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Fuminners(フミナーズ)読者の皆さんの多くが抱えているであろう、肩こりの悩み。ひどくなると、こりというより「痛み」を感じることもありますよね。マッサージで肩こりが軽くなったと思っても、気がつけばあっという間にまたガチガチに…。そんな日々を繰り返してはいないでしょうか?
 
多くの現代人を悩ませている肩こりですが、詳しい症状や原因は意外と知られていません。今一度、肩こりに対する正しい知識を身につけて、スッキリ快適な肩こり知らずの毎日を過ごしましょう!

 

そもそも肩こりとは何か?

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肩こりとは、首の後ろから肩、背中にかけての部位がこわばったり、重苦しく感じたりする症状の総称です。症状がひどくなると、頭痛や吐き気を伴うこともあります。

「肩こり」が生じる部位

肩こりと呼ばれてはいますが、その症状は首すじから背中にかけた広い範囲の筋肉に現れます。主に関係しているのは、首から背中の真ん中あたりにかけて逆三角形に広がる「僧帽筋(そうぼうきん)」という筋肉です。この部位が血行不良や過剰な負荷が原因で疲労が溜まり、硬直すると肩こりが起こります。

「肩こり」の自覚症状

肩こりになると、筋肉が張ったような感じや、重苦しさ、だるさを感じます。また、肩がこっているときは血流が悪くなったり、神経が圧迫されたりしているため、頭痛や吐き気をはじめ、手のしびれ、めまいといった症状が起きる可能性もあります。

「肩こり」を感じるのは日本人だけ?

実は英語には、「肩こり」を表す言葉がありません。辞書を調べると「stiff shoulder」という言葉がありますが、「shoulder」は主に肩の関節を表すので、ケガをして肩が上がらないなど、肩こりよりも深刻な状態を意味します。日本語でいえば「四十肩」「五十肩」などのほうが近いでしょう。
 
もともと、西洋医学には「肩がこる」という概念がありませんでしたが、最近ではパソコンやスマホの普及により、外国でも肩こりを訴える人が増えてきているそう。ちなみに肩こり解消法として日本でメジャーな「指圧」は、今では「shiatsu」として英語の辞書に載っています。

肩こりの原因と種類

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肩こりの原因は多岐にわたります。時には、肩こりだと思っていたら、実は別の病気だったということもあります。肩こりを感じる原因を知ることで「危ない肩こり」を見逃さないようにしましょう。

生活習慣が原因で起きるもの

「肩こり」の代表的な原因として挙げられるのが、下記のような生活習慣に起因するもの。肩こりを引き起こす生活をしていないか、自身の生活を見直してみましょう。

冷え

普段薄着で過ごしたり、夏に冷房の効いた部屋に長時間いたりして身体が冷えると、血流が悪くなり、首・肩・背中のこりや重苦しさ、だるさを引き起こします。

長時間同じ姿勢を続ける

長時間同じ姿勢でデスクワークなどを続けると、首・肩周辺の筋肉の緊張状態が続き、肩こりにつながります。

ストレス

肉体や精神にストレスを受けると、交感神経の動きが活発になり、筋肉が緊張状態に。それが原因となって肩こりが起こることがあります。

運動不足

日頃から身体を動かさない生活を続けていると、筋肉疲労が蓄積して血行不良が起こりやすくなり、肩こりにつながります。

眼精疲労

パソコンやスマホの画面を見る時間が長く、目を酷使する生活をしていると、目の筋肉の緊張や疲労が肩こりを引き起こすことがあります

疾患に伴って起こるもの

次に挙げる疾患は、肩こりが症状の一つとして現れることがあります。疾患の改善によって、肩こりが解消することもあります。

狭心症

動脈硬化により心臓を取り囲んでいる血管が詰まって、血流が悪くなり、心臓の筋肉が酸欠になってしまう症状です。胸が締め付けられるように痛むほか、心臓に近い左肩にも痛みが広がることがあります

