ヘッドフォンをつけて音楽を聴く赤ちゃん

専門医と音楽家が選ぶ睡眠クラシック(赤ちゃん編)|赤ちゃんがぐっすり眠る曲16選

毎日赤ちゃんに眠るときに音楽を聴かせることで、入眠儀式となりスムーズに寝付きやすくなるだけではなく、知育にも有効です。また、赤ちゃんの眠りに有効な音楽は大人が聴いても、スムーズに眠りにつくことができます。まずは、赤ちゃんの眠りのメカニズムや赤ちゃんの眠りによい環境を知ったうえで、眠りに有効な音楽をかけてみましょう。

今回は赤ちゃんの眠りに向いているクラシック音楽について、精神科医でブレインケアクリニック院長の今野裕之先生にお話を伺いました。また、赤ちゃんの眠りに有効な曲についてはクラリネット奏者の重松希巳江さんにピックアップいただき、記事の後半で紹介していきます。

赤ちゃんが寝るために必要な条件

音楽を聴く赤ちゃん

赤ちゃんをスムーズに寝かしつけるためには、赤ちゃん特有の眠りのメカニズムを理解することが重要です。以下に、赤ちゃんの眠りのメカニズムと赤ちゃんを寝かしつけるコツについてまとめました。

※本記事では、1歳以下の乳児を対象に解説していきます。

 

赤ちゃんの眠りのメカニズム

赤ちゃんは身体が未発達なので、眠りのメカニズムが大人と異なります。覚醒と眠りのサイクルを司る「体内時計」が未熟なので、睡眠リズムが整っていません。赤ちゃんの睡眠リズムは成長とともにできあがっていくので、特徴を理解しましょう。以下で赤ちゃんの眠りの特徴について解説します。

 

月齢ごとの眠りの変化

  • 生後1カ月くらいまで:体内時計の調節を練習している時期。34時間ごとに寝起きを繰り返す「多相性睡眠」をとり、昼夜の区別なく眠ります。
  • 生後24カ月: 夜間に長く眠るリズムができあがります。
  • 生後6カ月~:夜の睡眠だけではなく、昼寝も含めて睡眠リズムができてきます。睡眠時間が長くなる一方で、体内時計の調整が未熟なので時差ぼけのような状態になってしまいます。これにより、不機嫌になり夜泣きなども起こりやすくなります。

 

赤ちゃんの眠りの特徴

生後すぐの赤ちゃんは、「レム睡眠(浅い眠り)」に相当する「動睡眠」と「ノンレム睡眠(深い眠り)」に相当する「静睡眠」を繰り返します。また、1歳半まではレム睡眠が睡眠時間の約半分を占めるため、大人よりも眠りが浅く目覚めやすい時間のほうが長いのです。

 

赤ちゃんの眠りの深さを知る方法

赤ちゃんの眠りの深さを知ると、状況に応じた対処法をとりやすくなります。深い睡眠時には眠りを妨げず、眠りが浅い状態から気持ちよく起きられるようにしてあげるとよいでしょう。赤ちゃんの眠りの深さは、以下のようなサインで知ることができます。

深い睡眠(ノンレム睡眠)のサイン
  • スヤスヤと寝息を立てている
  • 少し大きな音を立てても目を覚まさない
  • あまり身動きをしない
浅い睡眠(レム睡眠)のサイン
  • 寝返りを打つ、ごろごろ転がる
  • むにゃむにゃと寝言が聞こえる
  • 物音を立てると身体がビクッと反応する(3~4カ月以下に多い)
  • 一瞬、パチッと目を開ける

 

赤ちゃんを寝かしつけるコツ

赤ちゃんは大人よりも眠りのリズムが未発達なので、スムーズに眠れる環境をつくることが大切です。以下に赤ちゃんがスムーズに眠れる環境についてまとめました。

 

静かで暗い部屋で寝かせる

赤ちゃんは人の声が好きなので、眠っていても人の声が聞こえると脳が反応し、話を聞こうとする傾向があります。また、赤ちゃんは光にも反応しやすいので、部屋の明かりが刺激となってしまいます。家族で協力し、部屋の明かりをコントロールできるような環境をつくってください。

 

寝る場所にはおもちゃを置かない

興奮するものが視界に入ると、赤ちゃんが眠りに入りにくくなってしまいます。遊ぶ場所と寝る場所を区別するようにしましょう。特に、音や光を発するおもちゃを持ち込まないように徹底することが大切です。

 

母乳・ミルクの飲ませ方をコントロールする

寝かせる前にたっぷり母乳やミルクを飲むと、赤ちゃんは寝付きやすくなります。赤ちゃんが寝る直前にたっぷり飲めるよう、就寝3時間前は授乳を控えてください

 

寝かしつけ前の“夕寝”を防ぐ

寝かしつける3時間前は、夕寝を控えましょう。授乳同様、寝る時間にちゃんと眠くなるように、3時間前は寝かせないようにしてください

 

音楽を流す

決まった時間に赤ちゃんが心地よいと感じられる音楽を流すと、「そろそろ寝る時間だ」と身体が覚えるためスムーズに寝付きやすくなります。

 

音楽を聴くと赤ちゃんが寝る理由

音楽を聴く赤ちゃん

赤ちゃんは昼夜区別なく眠ってしまうので、夜になったら赤ちゃんが寝る時間を決め、その時間に合わせて寝かしつけを行いましょう。毎日同じ時間に同じ曲を聴かせると、赤ちゃんはスムーズに寝付きやすくなります。オーディオにタイマーをかけておくなどして、同じ曲を流してみましょう。こうした行動によって「そろそろ寝る時間だ」と身体が覚え、音楽が「入眠儀式」として効果を発揮します。

