苦しくない腹式呼吸

呼吸を上手にコントロールすると、心と身体の緊張がゆるみ、自律神経のバランスが整うなど、私達にたくさんのメリットを与えてくれます。ゆったり呼吸の代表格と言えば、腹式呼吸。特に就寝前やリラックスしたいときに呼吸をうまく活用すると効果的なことは、このFuminners(フミナーズ)の中でも紹介されている通りです。
 
でも、うまく呼吸をコントロールできない、腹式呼吸で苦しさを感じるという人も多いのでは?そこで今回は、呼吸を担う“肺”に着目して「肺活」について考えていきます。腹式呼吸がうまくいかない理由もわかるかもしれません!

腹式呼吸が苦しく感じる理由

肺は自らの力で収縮拡張ができないため、呼吸と連動して動く「呼吸筋(横隔膜、肋間筋、僧帽筋、脊柱起立筋など)」が働くことで、肺が広がったり、縮んだりしながら呼吸運動を行うというシステム。上半身のあらゆる部位が呼吸運動に関わる、といってもよいでしょう。そして、肉体を鍛える筋トレと同じように、呼吸筋も正しく使えば使うほど、肺機能のパフォーマンスは向上していきます。
 
パソコン作業などで、胸郭を閉じた姿勢を長時間続けていたり、首や肩、背中のコリが多い人は、呼吸筋がこわばり呼吸が浅い状態になっています。そんな浅い呼吸が習慣になっている人は、肺の上部にしか空気を入れない癖がついています。その結果、肺を動かす周囲の筋肉「呼吸筋(こきゅうきん)」が衰え、いざ、深い呼吸を行おうとしてもゆったりとした腹式呼吸に息苦しさを覚えるようになってしまいます。
 
また、加齢によっても呼吸筋の弾力は衰えていきます。高齢者は浅い呼吸によって換気率が減少すると、不眠や熟睡感の欠如、夜間の覚醒などを助長するので注意が必要です。

すきま時間の「肺活」でリラックスできる身体づくりを

年を重ねてもイキイキとした健康的な将来を送る秘訣は、いまから呼吸筋をよくほぐし、腹式呼吸の習慣をつける日々の「肺活」が大切。呼吸筋が効果的に動くように姿勢を正し、身体のコリをほぐしていきましょう。腹式呼吸のような深い呼吸がうまくできないと感じる方は、まずここから見直してみて下さい。
 
呼吸に関連する筋肉が収縮運動を行うことで、身体の内部に熱をつくり、代謝を上げるなど、健康促進効果も格段に飛躍します。呼吸筋が効果的に動けるようになれば、呼吸のコントロールも今よりうまくいくはず。腹式呼吸などのゆったり呼吸が会得できれば、リラックスしたい場面でリラックスできる身体になっていきます。
肺活に必要な時間は、たった数分。仕事の合間、家事の合間のすきま時間でぜひ試してみて下さい。
 
それではここで、お仕事の合間や就寝前のひとときなど、いつでも実践できる呼吸筋のヨガストレッチと腹式呼吸を紹介していきます。

実践:“肺活”ヨガストレッチと腹式呼吸

呼吸を楽にするためには、姿勢を整え、「胸まわり」と「肩甲骨」の2つのエリアの筋肉をほぐすこと。また、吸う息、吐く息ごとに、おへその辺りがしっかり動くか意識してみよう。

  • 「胸を開く」
  • 腹式呼吸1
    背筋を伸ばしてイスに座り、後ろで手を組んだら、軽く下腹をしめて姿勢を安定させる。左右の肩甲骨を寄せ合うことで、腕のつけねや胸の中心を広げ、息を吐き切る。次の吸う息でゆるめる。この動作を3~5回繰り返す。
    • 「背中をほぐす」
      腹式呼吸2
      両手を胸の前に組み、手のひらを前に突きだしながら背中を丸める。胸の中の空気がからっぽになるイメージで息を吐き切る。吸う息で、背筋を伸ばしながら組んだ手を胸の前に戻す。(3~5回繰り返す)
  • 「体側/肩まわりをほぐす」
    腹式呼吸3
    (Step:2の組んだ手を胸の前に置いた姿勢から)吸う息で手を上に押し上げ、気持ちいいところまで背筋、体側を伸ばす。吐く息で両手を離し、大きな円を描くように下ろしてリラックス。
  • 「腹式呼吸」
    腹式呼吸4
    片方の手をおへその辺りに置き、肩の力は抜く。おへその辺りが軽く膨らむように、お腹に空気をためるイメージで息を吸う。吐く息では、おへそが背中にくっ付くようなイメージで空気を出し切る。呼吸に慣れてきたら、息を吸うときに、お腹に加え、胸まわりや背中までが膨らむ感覚も意識してみましょう。心と身体が落ち着くまでしばらく続ける。
  •  
    肺活はいつ行っても◎。 ストレスや眠気、疲れを感じたらすぐに実践してみましょう。呼吸筋の動きがスムーズになり、心地よい呼吸が習慣になれば、リラックスした状態を自らつくることができます。安眠効果はもちろんのこと、疲れにくい身体づくりも可能に。
    呼吸という一番身近なツールを使って、健康的な毎日を手に入れましょう!

    photo:Thinkstock / Getty Images

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