妊婦特有の「眠い」を解消!ノンカフェインでできる眠気対策

妊婦特有の「眠い」を解消!ノンカフェインでできる眠気対策

妊娠すると、女性ホルモンの分泌バランスの変化が起こるため、眠気を感じやすくなります。今回は、妊婦さん特有の強い眠気の原因や、 眠気を覚ますカフェインレスドリンクなど、眠気解消法を紹介します。

 

妊婦さんが眠いと感じる理由は?

妊婦さんが眠いと感じる理由は?

妊娠すると、しっかり眠っているはずなのに強い眠気やだるさを感じることが多くなります。それは、妊娠したことによって起こる女性ホルモンの変化によるものです。

同時に、自律神経が乱れたり、体温調整ができなくなったりすることで、寝付きが悪くなって睡眠不足になるため、日中に眠気を感じやすくなります。

 

黄体ホルモン「プロゲステロン」の分泌

女性は、妊娠すると子宮内膜を厚くするための女性ホルモン「エストロゲン」が分泌され、その働きを安定させるために黄体ホルモン「プロゲステロン」が分泌されます。

この「プロゲステロン」には、眠気を誘発する作用があるため、妊娠すると眠くなるのです。

 

自律神経が乱れ、睡眠不足になりやすくなる

妊娠すると、交感神経が優位になり、自律神経が乱れやすくなります。休息を司る「副交感神経」が優位になりづらくなると、スムーズに寝付けなくなってしまいます。

寝付きが悪くなると、深い睡眠が得られず睡眠の質が下がり、睡眠不足の状態になります。すると、身体が休息を促し、日中眠くなりやすくなるのです。

 

体温調整がしづらくなる

深い睡眠を得るためには、身体の内部の温度「深部体温」を下げる必要があります。

しかし、妊娠初期は基礎体温が高くなるため、自然に体温が下がる夜になっても「深部体温」がなかなか低下せず、スムーズに寝付けなくなるのです。

寝付き悪くなり、夜に十分な睡眠を確保できなくなると、日中に強い眠気を感じるようになります。

 

周期別、妊婦さんの眠りの変化

周期別、妊婦さんの眠りの変化

妊婦さんの睡眠の質は、妊娠初期~後期までの間、ホルモンバランスや体型の変化によって変わってきます。ここでは、妊娠周期別の眠りの変化についてまとめています。

 

妊娠初期(〜16週未満)

女性ホルモン「プロゲステロン」の作用によって、眠気を感じやすくなる時期。眠気があっても、つわりの症状である吐き気によって寝付きづらくなることもあります。

 

妊娠中期(16〜28週未満)

つわりの症状である吐き気が治まると、寝付きの悪さは改善されます。

しかし、胎児の成長によってお腹が膨らむことで寝返りが打ちづらくなり、夜中に目が覚める中途覚醒をしやすくなります。

 

妊娠後期(28週〜)

お腹が大きくなることで腰痛やむくみ、膀胱圧迫などが起こり、眠りが浅くなるため中途覚醒しやすくなります。

 

妊婦さんがかかりやすい睡眠障害

妊婦さんがかかりやすい睡眠障害

妊婦さんは次のような睡眠障害を引き起こしやすいといわれています。

 

レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)

レストレスレッグス症候群は、横になったときや座っているときに、脚を動かしたくて我慢できなくなる病気です。

「むずむずする」や「ひりひりする」など、感じ方には個人差があります。症状が悪化すると激しい痛みを感じるようになり、寝付きの悪さや中途覚醒の原因となります。

 

妊婦さんの場合は約20%が罹患しているといわれているほど、妊娠中の女性に多く見られる症状です。ほとんどの方は授乳期間が終わるまでに、症状が落ち着きます。

レストレスレッグス症候群の主な症状や原因は以下のとおりです。

 

症状

じっとしていられないほどの不快感で、強い苦痛をともないます。

違和感は、ふくらはぎ、太もも、足首の順にあらわれ、お腹やお尻、肩、腕、顔にも症状が見られることもあります。

 