貧血

貧血になると、酸素を運ぶ血中の「ヘモグロビン」が不足し、全身の組織に血液がうまく行き渡らなくなります。すると、首や肩の筋肉が酸欠状態になり、筋肉に疲労物質が溜まってしまって筋肉がこわばり、肩こりにつながります。

自律神経失調症

強いストレスで自律神経のバランスが乱れると、「自律神経失調症」と呼ばれる疾患に発展することがあります。頭痛、耳鳴り、口の渇き、疲れ目など症状は人によりさまざまですが、その一つに、血管が細くなって血流が悪くなることがあり、筋肉の血行不良が生じて肩こりを感じます

更年期障害

更年期障害になると、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが減少。ホルモンバランスが崩れ、さまざまな不調が現れます。血行不良もその中の一つ。エストロゲンが減少すると血流が悪くなり、さらに、加齢により筋肉が衰えてくるため肩こりの症状が現れやすくなります。

うつ病

実は肩こりは、うつ病の代表的な症状でもあります。うつ病になるほど過剰なストレスにさらされていれば、筋肉は常に緊張状態。筋肉がこわばることで、肩こりが症状として現れます。

整形外科的な疾患に伴い起こるもの

肩こりと思いきや、実はそうではないかもしれないという場合もあります。肩の張りなどと同時に痛みやしびれなどを感じるようなら、下記の症状を疑ってみましょう。

変形性頸椎症

頭を支えている骨、頚椎の椎間板が、疲労や老化によってすり減り、骨同士が直接ぶつかって様々な症状が起こる状態を総称して変形性頚椎症、または頚部脊椎症と呼びます。その症状の一つとして、肩こりが起こることがあります。

頸椎椎間板ヘルニア

変形性頚椎症にも関わる椎間板が、何らかの理由で飛び出してしまい、神経を圧迫してしまう症状。事故や長時間同じ姿勢を取り続けることで発症する場合があり、肩こりに似た痛みを感じることがあります。

肩関節周囲炎(いわゆる四十肩・五十肩)

加齢に伴い、肩関節やその周辺組織が炎症を起こし、痛みで可動範囲が狭まる疾病です。数カ月〜1年半ほどの長期に渡って続くこともあります。40〜50代の男女に多く見られることから、四十肩や五十肩と呼ばれています。

肩こりが誘発する症状

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さまざまな要因によって発症する肩こりですが、頻発しすぎて「もうどうにもならない」と治療・ケアを諦めてしまった人もいるのでは? しかし、肩こりによる影響は肩・首の痛みや不快感だけにとどまらず、意外な疾患につながってしまう危険性もあります

頭痛

肩こりからくる頭痛は、頭と肩を結ぶ筋肉が硬直することで起こります。肩・首の筋肉をほぐすと頭痛が軽くなるようなら、その頭痛は肩こり由来のものかもしれません

自律神経失調症

肩こりの原因となっている疾患として紹介しましたが、逆に肩こりを放置することで自律神経失調症を引き起こす恐れもあります。肩こりによって脳と自律神経を結んでいる首の血流が悪化し、自律神経に乱れが生じるためです。肩こりを放置していれば自律神経が乱れ、それを放置しているとさらに肩こりが悪化…と、悪循環に陥っている人も少なくありません。

めまい

肩こりにより首や肩周りの血流が悪くなると、頭部へ血液をうまく運ぶことができなくなります。すると酸素が脳に十分行き届かず、脳が酸素不足に陥り、めまいを起こすことに。

高血圧

高血圧のほとんどは肩こりによるものという説があるほど、実は血圧と肩こりには深い関係があります。肩こりによって血管が圧迫されて細くなっていると、その分、勢いよく血液を流す必要があるので、血圧が高くなってしまいます。

不眠

肩こりには自律神経が関わっているということは既に紹介しましたが、自律神経が乱れることで、本来はリラックスできるはずの夜にも交感神経が活発な状態が続きます。すると、なかなか寝つけないなど、睡眠にも悪影響を及ぼします。

肩こりを解消するには?

