どこでも眠るタフさ。フォトグラファー・ヨシダナギのアフリカ旅行術

アフリカ少数民族を美しく、スタイリッシュに撮り続けるフォトグラファー・ヨシダナギさん。裸で暮らす民族の撮影を行うときは、自身も彼らと同じ姿で撮影するなど、郷に入れば郷に従う柔軟なスタイルで、現地の少数民族の姿を撮り続けています。
 
そんなヨシダさんがこれまでに旅をしてきたアフリカの国々は、日本の常識がまるで通用しない異世界ばかり。しかも現地の人たちは、厳しい環境の中でも、もれなく快眠生活を送っているのだとか…。
ヨシダさんがアフリカを旅する中で気づいた、アフリカ人が不眠にならない理由とは?

 

マサイ族に魅せられて…英語も話せないままアフリカへ

マサイ族に魅せられて…英語も話せないままアフリカへ
ヨシダさんがアフリカと出会ったのはなんと5歳のころ。テレビ番組で見たマサイ族の姿に「かっこいい!」と憧れ、いつか自分もマサイ族になりたい、と夢を抱いたといいます。
 
やがて、マサイ族は職業ではなく、なれるものではないと知りますが、それでも、「いつかアフリカに行きたい!」という思いは抱き続けていました。そんなヨシダさんが初めてアフリカに渡ったのは2009年、ヨシダさんが23歳のころでした。
 
「それまでは家に引きこもりがちだったのですが、21歳でふと思い立って一人暮らしを始めたら、毎日が楽しく感じられるようになって、性格も明るく変わっていきました。そのおかげで、“もしダメだったらやめればいいや”と気楽に考えられるようになって、アフリカ行きを決意したんです」
 
念願のアフリカ初訪問。しかし、当時のヨシダさんは英語がほとんど話せない状態。エチオピアで合流したガイドも日本語が話せず、コミュニケーションにはかなり苦労したそうです。
 
「英語が話せないころは、電子辞書を持参して、そこに単語を打ち込んで意志を伝えていたんです。辞書の例文などから相手が意味を汲み取ってくれて、なんとかやりとりができました」
 
しかし、その方法では密なコミュニケーションをとることはできません。フォトグラファーとして少数民族の写真を撮りに行くようになると、彼らは決まったポーズしか取らないなど、ビジネスライクな対応しかしてくれず、思うような写真撮影ができませんでした。
 
それから3年ほどの間、旅行の回数を重ねながら英語を覚え、ようやく自分の意志を伝えられるようになったヨシダさんは、兼ねてからの信念を実行に移します。
 
小さいころから、なぜか“彼らと同じ格好になれば必ず仲良くなれる”と信じていたんです。なので、カメルーンの山岳地帯に住むコマ族の集落に行った際、そのことを伝えて、彼らと同じ姿になって撮影したんです」
 
裸で暮らす民族たちも、自分たち以外の大多数の他民族が、裸になることに羞恥心があるというのは分かっています。しかも、若い女性ならなおさら…。それでも裸になろうとするヨシダさんの心意気が伝わり、彼らなりの方法で大歓迎してくれたそう。こうして撮影された写真は、少数民族の凛とした力強さや美しさを感じさせる、芸術的な作品になりました。
 

マサイ族に魅せられて…英語も話せないままアフリカへ
マサイ族に魅せられて…英語も話せないままアフリカへ

 

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ヨシダナギさん

インタビュー

ヨシダナギさん

1986年生まれ、フォトグラファー。独学で写真を学び、2009年より単身アフリカへ。アフリカをはじめとする世界中の少数民族を撮影する。TVや雑誌などメディアに多数出演するほか、2017年には日経ビジネス誌「次代を創る100人」に選出。近著は、写真集『SURI COLLECTION』(いろは出版)、『ヨシダ、裸でアフリカをゆく』(扶桑社)。


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