【36時間連続更新13本目】深夜だし怖い話をひとつ

いよいよ深夜帯の時間になったので、少し怖い話をしたい。
「僕は寝れないわけだし、お前らも少しは寝れなくなった方が良いのではないか」と思ったからだ。

「そういう星の元に産まれた」としか思えないやつがいる。
みんなで旅行に行って、みんなでずっと同じものを食べていたのに何故かそいつだけ食中毒になるという摩訶不思議な出来事があったり、しょっちゅうモノを無くしたりする。要するにツイていないのだ。

そんなツイてない男、仮にA君としよう。
A君はツイてないとは言え、普通に勉強の出来る優秀な男で、当時は東京の某名門私立大学に通っており、
不景気な時代なのに某大手自動車メーカーから内定をゲットするような男でもある。

そんなA君、残念ながら学生当時に付き合っていた彼女がメンタル的なアレがちょっとアレな感じ、
奥ゆかしいというかわだかまりがあるというか威風堂々というかなんというか、メンタルがヘラクレス、要するにメンヘラなアレだったわけである。

束縛がひどい
毎晩電話に付き合わされる
言うことを聞かないと発狂して暴れる

などなど。

そんな彼女とA君の付き合いはもう何年にもなり、なだめすかしておだてても症状はいっこうに改善せず、
これまでに何度も何度も別れ話はしたのだけど、その都度「死んでやる!」などと暴れるので結局ナアナアのまま、
ズルズルと関係を続けてしまっていたのである。

しかしながら就職活動を終え、卒業も間近。
皆がうらやむような一流企業への就職を控えたA君には未来がある。
それに配属先が東京であるとも限らない。
「今のうちに関係を清算しなくては」と一念発起して彼女に挑んだのである。

「別れよう」

「嫌だ、死んでやる」

「でも、もう一緒にやっていけない」

電話口でそんなやりとりを何十回、何時間もかけて繰り返し、
「お願い。捨てないで」そんな言葉に心を揺さぶられながらもA君、今回だけは最後まで我を押し通したのだ。

夕食時に始まった電話は結局翌朝まで続き、それでもずっと折れなかったA君に対し、その彼女は遂に「わかった。別れる」と言ったのである。

A君は少しの罪悪感を感じ、彼女に対して「ごめんね」と言う。

「しょうがないよ。謝らないで」

「うん」

「じゃあ、Aの家にある私の荷物だけまとめておいて。今晩取りに行くから」

「わかった」

今までさんざん振り回されたとは言え、長年連れ添ってきた彼女だ。
情みたいなものは当然ある。
一抹の寂しさを覚えながら、A君は彼女の荷物をまとめた。

「ピンポーン」

夜になってインターホンが鳴り、彼女が入って来る。

「あ、玄関に荷物まとめておいたから」

A君はそんな風に言いながら、パソコンに向き合い、レポートの作成に戻る。
「ここで変にコミュニケーションを取ってしまうと、また関係が戻ってしまうかもしれない」
A君は彼女に対し、あえてそっけない態度を取っていたのだ。

「トントン」

A君がヒザを叩かれる。
彼女の方を見る。

「トントン」

またヒザを叩かれる。彼女を見る。手に包丁を握っている。

A君が「トントンと叩かれた」と認識していたものは、
彼女がA君のふとももを包丁で突き刺す感触だったのである。

「うわーーーーー!!!!」

A君は慌てて彼女にとびかかり、彼女の包丁を奪い取った。
そして彼女はバッグから2本目の包丁を取り出す。

「一緒に死んでよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

彼女を突き飛ばし、叫び声を挙げ、血まみれのまま部屋を飛び出すA君。
近くの交番に飛び込み、事情を話して救急車を呼んで貰う。
その後自分の部屋に突入したおまわりさんは、血まみれになりながら包丁を振り回す彼女の姿を見たのだという……。

もちろん彼女はその場で逮捕され、A君は入院。
幸い傷は浅く、命に関わるような傷でもなかったので思いのほか退院は早かったらしい。

警察による事情聴取も並行して行われたが、内定先に事件が知れる事を恐れたA君は被害届を出さず、
先方の両親と示談書を交わす事になった。

そんな経緯もあって彼女は釈放され、今でも元気に活動しているらしい。

A君
「その時の彼女のアカウント、たまに見てるんですけど、なんか若い男の子とのツーショット写真とか載せてるんですよ……あれが、新しい彼氏なんすかね……」

その「新しい彼氏」とは、あなたの事かもしれない……。

※割とマジの実話です。つーかそんな奴野放しにすんなし


※体験談は個人の感想であり、特定の効能・効果を保証したり、あるいは否定したりするものではありません。
編集部内で信頼できると判断した情報、並びに医師や専門家への取材を元に信頼性のある情報提供を心がけておりますが、自己の個人的・個別的・具体的な医療上の問題の解決を必要とする場合には、自ら速やかに、医師等の適切な専門家へ相談するか適切な医療機関を受診してください。(詳細は利用規約第3条をご確認ください)