朝は症状が出なくても、夕方から夜にかけて徐々に症状が現れ、ベッドに入って眠ろうとするときに不快感が出るという特徴があります。

動かす、叩くなどして脚に刺激を与えると、症状が緩和されたり、完全に消えたりすることがありますが、これらの方法で不快感がなくならない場合は、ほかの病気である可能性も考えられます。

 

解消法など詳しくは下記の記事を参考にしてください。

Check

むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)の症状とは?|快眠のための治療法
https://fuminners.jp/newsranking/6429/

原因

(1)鉄分の欠乏

妊婦さんはつわりで食べ物を吐いてしまうため、栄養素を十分に摂取しづらくなったり、発育のために血液中の栄養素を胎児に送ったりします。

これにより、血液中の鉄分が不足してしまい代謝異常が起こり、レストレスレッグス症候群にかかりやすいという仮説があります。

 
(2)葉酸の欠乏

妊婦さんは胎児の臓器や血液をつくるために葉酸が消費されることにより、葉酸不足になりやすいといわれています。

葉酸不足になると、レストレスレッグス症候群にかかりやすいという仮説があります。

 
(3)子宮が大きくなることによる脊髄の圧迫

妊婦さんは、胎児の成長によって腰に負担がかかるため、脊髄が圧迫されます。

脊髄が圧迫されることで、脳と脊髄をつなぐドーパミン神経の機能が低下して、刺激の伝達がうまくいかなくなり、レストレスレッグス症候群を発症しやすくなるという仮説があります。

 

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは、Sleep Apnea Syndromeの頭文字をとって、「SAS(サス)」とも言われます。

医学的には、10秒以上の気流停止(気道の空気の流れが止まった状態)を無呼吸とし、無呼吸が一晩(7時間の睡眠中)に30回以上、若しくは1時間あたり5回以上あれば、診断されます。

 

呼吸が止まってしまう以外にも、下記のような症状が現れます。

「睡眠時無呼吸症候群かも?」と思ったら、病院や診療所などの医療機関で診察を受けましょう。

睡眠時無呼吸症候群は、耳鼻咽喉科、呼吸器内科、循環器内科、睡眠外来、歯科口腔外科などの診療科で診療されています。

その中で、睡眠の状態や質について詳しい検査・診断ができる、睡眠障害専門の睡眠外来があれば、そちらを受診するのが理想的です。

 

症状

(1)いびき

睡眠時無呼吸症候群の代表的な症状として挙げられるのがいびきです。仰向けに寝ると音が大きくなる、音に強弱がある、朝までずっといびきが続くなどの場合は睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。

また、突然息が詰まったようにいびきが途切れるようなときは、呼吸が止まっている証拠です。

寝ている間のいびきは自分ではなかなか気付くことがないので、音を録音したり、パートナーや周囲の人にチェックしてもらいましょう。

 
(2)夜中に何度も目が覚める

睡眠時無呼吸症候群になると、睡眠時に呼吸が止まり、酸素を取り入れられなくなるため、酸欠状態になり、息苦しさから夜中に何度も目が覚める「中途覚醒」の症状が現れます。

夜中に2回以上目が覚める日が週に3回以上ある場合は、中途覚醒が顕著に現れているといえます。

また、睡眠中の低酸素血症により、流産、妊娠高血圧、母体側低酸素性胎盤機能不全が起こりやすくなるともいわれています。

 
(3)歯ぎしりする、寝汗が多い

睡眠時無呼吸症候群になると、「パラソムニア(睡眠時随伴症)」という睡眠覚醒障害を合併する場合があります。

パラソムニアとは、睡眠中に起こる異常な身体行動・現象の総称で、主に歯ぎしり、激しい寝言や寝相、脚の動きなどがあり、ほとんどの場合、目覚めても自分が何をしていたか覚えていません。

 

