睡眠時の心拍数は上昇する?快眠には心拍を意識した呼吸法が大切

腹式呼吸などの「呼吸法」を活用することが、健康によいという話を聞いたことがある人は多いかもしれませんが、睡眠時にも心拍数を意識した呼吸法が大切なのだそう。

睡眠や睡眠中の身体によい影響を与える呼吸とは、どのようなものなのでしょうか?睡眠の質を高めてくれる、心拍数を意識した呼吸法の身につけ方をご紹介していきます。

 

心拍を意識した呼吸が、睡眠の質を高める

呼吸は、心拍や血圧と密接に関係しているので、よい睡眠のためには、それらをいかにスムーズに“休息モード”に切り替えてあげるかが大切」と、呼吸法によるストレス緩和のメカニズムを研究する愛知学院大学の榊原雅人先生。

例えば、睡眠前にゆっくりとした呼吸をすることによって心拍変動が活性化されると、血液循環がよくなり、リラックス状態でよく眠れるようになる…それは、呼吸によって心身が休息モードに入りやすくなった証拠なのだそう。

「呼吸と心拍は連動していて、息を吸うと心拍数が上昇し、吐くと低下します。これを『呼吸性不整脈』と呼ぶのですが、睡眠中はその状態が顕著に現れるんです。息を吸ったときに心拍数が上がると、肺の中に酸素や血液がたくさん送り込まれます。これによってガス交換(酸素の取り込みと二酸化炭素の排出)の効率が高まるのですが、一方で息を吐いたときに心拍数を下げることで心肺のエネルギー消費を節約することができます。このような働きを通して身体は積極的に休息(回復)を図ろうとしているのです。」(榊原先生)

快眠という観点では、一晩の睡眠で、どれだけ心拍の上下幅(揺らぎ)をつくれるかが重要になります。心拍の揺らぎをつくるためには、「睡眠前に意識してゆっくり呼吸する」ことがポイントなのだそう。

「寝ている間に呼吸をコントロールすることは無理なので、普段から心拍変動を大きくする呼吸法をトレーニングしておくと、入眠時にスッと深い睡眠に入りやすくなるはずです。例えば、ゆっくりと息を吸って、ゆっくりと吐く。それを繰り返すだけで、自ずと心拍の揺らぎの幅を大きくする感覚が身につくようになります」(榊原先生)

 

1日20分のトレーニングで呼吸法を身体に植えつける

では、心拍変動を大きくする呼吸を会得するために、具体的にどのようなトレーニングをすればよいのでしょうか?

1分間に6呼吸(10秒に1回)を目安に、ゆっくりした呼吸をしてみてください1日に約20分間続けると、心拍変動を大きくする呼吸法が身につくようになるはずです。ただしかなり負荷が高いトレーニングなので、20分1セットではなく、通勤中や休憩中など、1日のスキマ時間を使って、5分ずつ4回に分けて行うのがおすすめです。慣れないうちは呼吸の回数を増やしてもよいかもしれません」(榊原先生)

この呼吸法を普段からトレーニングしておき、寝床に入って「眠れないな」と感じたときに実践すると入眠の手助けになるそう。

「リラックス効果も見込めるので、強いストレスを感じているときなどにやると効果的です。ただし1度やっただけでは効果が見込めないので、継続してトレーニングすることをおすすめします」(榊原先生)

また確実に心拍変動を大きくするためには、“目で確かめながら呼吸する”方法も有効とのこと。

「感覚としてはできているつもりでも、心拍の変化はわかりにくいものです。そんなときは、スマートフォンのアプリなどを使って、心拍を数値化やグラフ化してあげるとよいかもしれません。視覚から情報が入ってくるので、より正確に呼吸を整えられますし、心拍をコントロールできている(リラックスできている)という暗示効果も得られて効果的です。海外では専用の機器が販売されており、国内で手に入れるのは難しいのですが、インターネットで購入することも可能ですよ」(榊原先生)

1日20分、1分間に6呼吸。「心拍を意識した呼吸法をトレーニングすれば、自然と心拍の上がり方、下がり方の幅が大きくなり、それが体系づいていくはずです」と榊原先生。そうなれば、なかなか寝つけない夜から解放される日を迎えられるかも!

photo:Thinkstock / Getty Images

榊原 雅人

監修

博士(文学)・臨床心理士

榊原 雅人

愛知学院大学 心身科学部 教授


※体験談は個人の感想であり、特定の効能・効果を保証したり、あるいは否定したりするものではありません。
編集部内で信頼できると判断した情報、並びに医師や専門家への取材を元に信頼性のある情報提供を心がけておりますが、自己の個人的・個別的・具体的な医療上の問題の解決を必要とする場合には、自ら速やかに、医師等の適切な専門家へ相談するか適切な医療機関を受診してください。(詳細は利用規約第3条をご確認ください)

眠りのQ&A

記事がありません