音楽を聴きながら仮眠する女性

専門医と音楽家が選ぶ睡眠クラシック(昼寝編)|アタマの疲れをとる曲23選

日中の眠気で作業効率が落ちているときには、適度に昼寝をしましょう。昼寝をして脳の疲労をとるためには、入眠・目覚めのときのクラシック音楽が有効です。また、音楽の効果を生かすためには、昼寝をするときの環境や注意点について知ることでより効果が出やすくなります。まずは昼寝の方法について知ったうえで、音楽を聴くようにしましょう。

今回は昼寝のときのスムーズな入眠と目覚めに有効なクラシック音楽について、精神科医でブレインケアクリニック院長の今野裕之先生にお話を伺いました。また、昼寝に有効な曲についてはピアニストの熊本マリさんにピックアップいただき、記事の後半で紹介していきます。

気持ちよく昼寝をする方法

音楽を聴く男性

スムーズに入眠するためには、寝つきが悪くなってしまう原因を知ったうえで、スムーズに寝付ける方法を試すことが大事です。以下に寝つきが悪くなる理由とそれを改善するために効果的な方法をまとめました。

 

昼寝のメリット

昼寝のメリットは眠気を解消するとともに、日中の眠気により低下した集中力や記憶力をアップさせ、仕事や勉強のパフォーマンスを高めることができる点です。

日中の眠気は、睡眠不足が原因だと思われがちですが、それだけではありません。脳の疲労により起こります。脳は過度な疲労防止のため、眠気を誘う睡眠物質を蓄積させることで「眠気」というSOSサインを出しているのです。この眠気を昼寝で解消すれば、同時に脳の疲労もとれ、作業パフォーマンスが上がります。

 

昼寝をするときの注意点

昼寝をするときに注意することは、「熟睡しすぎないようにすること」です。深く眠りすぎると、目覚めたあとも眠気がとれない「睡眠慣性(すいみんかんせい)」が起こってしまいます。「睡眠慣性」が起こるとスッキリ目覚められないので、パフォーマンスアップにつながりにくくなります。加えて、睡眠リズムが乱れてしまうため、夜の睡眠にも悪影響が出てしまいます。以下に、昼寝をするときに注意したいポイントをまとめました。

 

横になって眠らない

副交感神経を優位にしてリラックスにするためには、以下の行動が効果的です。

ソファーや会社の仮眠スペースなど横になって眠れる環境があっても、横になって眠らないようにしましょう。横になって眠ってしまうと、リラックスすることで眠りが深くなるため、起きた後も眠気が残りスッキリ目覚められなくなってしまいます。椅子に座ったり机に突っ伏したりして、あえて寝づらい姿勢で眠るのがおすすめです。

 

睡眠慣性が起きないよう、30分以上眠らない

30分以上昼寝をしてしまうと、深い睡眠の段階で目を覚ますことになります。すると、脳が眠ったままで眠気がとれない「睡眠慣性」が起きてしまいます。

眠りの周期は、脳を休める深い眠りである「ノンレム睡眠」と、身体を休める浅い眠りである「レム睡眠」が交互に現れることで成り立っています。眠りにつくと、はじめに浅い段階のノンレム睡眠が現れ、次第に深くなるという仕組みになっています。昼寝を開始してから30分以内に起きると、ちょうど浅いノンレム睡眠の段階なので、睡眠慣性が起きにくく、脳の疲労も取れやすくなります。

 

眠る前にカフェインを摂る

カフェインには交感神経を刺激し、気分をスッキリさせる効果があるので、昼寝をする前にカフェインを摂ると気持ちよく目覚めやすくなります。目覚めた後ではなく、昼寝をする前にカフェインを摂ったほうがいい理由は、カフェインが血液中に取り込まれ、効果が出るまでには2030分かかるためです。カフェインを摂ってから効果が出るまでの時間差を利用しましょう。コーヒーやお茶を飲んでから昼寝をし、カフェインが交感神経を刺激し始める時間に起きると、スッキリ目覚めることができます。

 