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様々な疾患に関連しているだけでなく、疾患の原因ともなってしまう肩こり。では、辛い肩こりを解消するには、どうすればよいのでしょうか?

ストレッチによる解消法

血行を良くするために、適度な運動を続けてみましょう。運動不足で筋肉が疲れやすい状態だと肩こりにもなりやすいため、定期的な運動で少しずつ筋肉を鍛えていけば解消だけでなく予防にもつながります。肩こりがひどい時は動かすと痛みを感じることもあるので、まずは簡単なストレッチから始め、徐々に運動強度を上げていくのがよいでしょう。

肩こりの原因となる筋肉の緊張をほぐすストレッチ

筋肉の緊張をほぐし、全身をリラックスさせます。
 
①両肩をぐっと持ち上げ、3〜5秒止める。
②一気にストンと力を抜いて肩を落とす。これを5回以上繰り返す。
※立った状態でも、座った状態でもOKです。

生活習慣による解消法

ストレッチだけでなく、肩こりを改善するためには生活習慣の改善も必要です。

お風呂による冷え対策

血行不良は肩こりを引き起こす大きな要因のため、肩こり解消には冷え対策が有効。最も簡単な方法は、お風呂にしっかり浸かって全身を温めて、血流をよくする方法です。さらに、蒸しタオルで患部を外側から温めたり、重ね着をして身体が冷えないようにするなどの工夫によって、さらなる効果が期待できます。

食事

前述の冷え改善とも関連しますが、なるべく身体が温まる食材を選ぶのがポイント。食材は、こちらの記事でも紹介している、小松菜や水菜、ほうれん草などの青菜類、大根の葉やカブの葉がおすすめです。
 
他にも、ショウガをはじめとしたスパイス類や、カボチャやニンジンといった根菜類にも身体を温める作用が期待できます。鍋やスープなど、温かい料理にして食べるとよさそうですね。ちなみに、肩こりを解消するのに役立つ栄養素は、ビタミンB1とビタミンE。ビタミンB1が筋肉に必要なエネルギーを作り出し、ビタミンEは血流を改善する働きがあります。

ビタミンB1が含まれる食品

  • 豚肉
  • 大豆
  • 昆布 など

     

    ビタミンEが含まれる食品

  • アーモンド

  • オリーブオイル
  • モロヘイヤ など

 

睡眠

身体は眠っている間に回復するもの。疲れた筋肉を休ませる時間として睡眠をしっかり確保することが、肩こりの改善にも役立ちます。自律神経のバランスが乱れてしまっている人は、寝る前にリラックスタイムを設けるなどして自律神経を整えましょう。
 
自律神経の整え方についての詳細は、下記の記事をご覧ください。

Check
●自律神経の乱れが不眠を招く?自律神経バランスを整えるのに必要なこと
http://fuminners.jp/newsranking/3711/
 
●眠気を誘う秘訣!自律神経のコントロール方法
http://fuminners.jp/newsranking/4618/

 

肩こりの再発防止法

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一度肩こりが解消できても、運動不足や生活習慣を変えなければ、すぐに再発してしまうことも。そこで、普段の生活から見直す肩こりの再発防止法を紹介します。

お風呂で血行促進

冷え対策としても紹介したお風呂は、血行を良くするためにも効果を発揮します。41℃くらいのお湯で20分ほど全身浴を行うと、血行が良くなり、首や肩の疲労物質を取り除くことができます。高血圧の人、心臓に病気がある人は負担をかけないよう、時間を短くするか全身ではなく半身浴にしてください。

自分に合った寝具選び

寝具が合っていないと、寝ているだけで身体に負担がかかります。特に高さの合わない枕は首・肩の筋肉を緊張させ、肩こりを引き起こすことも。本来であれば回復するための睡眠時間に、身体が疲れてしまっては本末転倒です。最適な寝具は一人ひとり違うものなので、新調する際は実際に試してみてから選ぶようにしましょう。
 