原因

睡眠時無呼吸症候群は、肥満が原因の場合が多く、肥満の人はそうでない人に比べて、発症リスクが3倍になるといわれています。

妊娠すると食欲の変化などで太りやすくなり、喉周辺に脂肪がつきます。これにより、気道が狭まり、無呼吸や低呼吸の状態になりやすくなります。

 

妊婦さんが眠いと感じたときの対策

 妊婦さんが眠いと感じたときの対策

妊婦さんは出産するまで、断続的に日中の眠気に襲われます。眠気がある時期は、できるだけゆったり過ごす、睡眠時間を確保する、日中もこまめに休憩するなど、安静にしましょう。

ここでは、どうしても眠気を改善しなければいけないときの眠気対策を紹介します。

 

1分間仮眠

最も有効なのが15時までに20分ほど仮眠をとること。仮眠時間の確保が難しい場合は、「1分間仮眠」を取り入れてみましょう。

方法はシンプルで、椅子に深く腰掛けて、1分間目を閉じるだけ。目を閉じることで脳に入ってくる情報が遮断されるため、脳が休まり、蓄積された睡眠物質を取り除けます。

 

ガムを噛む

「噛む」というリズムのある動作は覚醒物質である「セロトニン」の分泌を促すため、眠気覚ましに効果的です。

また、脳にほどよい刺激を加えることで自律神経のスイッチが活動モードの交感神経に切り替わり、心拍数や血圧、体温が上昇して活動的になります。

 

ツボ押し

頭をスッキリさせたいときは、ツボ押しが有効です。ポイントは、5秒かけてゆっくり押すこと。それぞれ3回程度繰り返しましょう。

 

眠気で頭がぼーっとするとき

後頭部の髪の生え際、首の中心にある僧帽筋の左右両側に「天柱(てんちゅう)」というツボがあります。

そのツボを親指の第一関節を曲げながら、指先で頭の中心に向かって押し上げます。頭がスッキリとクリアになります。

 
下記のリンクで写真付きの詳しい解説を紹介しているので、実践するときの参考にしてみてください。

妊婦さんにおすすめ! 眠気を覚ますノンカフェインドリンク

妊婦さんにおすすめ! 眠気を覚ますノンカフェインドリンク

妊娠中にカフェインを大量に摂取すると胎児の発育が滞り、低体重や流産などの原因となる可能性があるため、眠気覚ましにコーヒーを飲むのは避けましょう。

そこで、ノンカフェインの目覚ましドリンクを紹介します。

 

白湯アレンジ

沸騰したお湯を50℃前後に冷ました「白湯」を飲むと、全身がポカポカと温まり、朝の目覚めがスッキリするだけでなく、日中の眠気がとれやすくなります。

 

下記に、白湯のアレンジレシピをご紹介します。

【白湯アレンジの例】

  • 白湯+レモンの輪切り1枚
    ビタミンCを手軽に摂取でき、酸味によりリフレッシュ効果が得られます。
  • 白湯+クコの実3〜5粒
    クコの実とは、「ゴジベリー」とも呼ばれる、杏仁豆腐などの上に乗っている赤い実のこと。疲労回復効果がある「ペタイン」が含まれており、栄養価の高いスーパーフードといわれています。

 

低速ジューサーで作る特製にんじんジュース

疲れを取り除いてくれるトマトやレモン、生姜などをにんじんと一緒に低速ジューサーへ。ローズマリーの香りはリフレッシュと集中力アップをもたらします。
 
【作り方】
にんじん(1本)、トマト(2個)、レモン(1/8個)、生姜(適量)、ローズマリー(適量)、えごま油(大さじ1)をジューサー(ミキサー)にかける
 

<参照>
『脳も体も冴えわたる 1分仮眠法』坪田聡(すばる舎)
 
▼ユニチャーム「プレママタウン」
https://www.premama.jp/jiten/pregnancy/preg10.html
https://www.premama.jp/osusume/health/osusume/007/index.html#midashi01
 

photo:Getty Images

十倉 陽子

監修

産婦人科医

十倉 陽子

英ウィメンズクリニック


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