているのに眠れない21の原因と対処法|医師監修

ひとくちに「眠れない」といっても、原因は人によってさまざまです。

自分はどこに原因があるのか探ってみましょう。これが不眠解消の第一歩です。

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1. 身体的な原因で眠れない場合

病気が原因で眠れない

身体の痛みやかゆみ、咳などで寝つけないことがあります。

また、病気で眠れない可能性も。横になっているときに脚がむずむずする「レストレスレッグス症候群」、体内時計が狂ってしまうことによる「概日リズム障害」など眠れなくなる病気もさまざま。心当たりがある場合は、早めに受診をしましょう。

 

花粉症・鼻づまり・口呼吸で眠れない

花粉症などで鼻がつまっていると、寝ている間の鼻呼吸量が低下して、口呼吸になります。

口呼吸で加温・加湿されない空気が直接身体に送り込まれる結果、「起床時に喉が渇いている」「就寝中のいびき」などの症状につながります。

 

いびきは睡眠時無呼吸症候群(SAS)などに関連する疾患につながる場合もあるため、花粉症に早めに対処し、鼻づまりの要因を取り除いておくことが大切。普段から鼻呼吸トレーニングを行うこともおすすめです。

 

また、口呼吸によって口・喉で細菌が繁殖しやすくなり、口臭を招く原因にも。いびきやSASが見られる場合には、マウスピースで鼻呼吸を促すことも対症療法の1つになります。
 
口呼吸になる原因は鼻づまりだけではないため、根本治療のためにはその原因を突き止め改善していくことが重要です。

 

頻尿で眠れない

年齢を重ねると腎臓や膀胱の働きも徐々に衰え、眠り自体が浅くなっていくため、お手洗い覚醒が増えます。

1度や2度お手洗いで目覚めても、その後またすぐに寝つくことができるならあまり心配はありませんが、寝つけなくなってしまうようだと対処が必要です。

 

寝る前の水分の摂り過ぎが頻尿につながる場合もありますが、お手洗いに起きることが頻回になった場合には、一度専門医に相談して夜間頻尿の原因を調べてみましょう。

 

2. 精神的な原因で眠れない場合

うつ病などの精神的な病気で眠れない

うつ病と不眠は深い関係にあります。うつと睡眠は、ニワトリと卵のような関係といえるでしょう。

うつだから眠りが乱れ、眠りが乱れるからさらにうつ病が進行する、という悪循環を繰り返してしまいます。うつかもしれないと感じたら、心療内科や精神科を受診するとともに、自分の睡眠に何か問題がないかを見直してみましょう。

 

心理的なストレスで眠れない

仕事や人間関係などストレスに感じていることはありませんか。

ストレスのもととなるものが解消できるのがベストですが、気がかりなことがあるときには、布団に入る前に悩み事を書き出すのがおすすめです。

 

性格的なもので眠れない

イライラしたりネガティブになったりしがち。または、布団の中でいろいろな考え事をしてしまうような、心のモヤモヤを抱え込みがちな性格の人は、不眠になりやすい傾向があります。
 
考え事をしてしまってなかなか寝つけないときは、布団から一旦出てしまいましょう

 

3. 環境的な原因で眠れない場合

明るい・音が気になる部屋のせいで眠れない

体内時計は光を浴びることで時間調整をしています。夜間に室内の明るい光を浴びると体内時計が遅れて、寝つきや睡眠に悪影響を及ぼします。

そのため、就寝前には室内が明るくなりすぎないように注意しましょう。たとえば、部屋の照明をダウンライトや間接照明に切り替えるなど、目に入る光の量を減らすことが有効です。

また、カーテンを閉め切って外の光を完全にシャットアウトするのもおすすめです。

 

光と同様、音も睡眠に大きな影響を与えます。クーラーの室外機や洗濯機のような連続音、車や電車が通過するときのような間欠音、ドアの開け閉めなどの衝撃音などは睡眠に悪影響を及ぼします。

窓に紫外線防止フィルムや防犯フィルムを貼ったり、遮音・遮光カーテンを付けたりするだけでかなり遮音できます。

睡眠環境を整える

 

自分に合っていない枕やベッドのせいで眠れない

寝具はその人に合った寝やすいものを選ぶのがいちばん。

 

敷き布団(マットレス)は、硬すぎず柔らかすぎず寝たときに自然な姿勢で眠れるものを選びましょう。柔らかすぎると身体の重みで身体が沈み、腰に負担がかかり、腰痛になることも。

枕は、寝返りの打ちやすいフラットなものを選びましょう。

 

暑さ・寒さなど、気候のせいで眠れない

夏は暑さや湿気で寝苦しく、冬は寒さや乾燥で寝つきにくいことがあります。季節に合わせて、寝室の温度や湿度を適度に管理することが大切です。

 

旅行先など初めての環境が原因で眠れない

「枕が変わると眠れない」といわれるように、いつもとは異なる環境で寝つけないことがあります。

 

第一夜効果(ファースト・ナイト・エフェクト)」といい、新しい環境を本能的に警戒して、寝ている間も脳が起きている状態。寝つきが悪くなったり、ちょっとした物音ですぐ目が覚めたりと、熟睡しにくくなります。

2日目以降はスムーズに眠れるようになるので、さほど心配することはありません。自宅でいつも使っているタオルやアロマを旅先にも持っていくと、旅先でもリラックスしやすくなります。

 

4. 悪習慣が原因で眠れない場合

不規則な生活習慣のせいで眠れない

休日に寝だめしてしまう、15時以降に昼寝してしまうなどの睡眠リズムを崩す習慣は、寝つきを悪くしたり、睡眠の質を下げてしまいます

どんなに睡眠不足だと感じていても、休日の起床時刻は、平日プラス2時間以内におさえるようにしましょう。

 

