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ファスティングで毒素を排出|不調改善の方法

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ファスティングとは、身体の不調や病源を取り除くことを目的に、体内の酵素を守るために行う食事制限で、ダイエットや不調改善効果があると注目を集めています。

今回、酵素の研究者で鶴見クリニック理事長の鶴見隆史先生に、ファスティングの効果や具体的な方法について伺いました。

ファスティングとは?

食卓の塩

鶴見先生によると、本来のファスティングとは、数日間、必要最低限の量の水と、少量の塩分だけを摂取して過ごすことだといいます。日本ではダイエットの方法として挙げられていますが、西洋では医学療法の一つにも数えられ、「メスのいらない手術」として大きな注目を集めているそうです。人間が生きるうえで欠かせない『酵素』を守れるという理由から、身体の不調改善につながるのだそう 。

酵素には、食べ物を消化し、体内に必要な栄養素を吸収する役割(消化)があります。さらに吸収された栄養素を全身に取り込み、古い細胞から新しい細胞への入れ替えによって行われる骨や筋肉、傷口などの修復をはじめ、尿や便として体内の余分なものを出す排泄、体内にある毒素を無害化する解毒、生命活動に必要なエネルギー生成などを行う代謝など、いくつもの働きを持っています。消化と代謝が正常に行われることによって健康は維持されているため、酵素は身体にとってとても重要な要素です。

栄養バランスのよい生活をしていると消化と代謝は正常に行われますが、脂質の高い肉や糖分を摂り過ぎると、消化のために大量の酵素が消費され、代謝に使うための酵素が不足して代謝機能が低下します。すると、腸内環境の悪化につながり、体内にさまざまな毒素や老廃物がたまり、心身に不調が現れます。ファスティングは、食べ物の摂取を制限して消化に使用される酵素を温存し、代謝のために活用することで、体調改善を目指す方法です」(鶴見先生)

食べ物の摂取を制限するため、ダイエット目的で挑戦する人が多いかもしれませんが、本来のファスティングとは、酵素の守ることで代謝を正常化させるための方法です。

 

ファスティングの効果

青空の下で身体を伸ばす女性

「ファスティングによって代謝が正常化すると、結果として病気になりにくい身体をつくることができます」と鶴見先生。ファスティングによる効果は、主に4つあるそうです。

 

「細胞便秘」の改善

肉や油っこいもの、甘いものを食べ過ぎている人は、脂肪を多く含む「脂肪細胞」が、毒素を多く含んだ「細胞便秘」と呼ばれる状態になりやすいそう。

「細胞便秘になった細胞からは糖尿病や白血病など、あらゆる病気を引き起こす悪玉のアディポサイトカインという物質が放出されます。ファスティングで代謝を正常化すれば、新しい健康な細胞の生成が促され、便秘状態の細胞を便として体外に排出できるようになります」(鶴見先生)

 

腐敗物質の減少と排出促進

ファスティングで消化物の量を減らすことで、身体に悪影響を与えるアンモニアなどの腐敗物質が体内に留まることを防げるうえ、代謝の正常化によって排出を促すことができます。

腸内にタンパク質や炭水化物などの栄養素が消化されずに残ると、それらを分解するために悪玉菌が大量に発生し、頭痛や腰痛、肌荒れなどの不調を引き起こす腐敗物質を生み出します。ファスティングによって消化物の量が減れば腐敗物質は減少し、正常化した代謝によって排出を促すことができます。この腐敗物質は睡眠にも悪影響を及ぼすことがあるので、早めに排出しておく必要があります」(鶴見先生)

 

活性酸素をブロック

消化不良で腸内に悪玉菌が増えると、それを退治するために白血球が働き、美容や健康を脅かす「活性酸素」が発生します。

活性酸素は、老化を助長し、シミやシワの原因となることもある物質です。ファスティングを行うことで消化不良を防ぎ、大元となる悪玉菌の大量発生が抑制できます」(鶴見先生)

