時差症候群(いわゆる時差ぼけ)は、出発地の外部環境(24時間周期の昼夜変化)に合わせていた生物時計と到着地の外部環境の間で生じるずれが原因で起こります。

 

私たちの体内には、生物時計と呼ばれる、約24時間周期で時を刻む時計が備わっています。生物時計は、脳にある中枢時計と筋肉や肝臓といった末梢臓器にある末梢時計から構成されています。中枢時計は地球の自転による24時間周期の昼夜変化によって生来のリズムを24時間に合わせると同時に、末梢時計に時刻情報を伝えることで、昼間に活動し、夜間に休息するのに最適な体内環境を維持しています。

 

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【正常な(時差ぼけでない)状態】

生物時計と外部環境の時刻が合致していれば、昼間には、体温、血圧、心拍数が高くなり、夜になると睡眠ホルモンとよばれるメラトニンが分泌され、体温が低下し、スムーズに眠れるように体内の環境を調節します。

 

【時差ぼけ状態】

しかし、海外旅行など飛行機で高速移動すると、出発地と到着地では外部環境が急に変化し、生物時計と到着地の外部環境の間にずれが生じます。生物時計は、外部環境の急な変化に、すぐには合わせることができません。このずれが日中の眠気や夜間の不眠などの時差ぼけの原因となります。

時差ぼけはなぜ起こるのですか? 原因と対策まとめ

監修:山仲勇二郎先生
北海道大学大学院 医学研究科 生体機能学専攻 生理学講座 助教。主な研究分野は、環境生理学、時間生物学、睡眠科学。日本時間生物学会評議員、日本生理学会評議員。環境生理学グループ久野寧記念賞(2012年)、日本時間生物学会学術奨励賞(2014年)。国内唯一の時間隔離実験室を使用し、ヒトの生物時計を対象とした時間生物学研究に従事している。主な著書に『体内時計の科学と産業応用(株式会社シナジー 2012年)』、『からだと温度の事典(朝倉書店 2010年)』など。
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