また昼寝は、15時までに済ませましょう。特に夜19時~21時は、1日のなかでもっとも体温が高く、本来活動的であるべき時間帯です。

帰宅時の電車での居眠りは厳禁。可能なら、ウォーキングなど少し汗ばむくらいの軽い運動を取り入れましょう。

 

寝る前のスマホやパソコンのせいで眠れない

スマートフォンやパソコンのブルーライトは、睡眠に悪影響を与えます。寝る1時間前には、すべてのデジタル機器をオフにして、寝つける準備をしましょう。

特に寝る前の仕事のメールチェックは避けましょう。

スマートフォンやパソコンのブルーライトは、睡眠に悪影響を与えます。

 

寝る前のお酒やカフェイン・タバコのせいで眠れない

お酒を飲むとよく眠れるように思えますが、実は睡眠には悪影響しかありません。

アルコールが分解されるときにできるアセトアルデヒドは、睡眠を妨害し眠りを浅くしてしまう作用があります。

 

また、お酒を飲むとトイレで起きてしまったり、いびきをかいたりと、睡眠にとっていいことがありません。お酒を飲むときは、寝る3時間前までに適量をとるようにしましょう。

 

タバコはせめて寝る1時間前までに。寝タバコやお休み前の一服はやめましょう。

 

満腹状態のせいで眠れない

満腹状態で寝ると、胃腸が消化のためにエネルギーを使うため、脳と身体が休まらず、結果的に眠りが浅くなってしまいます。

ぐっすり眠るためには、寝る3時間前までに夕食をすませましょう。

 

パジャマに着替えない習慣のせいで眠れない

眠るときのスタイルは、身体を締めつけないことが基本。

ジャージやスウェットなどの部屋着は、起きているときには楽に感じていても、生地が厚手だったりゴムの締めつけがきつく、睡眠には不向きです。寝るときはきちんとパジャマに着替えましょう。

 

5. 身体と睡眠リズムの不一致が原因で眠れない場合

昼寝・仮眠のし過ぎで眠れない

昼寝や仮眠もうまくとれば眠気・疲労解消につながりますが、とり方次第では逆効果になることも。

 

昼寝や仮眠は夜の睡眠の先取りになるため、午後遅い時間帯に長時間寝てしまうのは避けましょう。本来の夜の寝つきが悪くなってしまいます。

午後3時までの10~20分程度の仮眠が理想的。「パワーナップ」と呼ばれパフォーマンスUPにも役立ちます。

 

そんなに時間が取れないというときは、たった1分あればできる仮眠法がおすすめ。

 

交代勤務が原因で眠れない

24時間体制をとる企業も昔に比べて多くなってきました。仕事の時間に合わせた不規則な睡眠・起床サイクルを繰り返していると、外界のリズムと自分の生活リズムとの間にギャップが生じ、体内時計が狂ってしまいます

 

寝つきが悪くなったり、途中で目覚めやすくなったり、また交替勤務の場合には睡眠時間が短くなる傾向も見られます。

体内時計の狂いを最小限に留め、蓄積した睡眠不足をできる限り早く解消することが大切です。

 

太陽を浴びない

太陽を浴びないまま過ごしていると、体内時計が狂う原因になります。

 

睡眠・覚醒リズムを整えるには、朝起きた時に太陽の光を浴びるのが効果的

目から太陽の光を感じることで体内時計がリセットされ、太陽の光を浴びてから14~16時間後に自然と眠くなるリズムがやってきます。

 

時差ボケで眠れない

海外旅行などで遠隔地へ高速移動すると、出発地と到着地とでは外部環境が大きく異なります。

 

本来持っている体内時計と外界のリズムとの間のズレが生じ、その変化に順応するまでに、夜間の不眠や日中の眠気などの不調が起こります

光を浴びる、食事時間の工夫、運動が速やかな時差ボケ解消のコツです。

 

6.リラックスできないことが原因で眠れない場合

湯船に浸かる習慣がない

寝る前はできるだけリラックスする環境を整えることが不可欠。温かいお風呂に浸かることで、副交感神経が刺激されリラックス状態にシフトしていきます。

 

また、スムーズな寝つきを誘うには、身体内部の温度=深部体温が適切なタイミングで下がることがポイントです。

就寝前に身体を温めることで手足の末梢血管が広がり、熱の放散が促進され、その後の深部体温の下がり幅が大きくなります。

 

38~40℃くらいの湯温で15分程度、全身浴がおすすめです。湯上り後すぐには深部体温が下がらないため、就寝1時間前までの入浴が目安です。

 

ずっと緊張状態

ストレスフルな現代人は、無意識のうちに身体がずっと緊張状態。緊張で全身ガチガチになっていることも不眠原因の1つです。

身体の力を抜く感覚をつかむトレーニングを試してみましょう。

 

また、緊張状態が続くと呼吸も自然と浅くなる傾向が。深いゆっくりした呼吸を意識することも1つの解決策です。

 

参考:「睡眠専門医が教える! 一瞬で眠りにつく方法」(TJMOOK 宝島社)

坪田 聡

監修

医師・医学博士

坪田 聡

医師として睡眠障害の予防・治療に携わる一方で、睡眠改善に特化したビジネス・コーチとしても活躍中。「快適で健康な生活を送ろう」というコンセプトのもと、医学と行動計画の両面から睡眠の質を向上させるための指導や普及に尽力。総合情報サイトAll about 睡眠ガイド。 「睡眠専門医が教える! 一瞬で眠りにつく方法」(TJMOOK 宝島社)、「パワーナップ仮眠法」(フォレスト出版)他、監修・著書多数。

医療法人社団 明寿会 雨晴クリニック 副院長

Site: http://suiminguide.hatenablog.com/


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