深い眠りへと導いてくれるヒーリングミュージック。眠りに集中するために音楽を聴きながら寝ても、あまり効果が実感できなかった……。そんなFuminners読者にオススメしたい「質の良い眠りに効果的な音楽の聴き方」。不眠のタイプによって選ぶ音楽を変えてみたり、聴き方を変えるだけで見られる夢の内容も変わってくるかもしれません。知っておくと今日の眠りは快眠にできるかも。

眠りと音楽:イライラ型の不眠には、寝る前の音楽が効果的

目を閉じて一生懸命寝ようとしても眠れない夜ってありますよね。そんな時におすすめなのが、音楽療法。音楽を聴くだけで疲労や緊張を効率的に解消し、睡眠の質を高めてくれるそう。今回、より眠りやすい音楽を追求し、ヒーリングミュージックの開発販売にも携わっている「心音舎」代表の平松康一さんに、「快眠に効果的な音楽」とはどんな音楽なのかお話を伺いました。

音楽療法の効き方は、不眠のタイプによってさまざま

そもそも、音楽が睡眠にもたらす効果は、大きく分けて2つあると平松さん。
 
■眠りにとって邪魔なものをフィルタリングする効果
音楽に集中することで、冷蔵庫やエアコンの音、近所の雑音を気にならなくし、眠りを妨げる余計な考え事を一時的に意識の外に置くことができます。
 
■眠りやすい意識に近づける効果
音楽によってリラックスし、全身の力が抜けやすくなることで、心身を眠りにつく状態に近づけていくことができます。
 
「この『眠りを妨げる要素を取り除く』『眠りやすい意識に近づける』という2つの相乗効果が、快眠へのアプローチになるんです」(平松さん)
 
また、音楽療法は不眠のタイプによって効き目に差が現れるとか。「イライラしやすい」「ストレスがたまっている」などのストレスが多い不眠タイプは、音楽療法によって興奮要素が抑えられやすいため、数回聴くだけでも効果が現れることが多いそう。
 
一方、「明日の仕事が気になる」「将来の不安に押しつぶされそう」といったネガティブ思考の不眠タイプは、雑念を消して緊張を緩める効果が現れるまでに少し時間がかかるため、即効性は求めず、気長に毎日繰り返し聴き続けるのがおすすめとのこと。
 
さらに、音楽療法の効果は「今まで聴いてきた音楽体験も大きく関わる」といいます。
 
「クラシックしか聴いたことがない人やハードロック以外は音楽ではないと思っている人など、特定の音楽が好きな人は、音楽療法への心理的抵抗が大きくなります。そのため、どんな音楽でも先入観や好き嫌いなく聴ける人のほうが効果が出やすく、音楽療法に向いているといえます」(平松さん)

音楽で悪夢も避けられる!? 快眠効果をグッと高める聴き方

とはいえ、「眠るためにはどんな音楽を試したらいいの?」と思う人は多いはず。平松さんによると「睡眠の質を高めるには、リズムや音程が大事」だそう。
 
「一般的なヒーリング音楽の中には、クラシック音楽を流しているだけのものや、おなじみのヒット曲をスローテンポにアレンジしたものなどがありますが、これらは音楽療法には向いていません。音楽療法に使用する音楽は、まずリズムが安静時の心拍数に近い単調なもの、極端な音程の上下がなくはっきりしないメロディーで、フワっとした優しい音色のものが望ましいですね。曲は長いほうがよく、複数の曲が入れ替わる場合には、静かに音が消えていき、ゆっくりと次の曲がスタートするものを選ぶと眠りを妨げにくくなります」(平松さん)
 
音楽療法に使用するのは、例えば以下のような音楽だそう。

また、音楽を聴くタイミングも重要。人は無意識に自分の状態を「活動」と「安静」にスイッチを切り替えています。音楽を聴く際、この安静時に入るタイミングから音楽を聴き始めると効果が得られやすいといいます。
 
具体的には、「寝る前に入浴する」「パジャマに着替える」など、就寝前の入眠儀式の一環として「音楽を聴いてからベッドに入る」と決めておくのがおすすめ。音量は聴いていても気にならない程度の音量に設定し、通常は入眠時に1~2時間程度聴き続ければ充分。中途覚醒が多い場合だけ、小さな音で音楽を一晩中流しっぱなしにしても良いそうです。
 
ちなみに、平松さんの会社では、なんと「良い夢を見るための音楽」も開発しています。音楽によって夢をコントロールすることができるのでしょうか?
 
「狙って確実に幸せな夢が見られるのが理想ですが、簡単ではありません。それでも、なるべく悪い夢を避けることはできます。寝具や室温に気を使うことも大事ですが、人間は眠っている間にも周囲の音に影響を受けています。そこで、眠りを妨げない程度の音量で、ネガティブな要素や刺激要素を取り除いた音楽を流し続けることにより、悪夢を見にくい状態にできるのです。具体的には、不協和音や急な音量変化が起こる打楽器系の音楽は避け、曲調の変化が少ない音楽を選ぶとよいでしょう。悪い夢を見なくなれば、必然的に良い夢を見る確率はぐんと上がりますよ」(平松さん)
 
音楽療法は科学的にも効果が認められています。現在では、個人で愛用している人はもちろん、老人施設や福祉施設などの休憩や団らん時間、託児所や保育園のお昼寝の時間などに利用されるケースが増えているとか。「最近ちょっと疲れてるな」「ストレスをうまく解消できていないな」とお悩みの人は、手軽に始められる音楽療法を始めてみてはいかがでしょうか?
 
監修:平松康一(心音舎代表)
 
 

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