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「夜ちゃんと眠っているはずなのに眠い」「寝ても寝ても眠い……」
 
日中、こんな猛烈に眠い状態になったことはないでしょうか?
天候や精神状態、疲れ、目覚めの問題だと思ってやり過ごす方もいるかもしれませんが、このような眠い状態が頻繁に現れる場合は、病気や生活習慣に原因があるかもしれません。

【レベル別】あなたが日中眠い原因

眠っても眠い原因には、どのようなものがあるのでしょうか。まずは、注意度別にその原因を見ていきましょう。

注意度★:一時的な生活習慣

徹夜で仕事、朝まで飲んでそのまま出勤、深夜のネットサーフィン…。一時的な行動が原因で、その翌日・翌々日になっても日中のだるさや眠気を感じるパターンです。単純に睡眠時間が不足して眠いこともありますが、こんなときには睡眠自体の質も落ちています。
 
特にアルコールの過剰摂取は、睡眠中に目が覚める「中途覚醒」の原因に。そもそも、アルコールで眠くなるのは脳が一種の麻酔状態のようになるためで、自然にやってくる眠気とは異なります。
アルコールが代謝されると、その麻酔状態が解けるようにして身体が急に目覚めます。眠気も目覚めも一見自然な睡眠と同じように見えますが、実際には通常の睡眠中に行われる身体の活動・休息などすべてがストップしてしまうため、睡眠の質自体は低いのです。
 
関連記事:アルコールがかえって不眠を悪化させる?寝酒の悪影響とは
 
また、就寝前のパソコンやスマートフォンの使用は要注意。スクリーンから出るブルーライトが交感神経を活性化させ目がさえてしまうので、睡眠には逆効果。できる限り就寝前の操作は避けるようにしましょう。
 
▼関連記事
ブルーライトは睡眠の味方!? ブルーライトの睡眠への良い影響
寝る前スマホは危険!睡眠障害テクノストレス不眠とは?
 
 

注意度★★:生活習慣

長時間の残業、帰宅後の夜を徹したゲームなどが一定期間続くことで、日中の眠気が慢性化しているパターンです。寝る前のアルコールが習慣になっている場合も要注意。ちゃんと眠っているつもりでも眠いのは、上述のような理由で睡眠の質が慢性的に落ちているからかもしれません。気づきにくい悪習慣もあるので、思い当たることがないか振り返ってみましょう。
 
また、仕事が原因で睡眠不足が続く場合は、労働時間の問題だけでなくストレスが原因で睡眠不足・不眠が重症化する場合も。帰宅してもあまりリラックスできず、翌日の仕事のことを考えてしまう状態では、身体をリラックスさせ、心地良く眠るための副交感神経がうまく働きません。寝つけたとしても深い睡眠を得にくく、もしそんな状態が続けば不眠症につながるリスクがあります。
 
参考記事:知っておきたい!ストレスと不眠の関係と対処法は?
 

注意度★★★:不眠症

布団に入っているのにうまく眠れず、その結果睡眠不足や日中の眠気が常態化しているパターン。精神的な不安やうつ病に起因していることもあります。この後のセクションにあるセルフチェックで確認してみましょう。

注意度★★★★:過眠症

上記のようなことが特に思い当たらず、「夜ちゃんと眠れているはずなのに日中も眠い」「どれだけ寝ても眠い」という場合は過眠症という可能性も。
 
過眠症は仕事のストレスなど生活環境だけでなく、遺伝的な側面にも原因があると言われています。医学的にも病気の1つなので、寝ても寝ても眠い状態に悩まされている場合は、睡眠専門の医師の診断を受けることをおすすめします。
 
過眠症についてもこの後のセクションでより詳しく触れていきます。

その他の病気が原因の場合

他にも、日中の眠気を引き起こす病気があります。以下に挙げる病気によって日中の生活に支障をきたしている場合は、不眠症や過眠症と同じく医師の診断・治療を受けて改善していくのが近道。思い当たるものがあったら、一度、専門医による診察を受けてみるとよいでしょう。
 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

代表的な症状は「いびき」で、睡眠中に空気の通り道である気道が狭くなり、呼吸がしにくくなる病気です。睡眠中にきちんと呼吸ができないと、心臓をはじめ身体への負担がかかり十分に休息がとれません。睡眠中のことなので家族などの指摘がないと気づきにくいですが、日中眠い原因の1つとして挙げられます。
 
関連記事:日中の居眠り。それ、睡眠時無呼吸症候群っていう病気かも?
 

