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バスタイムは、身体を清潔にするだけでなく≪温熱・静水圧・浮力≫効果による血行促進、美肌、むくみ解消、疲労回復など美と健康に役立つ手軽な”美容エステ”。でもこれらは、既に知られた事実です。
 
忘れてはならないバスタイムの最大のメリットは、「簡単に副交感神経を刺激させる」ことができるということです。こんなメリットが日本の文化「お風呂」にはあるのですから、バスタイムをシャワーだけで済ますなんて、もったいない!

バスタイムは「嗅覚・視覚・聴覚・温感」がカギ!

筆者は、副交感神経を刺激することを、「うっとり」と呼んでいます。なかなか寝付けなかったり、朝の目覚めが悪い方は、夜の自律神経バランスが悪く、うっとり不足状態の方が多数。お風呂に入るだけでもうっとりはできますが、どうせ入るなら、バスタイムによりうっとり刺激を加えていきましょう。簡単な方法は、嗅覚、視覚、聴覚をコントロールすること。

■ポイント1:嗅覚

嗅覚は五感の中でも情動を司る大脳辺縁系にダイレクトに作用するため、バスタイムに必ず活用するべし。香りは、人工的な加工がされていないピュアナチュラルなものでなくても問題ありません。好んで使っている入浴剤やシャンプーの香りでも、それがみなさんにとって、大好きな香りならOKです。
 
でも、もう少し科学的な力を借りたいなら、やはりラベンダー精油がいいでしょう。ヒトでは心臓交感神経系を下げることは既に知られていますが、ラットの研究で、副腎や腎臓の交感神経系をも抑制することが分かっています。
 
でも、残念ながら、ラベンダー”のような”香りの入浴剤では、その効果は実証されていません。また、精油で100%純粋とうたっていても、現在日本では、粗製品・偽和・低品質な精油も普及しているため、ラベンダーの薬理作用を得るには、40%のリナロールが含有されており、ガスクロマトグラフィー、比重、屈折率、旋光度等、多様な試験を得て、純粋であると判断された精油を用いるようにしましょう

■ポイント2:聴覚

ロックでハードな音楽と、浜辺の穏やかな波の音なら、多くの方は後者の方がうっとりするでしょう。入浴中に音楽を聴くなら、呼吸するタイミングよりも遅い音楽を迷わず選択しましょう。
 
正常な成人の呼吸数は、1分間に12~16回前後ほどで、呼吸1回におよそ4秒ほどを要しますが、夜のうっとり美容中の呼吸は、目指せ1分間に5~6回。
 
この呼吸数が心拍変動に共鳴を与えることが、濁協医科大学の研究で明らかになっています。この呼吸数になるようゆったりと呼吸を行うことで、心拍数も緩やかに、つまり副交感神経を優位にすることができるということです。
 
でも、1分間に16回の呼吸数を5回にするのはなかなか難しいもの。できる限り呼吸数よりも遅い音楽を聴いて、その音楽に合うよう呼吸をするところからはじめてみましょう。お勧めは、シューマンのトロイメライ。大阪大学の研究で、ラットの肝臓の交感神経系が低下して血圧が低下したという報告があります。

■ポイント3:視覚

バスタイムをよりうっとりするものに、また入浴後の睡眠を促すためには、浴室の照度を150~300ルクス、可能であればそれ以下に設定しましょう。照度を測る無料のアプリがあるので、探してみてもいいですね。
 
体内時計をコントロールしている大きな力は「光」。光過剰や光不足は体内リズムを変化させ、自律神経をも狂わせてしまいます。例えば自然光が5ルクスなのに、自宅では500ルクスといったように、約100倍もの不自然な光を浴びています。夕方以降のありえない光は美の天敵!夕食以降は、徐々に明るさを落としていきましょう。
 
しかし、いくら居間の光を落としても、浴室の照度は高いことが多いのが難点。色温度を低く、暖色の照明に変えたり、2つ以上ある照明は1つにするなど工夫する必要があります。
もし変えることができないのであれば、いっそのこと浴室の照明を消して、お風呂の中で使える防水加工がされた間接照明やキャンドルを使用してみましょう。
 
密室で使用するキャンドルは、石油から作られたパラフィンを用いたものではなく、ミツロウや大豆由来のソイワックスなど天然で上質なキャンドルが望ましいです。

■ポイント4:温感

お風呂の湯温は、副交感神経が優位になる40度以下に。42度は交感神経が刺激され、41度は、自律神経が入れ替わる温度。
冷え性だからといって、42度以上にしてしまうと、交感神経が刺激され、余計に手足の冷えが気になる結果になってしまいます。40度以下に15分以上じっくり入るようにしましょう。

ポイントを踏まえたら、正しいお風呂の入り方を実践!

お風呂の中では浮力が働き、首まで浸かることで体重が普段の約1/10まで軽くなります。例えば50kgの女性なら約5kg。様々な関節の過重負担を軽減することができるため、心も身体も緊張から解き放たれます。力を入れず、まぶたを閉じて、ゆっくり呼吸を繰り返しながらお風呂に入りましょう。

【湯舟の浸かり方のポイント】

  • 血圧の変動を抑えるため、「あぁー」と声を出しながら湯舟につかります。
  • くつろいだら、頭を湯舟の端に預けます。腕には力を入れずに。
  • 口から細く長く吐き、鼻からゆっくりと吸い込んで2秒充満させます。
  • 口から静かに吐いていきます。身体がお湯にふんわりと浮いてきます。
  • ゆらゆらと力を抜きながら、その状態をうっとりします。

 
お風呂に浸かって体温が上がると、熱い深部体温が外に逃げて、より眠りに適した体温になっていきます。バスタイムを味方につけて、より深くリラックスして、よい眠りを得てくださいね!
 

photo:Thinkstock / Getty Images

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