 

血液をサラサラにする

食べ過ぎなどによって血液が高血糖、高コレステロール状態になると、毛細血管に血栓ができ、血流が悪化することがあります。ファスティングには、血栓の原因を取り除き、血液をサラサラにする効果もあります。

「血管が詰まると、赤血球によって運ばれる栄養素や酸素が全身に供給されにくくなり、さまざまな病気の原因になります。ファスティングは、過食による高血糖や高コレステロール状態を防ぎ、血流を正常化させるため、病気予防の効果も期待できるでしょう」(鶴見先生)

 

ファスティングの方法

梅干し

適切なファスティング方法として鶴見先生がオススメするのが、「梅干しファスティング」。「梅干しファスティング」を実践する上でのポイントは、以下の3つです。

  1. 1〜2gほどの塩分を含む梅干しを朝と夕に1粒ずつ食べる
  2. 1日にコップ10杯以上の水(合計2L以上)を適宜飲む
  3. (1)~(2)の生活を5日間、続けてみる

 

梅干しは塩分が摂取できることに加え、腸内の悪玉菌に対する殺菌効果があるため、ファスティングにぴったりの食材なのだそう。ただし、塩分の摂りすぎは病気のリスクを高める恐れがあるので、適量を守りましょう。

梅干しに加えて少量のフルーツと大根おろしなどの生野菜のすりおろしを朝・夕に食べる「ハーフ・ファスティング」という方法もあります。

「例えば、大根おろしは、94%が水分で低カロリー。さらに、抗酸化作用のあるスルフォラファンという栄養素を含み、活性酸素の働きを抑える効果も期待できます」(鶴見先生)

 

また、ファスティングによって腸内環境を整えたり、細胞中の脂肪を減らしたりする過程でさまざまな症状が現れることがあります。

「ファスティング開始後、早い人は1日、通常は2〜4日で、吐き気や頭痛、倦怠感などの症状が現れます。これは治療の過程で一時的に起こる好転反応で、避けられないものですが、症状がひどい場合は、春ウコンや梅肉エキスなど、抗酸化と抗炎症効果のあるサプリメントを服用してみましょう。毒素が体内から抜けきれば、症状は治まるはずです」(鶴見先生)

 

ファスティングによる効果が現われても、そのまま続けていては栄養失調に陥る危険性があるため、ファスティング後は食事を摂ることが大切です。ただし、急に元の食事に戻すと、休息モードになっている胃腸に刺激を与えてしまうので、まずは低カロリーで消化負担の少ない「回復食」を摂り、徐々に元に戻していくのがポイントです。

「朝や昼は抗酸化作用のある柑橘系のフルーツ、夜は白米に雑穀などを加えて炊き、みそ汁をつけるのがオススメです。雑穀やみそには食物繊維が多く含まれ、排便を促す効果があります。ほかに、納豆や漬けもの、野菜の煮付けなどを添えて、1日1300kcalを目安に摂取するようにしてください」(鶴見先生)

「ファスティングを取り入れることで、代謝酵素を温存し、身体の不調や病気の元を改善していきましょう」と鶴見先生。1日3食を抜くのが不安な人は、朝だけ食事を抜くなど、少しずつファスティングを取り入れてみてはいかがでしょうか。

photo: Getty Images

<参照>
『食物養生大全』鶴見隆史(評言社)
『朝だけ断食で、9割の不調が消える!」鶴見隆史(学研パブリッシング)

鶴見 隆史

監修

鶴見 隆史

1948年石川県生まれ。金沢医科大学卒業。浜松医科大学で研修勤務した後、数ヶ所の病院に勤務したが西洋医学の限界を感じる。米国・ヒューストンで酵素医療を実践しているドクターたちと交流を密にし、病気の大きな原因は「食生活」にあるとして、酵素栄養学に基づく治療や、独自の食養生を提唱。

医療法人社団 森愛会 鶴見クリニック理事長


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