寝具の選び方については、下記の記事も参考にしてみてください。

Check
●【完全版】枕の選び方とは?プロ直伝絶対押さえる3つのこと
http://fuminners.jp/newsranking/4681/
 
●大塚家具スリープアドバイザーに聞く「良質な快眠へ導く寝具の選び方」
http://fuminners.jp/newsranking/4140/

 

肩こり解消法のバリエーション

肩こり解消法のバリエーション

肩こり解消のためにストレッチと筋トレをご紹介しましたが、他にも手軽にできる肩こり解消法はあります。自分に合う方法を覚え、肩こりがひどくなる前に対処するようにみてはいかがでしょうか。

タオルを使ったストレッチ

首周りの筋肉の癒着をはがし、可動域を広げるストレッチです。
 
①椅子に座ってボディタオルなど長めのタオルの両端をそれぞれ手で持ち、頭と首の境のくぼみに引っ掛けます。
 
②タオルは斜め上方向に軽く引っ張りながら、あごを軽く引き、癒着した筋肉を剥がすように30秒以上キープ。
 
③そのまま、頭全体を後ろ斜め上に向かって伸ばし、30秒以上キープ。

ヨガ

肩甲骨周りを伸ばすヨガです。
 
①四つん這いになって、左腕を右腕の下にくぐらせます。左手の手のひらは上に向けます。
 
②左肩が床に付くまでそのまま腕を通し、こめかみも床につけます。腕の位置は、胴体に対して直角になるようにします。
 
③右腕を、耳の後ろを通すようにして頭の上(前方向)へ伸ばします。お尻は四つん這いになったときのままキープ。
 
④その状態で深呼吸しながら20秒キープ。可能であれば、右腕をまっすぐ天井に向けて伸ばすと、より効果的です。

ツボ押し

マッサージに行く暇がないというときには、肩こりに効果的なツボを覚えておきましょう。肩こりに有効なツボを紹介します。
 
・肩井(けんせい)
肩がこっていると感じた時、よく自分で揉んでいるあたりにあるツボです。乳頭に手を置き、そこからまっすぐ上に辿って肩と交わったあたり。周辺を指で押してみて、コリを感じる部分です。
 
・天柱(てんちゅう)
首の後ろにあるツボ。ちょうど頭と首の境界あたりで、首の太い筋肉の両脇にあります。頭痛改善にも効果が期待できます。
 
・合谷(ごうこく)
万能のツボで、全身の痛みを和らげるといわれています。人差し指と親指の骨が合流するあたり、やや人差し指側のくぼみで、押すとジーンとした痛みがあります。代謝が上がり血流が良くなるため、肩こりにも効果的なのだそう。

ストレス解消

ストレスの蓄積は肩こりに大きな影響を与えるので、こまめにストレスを解消することが重症化を防ぐ秘訣です。過去にFuminnersで取り上げたストレス解消法を参考に、自分にあった方法を見つけてください。
 
【裸足の健康効果】ストレス減少・疲労回復が効率的に!
http://fuminners.jp/newsranking/2567/
 
ストレスで眠れない夜に。不安を和らげリラックスする方法
http://fuminners.jp/newsranking/2315/
 
メンタルヘルスケアの鍵はセロトニン!ストレスフリーの食事術
http://fuminners.jp/newsranking/5280/
 
現代人の生活に常につきまとう「肩こり」は、軽視できない厄介な症状のようです。ついつい「いつものことだから…」と放っておいてしまいがちですが、肩こりが万病とつながっていることを考えると、少しずつでも肩こりを和らげるアプローチを続ける必要がありそうです。
 
監修:坪田聡(雨晴クリニック副院長)
 
<参照>
公益社団法人 日本整形外科学会
http://www.joa.or.jp/jp/public/sick/condition/stiffed_neck.html
 
タケダ健康サイト 肩こり
http://takeda-kenko.jp/navi/navi.php?key=katakori
 
宗前治療院
http://www.s-treatment.com
 
40代からの輝きプロジェクト キッコーマン
http://www.kagayaki-project.jp/stiffness.html
 
『肩こりの9割は自分で治せる』竹井仁著 (イースト新書Q)

photo:Thinkstock / Getty Images

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