うまくいけば明るい時間帯を有効に使え、省エネにもなりますが、健康上の問題もあります。

サマータイムは、日照時間の長い夏の間、社会全体で時計の針を1時間早めて生活しようというものです。明るく、涼しい時間帯から活動できるため、省エネに効果があるほか、早く仕事が終われば余暇の時間を取れるなど、経済効果も期待できます。
日本では1948年から1951年まで取り入れられていましたが、生活リズムの乱れ、労働時間の増加などの問題が発生し、国としての取り組みは廃止となりました。
現代でも、時計を調整するコストがかかることや、始業が早くなる分、労働時間が長くなる可能性があることなどから、一律に導入することは難しいと考えられています。
それ以上に、ある時点で一斉に時計(社会時計)の針を進めると、生体リズムが狂ってしまい、健康への悪影響が懸念されます。生物時計を急にずらすことはできないのに、それを無視して社会時計だけを動かせば、適応できずに体調を崩す人が出ても不思議ではありません。例えば、夏時間に移行する際には、1時間早く就寝することが必要です。もし本格的に導入するとすれば、少しずつ睡眠のタイミングをずらすための準備期間を設けることが必要になるでしょう。

 

(参考)日本睡眠学会からの声明 サマータイム-健康に与える影響-
http://www.jssr.jp/data/statement.html

季節によって睡眠リズムはどう変わるのでしょうか。

監修:山仲勇二郎先生
北海道大学大学院 医学研究科 生体機能学専攻 生理学講座 助教。主な研究分野は、環境生理学、時間生物学、睡眠科学。日本時間生物学会評議員、日本生理学会評議員。環境生理学グループ久野寧記念賞(2012年)、日本時間生物学会学術奨励賞(2014年)。国内唯一の時間隔離実験室を使用し、ヒトの生物時計を対象とした時間生物学研究に従事している。主な著書に『体内時計の科学と産業応用(株式会社シナジー 2012年)』、『からだと温度の事典(朝倉書店 2010年)』など。
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