レストレスレッグス症候群

横になっているときに足に不快感・違和感・痛みなどを感じ、動かさずにはいられなくなる病気です。「むずむず脚症候群」とも呼ばれています。これが原因となり不眠、結果的に昼間の眠気につながることもあります。
 
関連記事:レストレスレッグス症候群(RLS)の症状と原因、治療法とは

 

肥満肺胞低換気症候群

BMIが30以上の著しい肥満の場合は、腹部・胸部についた脂肪が原因で肺の換気が適切にできなくなります。睡眠の質が下がり、日中眠い原因につながる可能性があります。
 
関連記事:肥満肺胞低換気症候群(OHS)とは?症状と病態、治療法
 

【解決法】生活習慣による眠気は、重症化する前に対策を

身体に染み込んだ生活習慣が原因で、重度の睡眠障害を引き起こさないためにも、状態やニーズ別に解決策をみていきましょう。

一時的な生活習慣を解決する4つの方法

まずは、前日の行動が原因で眠いときの解決策です。
 

1.早く寝る

即効性のある解決方法ではありませんが、眠いときに一番重要なのは、夜にきちんと睡眠をとること。眠いのは身体が疲れているサイン。小さなサインの内に対処してしまいましょう。

2.ツボ押し

手軽に試せて効果的なのがツボ押し。眠気を吹き飛ばすだけでなく、肌荒れや内臓器官などにもプラスの効果があると言われています。
 
関連記事:目が覚めるツボ3選|朝の眠気は「正しいツボ押し」で解消を

3.カフェイン

一時的に眠い状態を回避する方法で知られている、カフェイン。適度な量ならOKですが、カフェインは魔法の成分ではないので、摂取すればするほど眠気に効果的とはいえません。逆に眠気に襲われることもあるので過度な摂取は控えましょう。
時には、カフェインに頼らず眠気を解消するのも手です。
 
参考記事:ノンカフェインでも眠気を解消できるドリンクレシピ4選

4.ストレッチ、体操

ストレッチや体操も、眠い状態を脱するのに効果的です。オフィスであれば腕をピンと伸ばして横や上に引っ張る運動などをしてみましょう。腕を大きく動かすことで交感神経に働きかけて眠い身体を覚ますことができます。
休憩タイムに肩こりケアのストレッチをしておけば一石二鳥です。
 
参考記事:肩こりストレッチは寝る前が吉!正しい姿勢と日中の応急処置

慢性的な生活習慣を解決する3つの方法

慢性的な生活習慣が原因で日中に眠い場合は、上記の即効性のある方法の他に、以下のような根本を解決する方法があります。

1.食生活の改善(食べる時刻・量、アルコール依存など)

最近の研究で、食べたものによって睡眠の質が変わることが明らかになっています。ポイントは「良い油・食物繊維・たんぱく質」を意識すること。入眠時間やノンレム睡眠の時間に改善が見られるようです。さらに身体を温める食材を日常的に取り入れれば、眠い毎日ともさよならできるかもしれません。
 
関連記事:“食べる冷え対策”でぐっすり眠る!快眠の鍵を握る温め野菜

2.仕事スタイルの見直し

毎日仕事が長時間に及び、それが原因で日中に眠いことが多いのなら、仕事スタイルを見直すのも1つの手。仕事を効率化するライフハックや、仕事の棚卸し・取捨選択をするなどの仕事自体の見直しはもちろん、いっそのこと引っ越しをして通勤時間を短くすることや職場・仕事を変える、ということも選択肢になるかもしれません。

3.ストレス発散方法をつくる

過度のストレスがかかると夜寝つけなくなり、不眠症状に悩まされることがあります。さらに、その不眠症状自体が翌朝の疲労感や憂うつ感などの新たなストレスに繋がる悪循環にも陥ります。日中の眠気の改善には、ストレスを和らげる自分なりの発散方法を持っておくことが重要です。
 
関連記事:ストレスで眠れない夜に。不安を和らげリラックスする方法

「なかなか寝つけない」不眠症のセルフチェックと解決方法

生活習慣による日中の眠気が重症化していくと、ただの「昼間から眠い……」が不眠症へと発展していく可能性があります。不眠症の定義や解決方法もおさえておきましょう。

不眠症のセルフチェック方法

不眠症は、夜に何らかの理由で眠れない状態に加えて、「日中に眠いと感じる」「疲労感」「集中困難」「気分の落ち込み」などの状態が週3回以上、かつ3カ月以上続いているかどうかで判断されます。まずはこれらの自覚症状がないかどうか、振り返ってみましょう。
 
ポイントは「日中にこれらの症状を自覚しているかどうか」。不眠であっても生活に支障をきたさない場合は、医学的には不眠症とは診断されません。自覚症状がある場合は以下の記事も参考にして、チェックをしてみてください。
 
関連記事:睡眠障害チェック!睡眠障害のタイプと診断手順(医師監修)
 
また、Fuminners(フミナーズ)では「フミナー度チェック」という診断コンテンツでも不眠レベルを簡単に確認することができます。ゲーム感覚でぜひ試してみてください。
フミナー度チェック

不眠症状への対処法

不眠症は日中の眠気などの症状は同じでも、いくつかのタイプが存在します。タイプによって解決方法が異なることもあります。病院で不眠症と診断された場合には、主治医の先生の判断を仰ぎながら最適な治療を進めましょう。
ここでは、主にストレスで眠れない場合に有効とされる「筋弛緩法」をご紹介します。「最近、眠れない」「もしかしたら不眠傾向にあるかな?」と思ったときにも試してみて下さい。
 
関連記事:イライラで眠れない夜に捧ぐ!全身をほぐす筋弛緩トレとは?

