SNS疲れ、エゴサは不眠の原因。ネットとのつき合い方とは(中川淳一郎)

「NEWSポストセブン」などネットニュースの編集者であり、ベストセラーとなった『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『夢、死ね! 若者を殺す「自己実現」という嘘』(星海社新書)など数々の著書を執筆する中川淳一郎さん。眠れぬ日々を過ごした広告代理店時代の生活習慣や、現在の睡眠スタイル、さらには眠れない夜を減らすためのSNSとの上手な付き合い方などについてお話を伺いました。

こちらの記事は 2017524 に公開されたものです。リニューアルに伴い、再更新しました。

残業300時間! 広告代理店時代に経験した眠れない日々

中川淳一郎さん

 

──話題となった近著『電通と博報堂は何をしているのか』(星海社新書)をはじめ、数々の著書で広告代理店時代の仕事について執筆してきた中川さん。当時は、睡眠時間を削られるほど残業に追われることがしばしばあったそうですね。  

 

中川さん「物理的に仕事量が多く、常に会社にいなければならない状況だったのがキツかったですね。退職のきっかけにもなった入社4年目の2000年10月は、ちょうど某大手商社のPRチームに配属されたときで、残業は月300時間。10月16日から10月31日まで家に帰った回数はたったの4回きりでした。当時は20代の若手だったので、あらゆることをやらされていました。

例えば、何かイベントをやることになった場合、まず台本を作るのですが、それをクライアントに見せると、途中で『出席者があと1人増えるかもしれない』と言われる。地方から来る出席者が増えれば、ホテルの手配もしなくてはいけない。イベントで使うインカムも追加しなければならない。こうした細かい作業や調整がイベント当日まで延々と続くので、外注先も含め、若手スタッフは疲弊していくんです」

 

──煩雑な作業が次々にわいてきて、帰れなくなるのが残業の原因だったんですね。  

 

中川さんたくさん寝たいなら偉くなれってことだと思います。先輩の中には『私が眠っていないんだから、お前も眠るな!』って無茶を言う人もいましたけど、飲み屋に行くと大抵テーブルに突っ伏して眠ってしまう(笑)。きっと、他の人も『眠っていない』と言いながら移動時間やトイレなどで居眠りしているはずです。だって、トイレの個室が30分も開かなかったりするじゃないですか。睡眠時間を削って無理に仕事をしていても、どこかで限界が来て糸が切れたように眠ってしまうんです」

 

眠気を一瞬で覚ます方法とは?有識者に訊くバレずに使える対策【仕事中に眠い時の対策】1分仮眠法で仕事効率を上げるコツとは  

 

──そんな過酷な広告業界ですが、もともと憧れて就職したのですか?  

 

中川さん「違います。そもそも電通や博報堂といった会社名って、就職活動の時期になって初めて入りたい会社として名前が挙がるものじゃないですか。中学・高校のときにソニーやトヨタ、任天堂の名前は挙がっても『将来、電通か博報堂に入りたい』って言う同級生なんて、いなかったでしょう?」

 

──広告代理店は事業の実態がつかみにくい部分がありますからね。  

 

中川さん「私も学生時代は、広告代理店が何を生業にしている業種かなんて知りませんでした。それまで私は、各メーカーが自分たちでCMを作っていると思っていましたし。大学のサークルの飲み会に来た先輩から『いま電通とかを受けていてさ~』と言う話を聞いて、初めてそういう会社があるんだってことが分かったぐらい。

商学部だったこともあって、所属していたゼミの先輩が8人も電通と博報堂を受けていた。『なるほど、私たちのゼミはその会社を受けるものなんだ』って気持ちになって、博報堂の就職試験を受けました。実は、広告代理店に就職したのは、その程度の理由しかなかったんです」  

 

1997年に博報堂へ入社したものの、激務に加えて有名私大出身者たちのオシャレなノリについていけず、さらには出世するのは無理だと悟り2001年に退社した中川さん。その後、無職の期間を経てフリーライターとして活動を開始します。

 

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中川淳一郎さん

インタビュー

中川淳一郎さん

1973年東京都生まれ。立川市出身。1997年、博報堂に入社してPR業務に携わる。2001年に退社後は『日経エンタテインメント!』のライターや『テレビブロス』のフリー編集者を経てネットニュースの編集者に。2009年に話題となった『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)を始めとして著書多数。近著に『電通と博報堂は何をしているのか』(星海社新書)。


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