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Fuminners(フミナーズ)読者のみなさんは、腰の痛みに悩んでいませんか? 実は、腰痛は国民の約2800万人が悩まされているともいわれる症状。年配者だけでなく、若い世代でも症状を実感している人は多いようです。そんな腰痛がつらいと感じたときの原因や対処法、腰の痛みを慢性化させないための予防法などをご紹介します。

 

腰痛とは?

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「腰痛」とは、病気の名前ではなく、腰周りに現れる痛みや張りなどの不快感の総称です。医師の診察や検査で腰痛の原因が特定できるものを「特異的腰痛」、厳密な原因が特定できないものを「非特異的腰痛」と呼びますが、現在、病院を受診する人の多くが非特異的腰痛です。
 
また、腰痛を語る上で欠かせないのが、身体を支えている「背骨」です。背骨の理想的な形状は、前後方向に緩やかなS字状のカーブを描いている状態。背骨がこの形になっていることで頭の重みが分散され、身体のバランスがとれるとともに、腰への負担を減らしてくれるのです。

腰痛の原因を探る

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腰痛の原因はさまざまですが、大きく分けて以下の3つが考えられます。

動作要因

日常的に腰に負担のかかる動きが原因になっているケース。
 
【具体例】
・重い物を持ち上げたり、降ろしたりする動作が多い
・腰を深く曲げたり、ひねったりすることが多い
・デスクワークや立ち仕事などで、長時間同じ姿勢でいることが多い

環境要因

身体が冷えてしまう環境、断続的に振動を感じる環境で過ごすことが原因になっているケース。
 
【具体例】
・寒い空間で長時間過ごすことが多い
・車の運転で身体が長時間振動にさらされている

個人的要因(年齢、性別、体格など)

年齢や基礎疾患の有無、精神的な緊張が原因になっているケース。
 
【具体例】
・運動不足、食べ過ぎなどで肥満傾向にある
・加齢によって筋力が低下している
・過度なストレスにさらされている
 
一般的に腰痛の原因は1つだけではなく、いくつかの原因が重複して症状として現れるケースが多く見られます。今、腰痛に悩まされている人は、当てはまるものはないか、上記の例を参考にライフスタイルを見直してみましょう。

腰痛に隠れた病気

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腰痛は、何らかの原因で神経に異常をきたしたり、腰以外の重大な病気がある場合にも起きることがあります。では、腰痛を伴う病気にはどんなものがあるのでしょうか?

腰痛を伴う腰の病気

腰痛を伴う病気には、以下のようなものが挙げられます。

腰部脊柱管狭窄症

背骨に囲まれた管状の空間(脊柱管)の周りの組織が変形し、脊柱管が狭くなるために起こる病気。腰痛や下肢のしびれなどが現れる。

筋・筋膜性腰痛症

主にスポーツ中の無理な姿勢が原因で起こる急性の筋肉・筋膜の損傷(いわゆる肉離れ)や、慢性的な腰部の筋肉疲労で筋肉の弾力性が失われ、断裂し、痛みを伴う症状。

腰椎椎間板ヘルニア

骨と骨の間にあるクッションの役割をする椎間板が飛び出して神経を圧迫する病気。痛みやしびれ、筋力低下や排泄障害などが起こる。

変形性腰椎症(腰部脊椎症)

加齢による椎間板などの変形が原因で起こる病気。主な症状は姿勢の悪化、神経の圧迫による神経痛など。起床時など、動き始めに強く痛みが出る。

腰痛は3つの視点から分析する

一口に腰痛と言っても、症状はさまざまです。自分の痛みの特徴をつかむことは、その原因と対策を探る上で重要なヒントとなります。痛みを分析するポイントは、「どんなときに痛むのか(タイミング)」「いつから痛むのか(期間)」「どこが痛むのか(部位)」の3点にあります。
 
下記を確認したらメモを取り、正確な診断のために医療機関を受診するようにしましょう。

タイミングの分析ポイント

腰痛は痛みが起こるタイミングも原因によって異なるため、どのようなときに痛むのかをチェックしておくことが早期改善につながります。安静時でも痛みがある場合は、内臓の病気やガンの可能性もあります。

期間の分析ポイント

痛みが出てから、どれくらいの月日が経っているのかを確認しましょう。痛みの出始めは急性腰痛と呼ばれ、3カ月以上も続くようであれば慢性腰痛といい、治療法も変わってきます。

部位の分析ポイント

腰のどのあたりが痛むのかを確認します。腰だけが痛いのか、下半身にも痛みがあるのかなど、痛みの場所を細かく記録してください

腰痛に悩んだときの対処法

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痛みがあると仕事のパフォーマンスが落ちたり、動くのすらおっくうになったりするなど、日常生活に支障が出てきます。そこで、一時的に腰の痛みを和らげる方法をご紹介します。

患部を冷やす or 温める

患部を冷やしたり温めたりすることで、痛みを緩和できます。冷やすか温めるかは、腰痛が急性か慢性かによって変わります
 
急性腰痛では腰の骨やその周辺の組織が炎症を起こすため、発症直後は冷やして炎症を抑えます。反対に、慢性腰痛は患部の血管が収縮して筋肉が凝り固まっているので、温めて筋肉の緊張をほぐしましょう。

ストレッチングをする

デスクワークや立ちっぱなしなど、同じ姿勢が続くときは背骨の自然なカーブが崩れやすく、腰に痛みを感じやすくなります。こまめに伸びをしたり、肩を回したり、腰をひねったりといったストレッチングをして筋肉の凝りをほぐしましょう。