15時までに昼寝をする

15時以降に昼寝をすると、体内時計のリズムが崩れて、夜になかなか寝付けなくなってしまうことがあります。正午から15時までに昼寝をするのがおすすめです

 

スムーズに昼寝をする方法

スムーズに昼寝をするためには、日中優位になっている交感神経を鎮め、適度に副交感神経を優位にすることが必要です。そのためには、音楽を聴いてリラックスすることが効果的です。目覚めるタイミングでは、後述する徐々に交感神経を優位にするために効果的な音楽を聴いてみましょう。気持ちよく目覚められます。

 

リラックスできる服装

昼寝をするときは、腕時計を外す、靴を脱ぐ、ネクタイやベルトはゆるめるなどしましょう。ゴムなどで髪を結んでいる場合は、できるだけほどいて眠ってください。

 

音楽を聴いてリラックスする

リラックス効果のある音楽を聴き、副交感神経を優位にすることでスムーズに眠りに入ることができます。

 

音楽で心地よく目覚める

目覚めたい時間にアラームをセットし少しテンポのよい音楽を流してみましょう。すると、適度に交感神経を刺激してくれるため、スッキリ目覚めることができます。

 

音楽を聴くとスムーズに入眠できる理由

イヤホンで音楽を聴く女性

音楽には自律神経やホルモンなどに作用し、直接脳に働きかける力があるといわれています。眠りに入るときと目覚めるときに合わせて音楽を上手く使うことで、昼寝の効果が高くなります。以下に、音楽が仮眠に有効である理由をまとめました。

 

音楽が優位になりすぎている交感神経を鎮める

音楽には、優位になっている交感神経を鎮める効果があります。4000ヘルツ以上の高周波音を多く含む音楽は、聴覚神経から脳の延髄(えんずい)や視床下部などの神経系を経由して、聴覚連合野(ちょうかくれんごうや)に届けられます。視床下部は自律神経やホルモンを支配する部分で、延髄は副交感神経の出る場所です。つまり、このような音楽を聴くと、これらの場所を刺激するので副交感神経が優位になり、入眠しやすい状態になるのです。

 

起床時に交感神経を徐々に優位にする

昼寝のあとにスッキリ目覚めるためには、徐々に交感神経を優位にしていくことが重要です。大きな音で突然目覚めるなど身体に大きな負担を与えると急激に血圧が上がるので、避けたほうがよいとされています。

 

昼寝をするときに聴きたい音楽の種類と曲23選

ピアノの鍵盤

昼寝をするときには、カフェで流れているようなピアノ曲を聴いてみましょう。ピアノは打楽器と弦楽器の要素を併せ持った楽器です。タッチやテンポによってさまざまな音色を奏で、音の出始めが打楽器のようにはっきりしているという特徴があります。このため、適度に交感神経を刺激し、深く眠りすぎるのを防ぐ働きがあります。以下に、昼寝に適した音楽の特徴と曲をまとめました。

昼寝に有効な曲の特徴

昼寝前はスムーズな入眠を促し、昼寝後にはスッキリと目覚められる、それぞれに必要な要素を含む曲を選ぶのがおすすめです。以下に「昼寝をする前」「昼寝から目覚めるとき」に有効な曲の特徴をまとめました。

 

昼寝をする前

昼寝をする前は、リラックスして眠りに入りやすいような曲が適切ですが、熟睡しすぎないよう適度に交感神経が働いている状態にしておくことが必要です。適度に交感神経が優位な状態を保つためには、ゆっくりした曲調のピアノ曲が適しています。ゆったりとしたメロディーが眠りに誘いつつも、眠りに入った後もピアノのはっきりした音が適度に交感神経を刺激するため、浅い眠りをキープできます。

 

昼寝から目覚めるとき

昼寝からスムーズに目覚めるためには、交感神経を徐々に優位にしていくこと必要です。そのためには、やや速めのテンポのピアノ曲が適しています。アップテンポで奏でられるピアノは打楽器のように音がくっきり際立ち、適度に交感神経を刺激します。軽やかなピアノのメロディーで自然に目覚めることができると頭がスッキリし、昼寝の効果を実感しやすくなります。

