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春になると、入学・就職などで、俗に「五月病」と呼んでいるうつになる人がいますが、実は、秋から冬にかけても気候など環境の変化でメンタルヘルスの不調を訴える人が多いことをご存知でしょうか?うつ病の中で最も季節性と深く関わっている「冬季うつ病(ウインターブルー)」は、日本ではまだ一般的な病名ではありませんが、緯度の高い北欧や北米ではよく知られている症状です。
 
今回はメンタルフードマイスターの筆者が冬季うつ対策にぴったりな心も身体も温まる「冬のおいしいメンタルフード」についてご紹介します。

意外と身近な『冬季うつ病』とは?

澄み切った青空を見上げると、なんだか明るい気分に、反対に曇りや雨の日には、沈んだ気分になることがあります。これは、私たちのメンタルヘルスが天候や季節に少なからず影響を受けており、心の健康を左右する要因になっているからです。これは季節型うつ病と呼ばれ、秋から冬にかけて発症するので「冬季うつ病」とも言われています。
 
冬になると毎年のように気分の落ち込み、長時間寝てしまう「過眠」、やたらと炭水化物や甘い物を食べてしまう「過食」と「体重増加」を感じるといったご経験はありませんか?もしかしたら知らないうちにあなたもこの冬季うつにかかっているかもしれません。ですが、温かい春になると自然にこれらの症状が改善されるので、自分が冬季うつになっていると気が付かない人もいるのです。

『冬季うつ病』のメカニズム

この冬季うつの主な原因は、「冬の日照時間の短さ」と考えられています。通常入眠物質のメラトニンは、太陽光を浴びてから約14時間後に分泌がはじまり、私たちを眠りに導き、朝、目が覚める頃に止まります。
 
その後、脳が夜の催眠状態(メラトニン)から朝の覚醒状態(セロトニン)にその働きをスイッチさせることでセロトニンの分泌を開始します。セロトニンとは、夜にはメラトニンを分泌させたり、精神の安定、過度な食欲の抑制、集中力を増進させるなど生活上欠かせない物質。これを活性化させるのが、目から入る太陽光の刺激ですが、太陽光が弱く、日照時間が短い冬では、その分泌量が減るので、メラトニンの分泌が乱れ、体内リズムを狂わせてしまうのです。
 
そのため日中起きていてもメラトニン抑制が上手くできなくなり、昼間も眠くなってしまったり、質の悪い睡眠によりメンタルヘルスの不調をきたし冬季うつをもたらすのです。

冬季うつ病の予防におすすめ!冬においしいメンタルフード

予防策は、まず積極的に太陽光を浴びること。光は直接光でなくてもOK。カーテンを開けて室内に日光をとりいれたり、通勤の電車の中では陽が当たる場所に座るなどちょっとした工夫で予防できます。
 
また、規則正しい生活や適度な運動とともに1日3回できるだけ決まった時間にセロトニンを増やしてくれるバランスの良い食事を摂ることを心がけてください。特にバナナや納豆を摂りいれた朝食はセロトニン不足を補い体内時計をリセットしてくれるので良い眠りにも導いてくれます
 
冬季うつ対策のおすすめメンタルフードは「鍋料理」。冬のおいしいほかほか鍋は心も身体も健やかにしてくれるやさしい料理です。特に野菜は生食より量も種類も多く摂取できます。煮込むことで野菜の栄養素がスープに溶けだし、最後の〆にご飯などの炭水化物を加えてスープと一緒に食べることでまるごとセロトニンの原料となるトリプトファンやトリプトファンの吸収に必要なビタミンB6、炭水化物や他の重要な栄養素も一度に摂取出来るのが鍋料理のいいところです。
 
トリプトファンを含む鍋に適した食材は以下の通り。冬が旬の食材をおいしく頂きたいですね。

お鍋におすすめの食材

野菜:大豆もやし・ブロッコリー・ダイコン・シュンギク・ニラ・ネギ・シイタケ・エノキダケなど
魚類:タラ、サケ、ブリやイワシやアジのつみれなど
大豆製品:豆腐・油揚げ・厚揚げなど

私の一押しは、トリプトファン豊富で女性にやさしい「ごま豆乳鍋」と腸内環境を整えてくれる「納豆キムチ鍋」です。また鍋のつゆなどの調味料を変えることで、多彩な味を楽しめさらに他の健康効果も期待できます。

おすすめレシピ①:ごま豆乳鍋

材料(2人分)

鶏もも肉      200g(1枚)
イワシのつみれ   4個(市販されているもの)
ミズナ       1/2袋
ミズナのみじん切り 1/4袋(最後に加える)
ハクサイ      300g(1/8個)
シイタケ      4個
ニンジン      1/2本
長ネギ       1本
絹ごし豆腐     1/2丁
油揚げ       1枚
ゴマ(白)     適宜(飾り用)
 
○無調整豆乳    3カップ(600cc)
○練りゴマ(白)  大さじ4
○すりゴマ(白)  大さじ2
○つゆの素     大さじ2

作り方

① 鶏もも肉ひと口大に切り、ミズナ・ハクサイは5cm長さに切ります。シイタケは飾り切り、ニンジンは輪切り、長ネギは斜め切り、豆腐、油揚げは食べやすい大きさに切ります。
② 鍋に豆乳、練りゴマを入れてよく混ぜ合わせる。練りゴマが豆乳にとけたらすりゴマ、つゆの素を加える。
③ すべての具材を鍋に入れて火にかける。
④ 具材に火が通ったら最後にミズナのみじん切りをトッピングしたら出来上がり。

Point

・豆乳は沸騰しないように中火で煮る。
・ミズナをみじん切りにして最後にトッピングすることで、コクのあるゴマ豆乳鍋が後味があっさりした鍋になります。

おすすめレシピ②:納豆キムチ鍋

材料(2人分)

白菜キムチ    150g
豚バラ肉薄切り  150g
タラ        1切れ
ダイコン     1/4本
ニンジン     1/2本
長ネギ      1本
ニラ       1/2束
エノキダケ    1/2袋
トウミョウ    1/4袋
厚揚げ      1/2枚
納豆       1パック
ニンニク(みじん切り)小さじ1(市販のチューブでも可)
ショウガ(みじん切り)小さじ1(市販のチューブでも可)
ごま油        大さじ1
 
○水         3カップ(600cc)
○中華だしの素    小さじ1と1/2
○みそ        大さじ1

作り方

① 豚バラ肉とタラはひと口大に切り、ダイコンはいちょう切り、ニンジンは輪切り、長ネギは斜め切り、ニラは5cm長さに切る。エノキダケ、トウミョウは根を落として5cm長さに切ります。厚揚げは食べやすい大きさに切り、ニンニク、ショウガは細かく刻んでおきます。
② フライパンにごま油を熱し、刻んだニンニクとショウガを炒める。香りがでたら豚肉を加えてさらに炒める。
③ 鍋に水、中華だしの素、味噌を入れて煮立てる。
④ 白菜キムチ・納豆・トウミョウ以外の材料を③に加え材料に火が通るまで煮る。
⑤ 最後に納豆、白菜キムチを④に加え、1分ほど煮たらトウミョウを加えて出来上がり。

Point

・白菜キムチはお好みで分量を増減してください。

 
お鍋を囲むと家族や仲間との団欒の時間になるだけでなく、リラックスして会話することでもセロトニンは活性化するのでメンタルヘルスケアにも良い影響を与えてくれます。心の健康のためにも、この冬、晴れた朝には散歩を、夜はこたつに入って家族や仲間と鍋パーティーをしてみてはいかがでしょうか?

photo:Thinkstock / Getty Images

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