ストレスがたまった夜にやりたい3つのこと【専門家コラム】

ストレスがたまった夜にやりたい3つのこと【専門家コラム】

ココロの悩み
ストレス体内時計寝る前にやること

自分のストレス状態は意外に自覚しにくいもの

「ベッドに入ってもなかなか眠れない…」「途中で起きてしまい、熟睡できない…」。日頃こんな感じを覚えていませんか?

もしそうなら、自分のストレス状態を一度よく振り返ってみましょう。

ストレスがたまった夜にやりたい3つのこと【専門家コラム】

 

悩みごとや人間関係の問題を抱えていたり、休む暇もなく仕事に追われていたり…こんなストレスを抱えていたりすると、心身は常に緊張した状態になります。

すると夜中、就寝する時間を迎えても「副交感神経」という心身をリラックスに導く自律神経が働きにくくなり、不眠の状態になりやすくなってしまうのです。
 

そのため、十分な睡眠をとるには、日頃からストレスをためないように心がける必要があるのですが、「自分がストレスの多い状態にあるのか否か」――このことには自分自身では気づきにくいものなのです。

なぜなら、過剰なストレスによって心身に負荷がかかり続けると、アドレナリンや副腎皮質ホルモンなどのストレスに抵抗する物質が分泌され、心身が過剰にエネルギッシュな状態になるからです。
 

すると、睡眠時間を削っても頑張れてしまったり、「自分はストレスに打ち勝ったのかも」という妙な自信が湧いてきたりします。

こうして自分の健康を過信しさらに頑張り続けてしまうと、いずれは心身がダウンし、うつ病や心臓疾患、脳血管障害などの病気を発症してしまうことがあります。こうして健康を壊さないためにも、日頃から上手に心身の緊張を解放させ、睡眠がとれる状態を維持していくことが必要になります。
 

心身の緊張を解き、快適な眠りを得るための3つのポイント

では心身の緊張をオフにして心身を休ませ、心地よい眠りを得るためには、何を心がけるとよいのでしょうか? お勧めしたいポイントはたくさんありますが、ここでは3つご紹介しましょう。

 

1)就寝前1時間の「ゆったりタイム」を楽しむ

少なくとも就寝の1時間前までには、食事や入浴、翌日の準備などの「やるべきこと」をすべて終わらせ、ゆったり過ごせる時間を確保しましょう。

心身が「オンモード」から「オフモード」に切り換わるまでには、少し時間がかかります。電気のスイッチのように、瞬時に転換させることはできないのです。

就寝前にダラダラし、のんびり体をストレッチさせたりして過ごすと、心身の緊張がほどよくオフモードに導かれ、眠気が生じてきます。

 

この就寝前の「ゆったりタイム」を確保するためには、「これは今日中に終わらせておきたかった!」と思うことがあっても、あらかじめ決めた時間にさっと作業をやめ、「明日できること」は翌日に延ばすことがとても大切です。

これは、仕事や家事、勉強、趣味、ネットやチャットなどのすべてのことに当てはまります。

特に、好きなことや得意なことをしているときには時を忘れてのめりこみ、心身に過剰な負荷がかかっていることに気づきにくくなるものです。

したがって、「あともう少し!」と感じたときこそ意識して手を休め、オフモードの準備を始めることが大切です。

 

2)電灯を暗くして「メラトニン」の分泌をうながす

就寝時間に眠気が生じるには、睡眠促進ホルモンと呼ばれる「メラトニン」が正常に分泌されている必要があります。

メラトニンは通常、朝目覚めて太陽の光を浴びてから15時間前後経過すると分泌が始まると言われています。6時頃に朝日を浴びれば、夜9時ごろには徐々に眠気が生じ始め、11時頃には入眠したくなるのが自然な体内時計の流れなのです。

 

しかし、メラトニンが分泌されるべき時間になっても強い光を浴び続けていると、この分泌が妨げられ、眠気を生じにくくなってしまいます。

たとえば、夜9時を過ぎてもさんさんと輝くライトの下で過ごしていると、メラトニンの分泌が妨げられ、眠くなりにくくなってしまうのです。

さらにパソコンやスマートフォンなどから発せられるブルーライトを見つめ、PC作業やメールなどに夢中になっていると、メラトニンの分泌が低下するだけでなく心身が興奮し、さらに眠気は生じにくくなってしまいます。

 

したがって、夜9時頃になったら部屋の電灯をフロアライトなどの薄明かりに切り換え、メラトニンの分泌を妨げないようにすることが自然に入眠するためには必要です。

 

3)今日1日の「よかった探し」で安心感をアップ

いつも不安な気持ちやいらだちなどを抱えたまま、ベッドに入っていませんか? その気持ちのままで就寝すると興奮が続き、なかなか眠気が訪れないと思います。

「布団には悩みごとや心配ごと、怒りを持ち込まない」――これは良い眠りを得るための鉄則です。不安やいらだちが止められないときには、一度布団から出て、深呼吸をしてみましょう。

 

そして、今日起こった「良いこと」を数えてみましょう。「今日も1日無事に過ごせたなぁ」「今日は〇〇さんにお世話になり、ありがたかったなぁ」――こんな安心感でハートを満たしてあげると、気持ちがすっとリラックスし、安眠へと導かれていくでしょう。
 
「なかなか入眠できない」「熟睡できない」という方は、ぜひ上記の3つのポイントを実行してみてください。快適な眠りを得るには、まず眠りを促進するための行動を工夫することが大切です。

photo:Getty Images

 

大美賀 直子

執筆

精神保健福祉士・産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大美賀 直子

早稲田大学教育学部を卒業後、出版社やIT関連企業に在籍し心身の健康等の編集の仕事に携わり、独立。メンタル領域専門のコラムニストとして、ストレスや心の健康、対人関係、モチベーション等に関する執筆活動、講演活動を行う。同時に心理カウンセラー、研修講師としても活動し、メンタルヘルス支援企業「(株)ハートセラピー」に所属。法人向け研修、労働者や大学生へのカウンセリングを行っている。雑誌・新聞等メディアへの出演も多く、著書多数。『長女はなぜ「母の呪文」を消せないのか』(さくら舎)、『なぜあの人の働き方は「強くて美しい」のか?』(明日香出版社)などの書籍を出版している。

(株)ハートセラピー

Site: http://www.heart-t.co.jp/


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