3分の呼吸で睡眠改善! 時間がない人のための簡単呼吸法

忙しくストレスの多い現代人は心身の状態が安定せず、無意識のうちに身体が緊張状態にあることも多いそう。しかし、この緊張状態が睡眠にも悪影響をもたらすことは、あまり知られていません。

以前の記事では、緊張状態を解消する方法として、認知行動療法の治療の一環として取り入れられている「筋弛緩法」について紹介しました。
 
しかし、簡単な動きで心身をリラックスさせてくれる「筋弛緩法」でも、忙しくて続けることができない、また、続けてもあまり効果がないということも…。

そんな時はどうすればよいのか、「筋弛緩法」に代わる手法はあるのかなど、臨床心理士で早稲田大学人間科学学術院助教の岡島義先生に伺いました。

 

筋弛緩法がうまくできない…そんなあなたも大丈夫! すぐできる呼吸法

簡単な動きで心身のリラックス効果が得られ、睡眠にも効果があるとされる「筋弛緩法」ですが、既に不眠症という人は、効果を実感するまでに時間がかかることもあるようです。

また、全身に対して行えば1回15分ほどかかりますが、多忙のあまりそんな余裕がない人も。そうした場合、他に方法はないのでしょうか?
 
「通常、筋弛緩法がうまくいかない場合は、セッションの中で再度お教えして、もう一度チャレンジしてもらいます。それでもうまくいかないなら、また別の方法に切り替えることもあります」(岡島先生)
 
別の方法として、岡島先生がよく取り入れるのが呼吸法だといいます。
 
「6秒吸って、1秒止めて、6秒吐くというペースで、ゆっくりとした深呼吸を3~5分続けます。特に吐くときに意識を集中してください。また、深呼吸は睡眠前にリラックスした状態で座って行うと、気持ちも落ち着いていきます。忙しかったり身体を動かすのが苦手な人も、これなら簡単に取り入れられると思います」(岡島先生)
 
息が続かない人は、4秒・1秒・4秒など長さを変えても問題ありません。吸って、吐いてという呼吸の波がなだらかになるよう意識することが、睡眠にも良い影響を与えます。

 

「バイオフィードバック法」で筋肉の状態を知る

また、呼吸法とは別の方法の一つに、「バイオフィードバック法」というものもあります。これは、患者さんの筋肉にセンサーを取り付け、力を入れた時と抜いた時で異なる音を発するというもの。

カウンセラーは患者さんの身体の状態と音を聴き分け、力が抜けているかどうかを伝えていきます。こうして患者さんと医師が互いにフィードバックを行いながら筋肉に力が入った状態・抜けた状態かを聴覚で把握し、患者さん自身に力が抜けている感覚を理解してもらうという方法です。

これはかなり大掛かりな装置を必要とするため、大きな病院で主に研究目的で行われているそう。
 
「バイオフィードバック法はゲーム感覚で楽しみながらできるので、筋弛緩法をやろうと思って緊張してしまうような人には向いているかもしれません。ただ、かなり大きな機器が必要になるため、現在、治療で取り入れている病院はほとんどありません。研究では効果が出ているため、効果が期待できることは確かなのですが…。今後、機器の小型化などが進めば、今よりも身近に受けられるようになるかもしれませんね」(岡島先生)
 
身体を動かすのが苦手で、筋弛緩法もうまくできないかも…なんて不安を感じている人にとっては、さらなる研究に期待したいところです。

 

筋弛緩法を忘れちゃった! そんな日はどうする?

続いて、睡眠の前に筋弛緩法を行うと決めていたのに、ついつい忘れてしまったという時は、どうすればよいでしょうか。
 
「不眠症の人は心配性で真面目な人が多いため、いつもやっていた習慣が抜けてしまうことを必要以上に気にしてしまうことがあります。しかし、筋弛緩法を忘れてもそんなに不安になることはありません。毎日行うことに、こだわりすぎない方がよいでしょう」(岡島先生)
 
筋弛緩法を忘れてしまったら、また明日。行うのが難しければ、布団の中で呼吸法を試してみる……それくらいのゆる〜い考えで、無理せず続けていくことがしっかりと睡眠時間を確保するための近道なのかもしれません。
 

photo:Thinkstock / Getty Images

岡島 義

監修

博士(臨床心理学)

岡島 義

認知行動療法および睡眠心理学を専門とし、睡眠問題が及ぼす精神・身体症状、対人関係、社会生活への影響について研究を続けている。主な著書に、『薬を手放し、再発を防ぐ 認知行動療法で改善する不眠症』(すばる舎)、『4週間でぐっすり眠れる本』(さくら舎)など。

東京家政大学 人文学部心理カウンセリング学科 准教授


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