 

入眠儀式の例

「お風呂に入れる→音楽を聴かせる→絵本を読み聞かせる→暗く静かな寝室へ連れていく」

こうした一連の流れを赤ちゃんの身体に覚えさせていくことで、スムーズに寝つくようになります。

 

赤ちゃんの眠りによい音楽の種類と曲16選

音楽を聴く父親と子ども

赤ちゃんは大人よりも音に敏感で反応しやすい一方、感覚器が発達していないため、細かい音の聴き分けができません。このため、センシティブなメロディーでありつつも、単音で構成されており限られた音が繰り返され、はっきりと音が聞こえやすいオルゴールのような音楽を好みます。以下で赤ちゃんの寝かしつけに有効な音楽の特徴と、赤ちゃんの寝かしつけに有効な曲を紹介します。前述した入眠儀式とあわせて実践してみてください。

 

赤ちゃんの眠りに有効な曲の特徴

赤ちゃんは抱っこしてゆられているような繰りかえされるリズムの曲や、1分間に6080くらいの心拍に近いテンポの曲を聴くと安心して眠りやすくなります。

クラシック音楽のなかでは、多くの作曲家が残した子守唄などが適しているといわれています。

 

赤ちゃんの眠りに有効なクラシック音楽16選

今野先生によると、赤ちゃんの眠りに有効なのは心拍に使いテンポ、とくに子守唄だといいます。これをもとに、クラリネット奏者の重松希巳江さんにピックアップいただき、赤ちゃんの眠りに有効な音楽を紹介していきます。

  1. シューベルト:アヴェ・マリア(ヤロスラフ・トゥマ<オルガン>、チェコ少年合唱団“ボニ・プエリ”、指揮:パヴェル・ホラーク)

  2. シューベルト:子守歌(ヴェルニゲローデ青少年少女合唱団)

  3. ブラームス:眠りの精(東京クラシック・アンサンブル)

  4. ブラームス:子守歌(角 聖子<ピアノ>)

  5. シューマン:チェロとピアノのための民謡風の5つの小品 作品102 第2曲(アマデウス・ウェーバージンケ<ピアノ>、ユルンヤーコブ・ティム<チェロ>)

  6. シューマン:「子供の情景」作品15 第12曲「眠っている子供」(ノーマン・シェトラー<ピアノ>)

  7. ドビュッシー:音と香りは夕べの大気に漂う〜前奏曲集 第1集(ラズロ・バラニャイ<ピアノ>)

  8. フォーレ:「ドリー」より 子守歌(角 聖子、藤原 豊<ピアノ>)

  9. サティ:ジムノペディ 第1番(柴野さつき<ピアノ>)

  10. サティ:ジムノペディ 第2番(柴野さつき<ピアノ>)

  11. サティ:ジムノペディ 第3番(柴野さつき<ピアノ>)

  12. J.S.バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 BWV1043 第2楽章(カール・ズスケ<ヴァイオリン>、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、クルト・マズア<指揮>)

  13. J.S.バッハ:主よ、人の望みの喜びよ(コラール)BWV147(ルドルフ・バウムガルトナー 指揮 ルツェルン祝祭弦楽合奏団)

  14. モーツァルト:クラリネット五重奏曲 K.581 第2楽章(ウィーン室内管弦楽団員)

  15. モーツァルト:ディヴェルティメント K.136 第2楽章(ウィーン室内管弦楽団員)

  16. モーツァルト:セレナード 第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」K.525 第2楽章(ヴァシル・カザンジェフ 指揮 ソフィア交響楽団)

※同じ作曲者の曲でも、演奏者や指揮者が違うものは曲の印象が変わります

 

CDタイトル>

専門医と音楽家が選ぶ睡眠クラシックシリーズ
赤ちゃんがぐっすり|寝かしつけクラシックー入眠リズムをつくるー

寝かしつけクラシックのジャケット

  • 発売元(キングレコード)
  • 定価:1800円(税別)

 

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選曲者 | 重松希巳江 

東京藝術大学卒業、同大学院修了。クラリネットを村井祐児、鈴木良昭、山本正治、石橋耕三の各氏に師事。東京藝術大学管弦楽研究部講師を経て渡独、デュッセルドルフにてウルフ・ローデンホイザー氏に師事。NHK FMリサイタル、JT室内楽シリーズ、倉敷音楽祭、宮崎音楽祭、水戸室内管弦楽団などに出演。第8回日本木管コンクール第3位、第15回日本管打楽器コンクール第3位。ソリストとして新日本フィルの定期演奏会にてクリスティアン・アルミンク、フィリップ・フォン・シュタインネッカー、井上道義と共演。現在、新日本フィルハーモニー交響楽団首席奏者、東京音楽大学非常勤講師。

監修者 | 今野 裕之(精神科医)

精神科医。精神医学、抗加齢医学を専門領域とする。001年日本大学医学部卒業後、同大学院修了。慶應義塾大学病院、日本大学医学部附属板橋病院で研修、都内の精神科病院に勤務。2011年~順天堂大学にて老化や認知症に関する臨床研究に従事、2012年~山形県鶴岡市の美咲クリニックにて「こころの健康外来」を開始。2012年~2015年まで西東京市精神科産業医を勤め、2014年より新宿溝口クリニックで栄養療法を実践。20165月よりブレインケアクリニックを開業。心身のトータルケアと、より早期からの認知症予防治療に取り組んでいる。20182月、日本ブレインケア・認知症予防研究所の所長就任。著書に「ボケない人の最強の食事術(青春出版インテリジェンス)」などがある。

Photo: Getty imagaes


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