しかし、現代では「保育士って過酷で大変そう」というイメージがありますよね。てぃ先生自身、かなりの短時間睡眠を送っているそうですが、なんと「これまでストレスをほとんど感じたことがない」とか。ハードな保育の現場でも仕事を楽しくこなす秘訣を伺いました。
「保育士って意外と楽しい!」と始めたツイートが大ブレイク

処女作『ほぉ…、ここが ちきゅうの ほいくえんか』をはじめ、漫画『てぃ先生』など、ツイッターの内容が次々と書籍化されるほどの一大ムーブメントを巻き起こしています。そんな子どもたちの恐るべき発想と芸人顔負けの笑いのセンスがたっぷり詰まったエピソードの一部をご紹介しましょう。
お散歩の準備中、男の子が「てぶくろ わすれた」と言うので「先生もない!同じだね!」と言っていると、女の子(6歳)が「◯◯くん、かしてあげる」と、その手には片方の手袋。「かたっぽ さむいじゃん」と言う男の子に「てぇ つなげば いいじゃん」と手袋のない手を差し出す女の子。ドラマかよ。
— てぃ先生 (@_HappyBoy) 2016年12月29日
男の子(4歳)が嬉しそうに「サンタさんに おくすり もらった!」と言うので訳が分からず、お迎えにきたママへその話をしたら、どうやらクリスマス前にママが風邪を引いたそうで、「やっぱり『ママが げんきに なってね』って サンタさんに おねがいする!」と言い出したそう。もう本当に天使。
— てぃ先生 (@_HappyBoy) 2016年12月27日
お散歩中、手をあげて横断歩道を渡ったあと、男の子(4歳)が「せんせい、なんで はーいって てぇ あげるんだっけ?」と聞くので「頑張って思い出してごらん」と言ったら、「えっとね…」と少し考えたあと「くるま きたら あぶないから、ギュッて てで とめる!!!」って。化け物かよ。
— てぃ先生 (@_HappyBoy) 2016年12月19日
読んでいるだけで心がほっこり温まるツイートの数々。同時に「子どもってこんなこと考えてたの?」と感心しますが、てぃ先生がツイッターで子どもたちの様子をつぶやき始めたのはそんな「子どものすごさ」に気付いてほしかったからだといいます。
「新聞やウェブを見ると、保育や子育てに関して『過酷』『つらい』といった暗いニュースがあふれていますよね。確かに保育士になってみると、世間一般でいわれるネガティブな一面を実感することもあります。
でも、子どもたちはときに大人の想像をはるかに超えるひらめきで日々新しい驚きを与えてくれる、そんなポジティブな面をもっと多くの人に知ってもらいたいと思ってツイッターを始めました。1人でも多くの人に、子どもと保育の良さが伝わってくれたらうれしいですね」
そんなてぃ先生が保育士を目指した理由は、「子どもが好き」だったこと、そして「手に職をつけたい」という思いからだったそう。
「小さいころ、父が毎日ぐったり疲れて帰ってくるのを見て『会社勤めは嫌だな』と漠然と思っていたんです。できれば手に職をつけられて、しかも自分の好きなことがしたいな、と。思えば、昔から友人と遊ぶより友人の弟や妹と遊ぶ方が好きで、子どもと直接話せて一緒に遊べる仕事ってなんだろうと考えたときに保育士が浮かんだんです。はじめは『保育士って1日中遊んで終わって楽しそう』なんて気楽に思ってたかも。現実は甘くなかったですけどね(笑)」
根っからの子ども好きが高じて保育士になったてぃ先生。しかし、思っていたよりもハードな仕事に睡眠時間は激減してしまったのです。

関東の保育園に務める男性保育士。園児のかわいい言動や発想、やりとりを綴ったツイートが反響を呼び、Twitterのフォロワーは39万人を越える。保育園でのやりとりをまとめた書籍「ハンバーガグー!」、「ほぉ…、ここが ちきゅうの ほいくえんか」(ともにKKベストセラーズ)、漫画「てぃ先生」(1〜4巻以下続刊、KADOKAWA)など、いずれもベストセラーを記録している。