痛み止めや湿布を使う

痛みがつらいときは消炎鎮痛剤が入った湿布薬や塗り薬を利用するのも一つの手。市販薬もありますが、病院で適正量を処方してもらうとより効果的です。

腰痛を予防するために

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痛みに悩まされないためにも、腰痛は日常的に予防することが大切です。それでは、予防のためにはどんなことをしたらいいのでしょうか?生活に取り入れやすいアイデアをまとめました。

正しい姿勢(S字姿勢)を意識する

腰痛予防のために日常生活で最も気をつけたいのが姿勢です。立つ、歩く、座るなど、動作一つひとつによって、腰の痛みは良くも悪くもなります。腰に負担をかけないためには、背骨の前後方向でのS字カーブが保たれた姿勢を維持することがポイント。以下の点に気をつければ、正しい姿勢をキープできるようになるので、ぜひ試してみてください。

目線を前方へ向ける

うつむき加減の姿勢や、猫背を解消するのが狙い。あごを引いてまっすぐ前を見る。

胸を張る

肩を開くイメージで自然に胸を張る。肩が前に入ってくると猫背になりやすいので、肩甲骨をくっつけるように意識します。

お腹とお尻に力を入れる

お腹とお尻の筋肉がゆるんでいると姿勢が崩れやすいため、お腹とお尻を引き締めるように意識して立ちます。

全身を使う運動をする

筋力が弱っていると腰の負担が増えることになるので、適度な運動をして筋肉を鍛えましょう。ただし、やりすぎはNG。ストレッチングやウォーキングなどの軽い運動に留めるようにしましょう。

腰に負担をかけにくい靴や鞄を選ぶ

何気なく選んでいる靴や鞄も、腰痛の原因になることがあります。外出時は靴や鞄の選び方に気をつけて、腰への負担を軽減しましょう。

靴選びのポイント

靴は自分の足に合った歩きやすいものがベスト。特に、以下の点を意識して選びましょう。
 
・靴の中で足の指を動かせるくらいのゆとりがある
・靴底に適度な弾力と硬さがある
・かかとを包み込むような構造になっている
・ヒールが低めで太く、歩行が安定する

鞄選びのポイント

鞄は、左右に均等に重みがかかるリュックサックがおすすめ。ショルダーバッグやハンドバッグを持ち歩く場合は、身体の片側だけに負担がかからないよう、こまめに左右を持ち替えるなどして重みが均等になるように意識してください

睡眠時の工夫で腰痛を予防するには

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朝起きたとき、腰や身体のあちこちが痛いと感じることはありませんか? 寝相が悪かったり、寝具が身体に合っていなかったりする可能性があります。

腰に負担をかけずに眠る方法

眠っているときの姿勢が原因で、腰痛になる人もいます。特に仰向けに寝るときは腰が反りすぎてしまうことがあるので、注意が必要です。
 
その場合は膝の下に折りたたんだバスタオルやクッションなどを入れ、軽く膝を立てるようにしましょう。背骨の自然なカーブが保たれ、腰の痛みも緩和されます。

寝具の選び方を工夫する

寝具は「横になったときに自分が快適と感じるか」を基準に選びましょう。昔は、寝具が軟らかいと身体が沈んで背骨のカーブが保てなくなるため、硬めの敷布団がいいと言われていました。
 
しかし最近では、硬すぎると痛みが起こりやすいとも考えられるようになり、体型や好みに応じた快適さを重視する傾向にあります。敷布団とベッドを比べると、ベッドの方が起き上がるときに楽だといわれていますが、敷布団のほうが楽だという人もいるので、一概にどちらがいいとは言えません。寝具は寝心地や好みで選ぶのがベター。ただし、寝返りを打てるように、幅は広めのものがおすすめです。

腰痛で医療機関を受診する場合

腰痛で医療機関を受診する場合

腰痛は自然に治ることもありますが、重大な病気の予防や再発を防ぐためにも、一度は整形外科を受診するのが理想的。整形外科での主な診察内容は、問診、視診、触診、画像検査です。問診の際に症状を的確に伝えるためにも、事前に痛みのタイミングや期間、部位、程度、気になるところなどをメモしておくと良いでしょう。
 
また、以下のような症状は病気のサインかもしれません。なるべく早めに受診しましょう。
 
・横になっていても激しく痛む
・よくつまずく、転びそうになる
・排尿・排便障害がある
・熱が下がらない
・麻痺やしびれがある
 
腰痛を解消するには、まずは原因を見つけることが大切。ライフスタイルや睡眠環境を見直したり、医師に相談したりするなどして早めに対処しましょう。
 
監修:坪田聡(雨晴クリニック副院長)

 

<参照>
『明解!あなたの処方箋 本気で治したい人の腰痛』菊地臣一
 
佐藤製薬
ヘルスケア情報 腰痛
http://www.sato-seiyaku.co.jp/healthcare/bone-muscle4.html
 
▼大日本住友製薬
ヒトはなぜ腰痛になるのか
http://kanja.ds-pharma.jp/health/yotsu/guide/01.html
 
腰部脊柱管狭窄症ってどんな病気?
http://kanja.ds-pharma.jp/health/koshimage/qanda_01.html
 
背骨と腰痛
http://kanja.ds-pharma.jp/health/yotsu/guide/02.html
 
腰痛をもたらす疾患
http://kanja.ds-pharma.jp/health/yotsu/guide/sick.html
 
▼厚生労働省
腰痛対策
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/shakai_d.pdf
 
国民生活基礎調査
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa10/3-1.html
 

photo:Thinkstock / Getty Images

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