 

昼寝に有効なクラシック音楽23選

今野先生によると、昼寝に有効なクラシック音楽は「ゆったりしたピアノ曲」「アップテンポのピアノ曲」だといいます。入眠前はゆったりとしたメロディーの曲を聴き、目覚めたい時間の少し前にやや速めの曲を聴いてみましょう。ここではピアニストの熊本マリさんがピックアップした昼寝に有効なクラシック音楽を紹介します。 

  1. S.バッハ:ゴールドベルク変奏曲 BWV988 アリア
  2. アリアーガ:ロマンス
  3. ロドリーゴ:アランフェス協奏曲
  4. ショパン:ノクターン 第2番 作品92
  5. モンポウ:ショパンの主題による変奏曲 テーマ
  6. モンポウ:ショパンの主題による変奏曲思い出
  7. モンポウ:静かな音楽(第1番)
  8. モンポウ:秘密 内密な印象より
  9. モンポウ:悲しい鳥 内密な印象より
  10. ニン=クルメル:鳥の歌
  11. ニン=クルメル:バスクの歌
  12. ショパン:プレリュード 作品28 15番 「雨だれ」
  13. バルバトル:ロマンス
  14. ビゼー:オペラ「カルメン」より 間奏曲
  15. ビゼー:オペラ「カルメン」より ハバネラ
  16. ドビュッシー:月の光 ベルガマスク組曲より
  17. ドビュッシー:亜麻色の髪の乙女 前奏曲第1集より
  18. アギーレ:哀しみ No.4
  19. マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」 間奏曲
  20. J.S.バッハ:メヌエット BWV114
  21. ポンセ:間奏曲 第1
  22. ショパン:ノクターン第20番「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ」
  23. J.S.バッハ:ゴールドベルク変奏曲 BWV988~アリア

 (ピアノ:熊本マリ)

 ※同じ作曲者の曲でも、演奏者や指揮者が違うものは曲の印象が変わります

 

CDタイトル>

専門医と音楽家が選ぶ睡眠クラシックシリーズ
脳の疲労をとり効率UP|お昼寝クラシックー自律神経が整うー

脳の疲労をとり効率アップお昼寝クラシック

  • 発売元(キングレコード)
  • 定価:1800円(税別)

 

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選曲者 | 熊本 マリ(ピアニスト)

大阪芸術大学演奏学科教授。チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、ヨセフ・スーク&スーク室内オーケストラ、カイロ・オペラ・オーケストラ、ベネズエラ交響楽団との共演や、スペインやプラハ、エジプトのアレクサンドリアやヨルダンのアンマン、ブエノスアイレスでのリサイタルなど世界を舞台に活躍。国内でも、10年以上にわたってローム・リリック・セレクション全国ツアー、NHK「芸術劇場」のBSクラシックピックアップの司会を務め、クラシックをもっと身近に”をテーマとしたコンサートシリーズ「100万人のクラシック」などでは各地で好評を博した。CDはキングレコードより多数をリリース。
オフィシャルWEBサイト:www.marikumamoto.com/

監修者 | 今野 裕之(精神科医)

精神科医。精神医学、抗加齢医学を専門領域とする。001年日本大学医学部卒業後、同大学院修了。慶應義塾大学病院、日本大学医学部附属板橋病院で研修、都内の精神科病院に勤務。2011年~順天堂大学にて老化や認知症に関する臨床研究に従事、2012年~山形県鶴岡市の美咲クリニックにて「こころの健康外来」を開始。2012年~2015年まで西東京市精神科産業医を勤め、2014年より新宿溝口クリニックで栄養療法を実践。20165月よりブレインケアクリニックを開業。心身のトータルケアと、より早期からの認知症予防治療に取り組んでいる。20182月、日本ブレインケア・認知症予防研究所の所長就任。著書に「ボケない人の最強の食事術(青春出版インテリジェンス)」などがある。

Photo: Getty imagaes


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