全身の緊張をほぐす

(1)基本の姿勢は仰向けに。全身の力を抜き、手のひらを上にして身体の両脇に置き、目を閉じる
(2)両手を5秒間ギュッと握る

(3)一気に力を抜いて、30秒間リラックスする
(4) (2)(3)を2、3回繰り返す

肩こりをほぐす

(1)仰向けになって、全身の力を抜く。手のひらを上に向け両脇に置き、目を閉じる
(2)肩にギュっと力を入れる
(3)一気に力を抜いて、30秒間リラックスする
(4) (2)(3)を2、3回繰り返す

顔のこり、目の疲れをほぐす

(1)思いっきり顔に力を入れて変顔を作って5秒間キープ
(2)ふっと力を抜いて、30秒間リラックスする
(3) (1)(2)を2、3回繰り返す

「寝たのに眠い」過眠症のセルフチェックと解決方法

過眠症も不眠症と同じく眠りに関する病気ではあるものの、広く一般には認知されていません。ちゃんと眠ったはずなのに眠いことが頻繁にある場合は、過眠症の可能性を疑ってみましょう。
 

日本で20万人が発症している「過眠症」とは

過眠症は「日中に過剰な眠気が毎日のように繰り返す状態」と定義されており、日本でも20万人ほど患者がいるといわれている疾患です。過眠症には3つのタイプがあります。

1.突然強い眠気に襲われる「ナルコレプシー」

ナルコレプシーの主な症状は、生活のさまざまな場面で突然、強い眠気に襲われることです。会話中や歩いているときなど、通常では眠くなりにくい状況でも、時と場所を選ばず症状が現れます。また症状が眠気なので、病気だと自覚しづらいのが落とし穴。
 
周りからも「怠け者」などと白い目で見られることがあるため、症状以外の社会生活でも問題が生じることも。こうした状態が3ヶ月以上続いている場合は、ナルコレプシーを疑ってみましょう。
 
また、ナルコレプシーは、人を覚醒させる「オレキシン」という物質の分泌不足で発生する現象だとは判明しているものの、なぜオレキシンが不足するかまでは分かっていません。

2.長時間居眠りしてしまう「突発性過眠症」

ナルコレプシーと同じく、日中の突発的な眠気に襲われることが主な症状です。その違いは、日中の居眠りの長さ。突発性過眠症の場合、1~4時間と長時間眠ってしまい、さらにその後も眠いという状態が続きます。ナルコレプシー患者の場合は、日中の居眠りは長くても20分程度です。

3.意識障害の一種「反復性過眠症」

反復性過眠症は意識障害の一種とも考えられており、症例が少ないために研究があまり進んでいない病気です。症状は、1日20時間近く眠る「傾眠期」と呼ばれる期間が数日から数カ月程度続き、その後症状が現れない「間欠期」が繰り返されます。

過眠症のセルチェック方法

過眠症かどうか、またそのタイプは、睡眠専門医が詳しく調べて判断しますが、自分の昼間の眠気がどの程度なのか、主観的な眠気の程度をチェックする方法があります。
 
以下8つのシチュエーションでどのくらいウトウトしてしまうか、0〜4点で点数を付けてみてください。
 

点数

  • ウトウトする可能性はほとんどない → 0点
  • ウトウトする可能性は少しある → 1点
  • ウトウトする可能性は半々くらい → 2点
  • ウトウトする可能性が高い → 3点

シチュエーション

  • すわって何かを読んでいるとき
  • すわってテレビを見ているとき
  • 会議、映画館、劇場などで静かにすわっているとき
  • 乗客として 1時間続けて自動車に乗っているとき
  • 午後に横になって休息をとっているとき
  • すわって人と話をしているとき
  • 昼食をとった後(飲酒なし)、静かにすわっているとき
  • すわって手紙や書類などを書いているとき

 
合計が11点を超えると、主観的な眠気が強いとされる1つの指標になります。
 
関連記事:ナルコレプシーって知ってる?10〜20代ほど要注意。日中に眠気がひどい人は過眠症を疑いましょう
 

過眠症の解決方法

過眠症は原因や発症のメカニズムなど、まだ完全には解明されていない病気です。そのため、もし上記でご紹介した日中の眠気セルフチェックで点数が高く、実際に日常生活でも支障をきたしている場合は、専門医の受診をおすすめします。正確な診断の下で、適切な治療を進めることが解決への近道です。

おわりに

いくら寝ても眠い…。
 
その悩みを解決する手がかりは、日々の生活習慣の振り返りがまず第一歩です。「わたしは大丈夫だ」と安易に考えるのはやめ、取り返しのつかない状態にならないためにも、時には専門の医師の手をかりることも頭に入れておきましょう。
日中の眠気、そして不眠症や過眠症と無縁の睡眠ライフを手に入れられるかどうかは、あなた次第です。
 
 
監修:坪田聡(雨晴クリニック副院長)
 

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