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人は夜、不安感やイライラを感じやすくなったり、マイナス思考になったりします。皆さんも、寝る前に、自分の将来の不安が頭をよぎったり、無性に腹立たしい気分になったり、そんな経験は一度や二度あるのではないでしょうか?
 
そんな気分になると、なかなか寝つけず、余計にイライラしてしまったり。寝つけないことでさらに不安になったりします。今回は、夜のネガティブ感情をコントロールする方法をご紹介します。

なぜ、寝る前にネガティブ感情になるの?

寝る前は、脳機能自体が低下し、情動を司る大脳辺縁系のコントロールがうまくできなくなってくるため、抑うつ的な気分が強くなってきます。睡眠不足や睡眠障害は、うつ状態を生じるリスクになることは知られた事実ですが、実はそれと同じ理由と考えられています。

そもそも普段から寝不足かも

普段から睡眠不足の状態であれば、認知機能を司る前頭連合野の脳機能が低下するため、論理的に考えることや、状況の変化に柔軟に対応することができなくなっています
 
そうすると、物事の捉え方の誤りによって、イライラや憂鬱感を引き起こしていることが考えられます。

朝も同じ感情なら、睡眠が浅い証拠

ストレスホルモンとして知られているコルチゾールや副腎皮質刺激ホルモンは、早朝から午前中にかけて分泌が増え、夕方から夜中にかけて低下する概日リズムを持っています。
 
特にストレスホルモンが少なくなるのが、ノンレム睡眠の3、4段階の深い「徐波睡眠中」。深い睡眠が得られていれば、ストレス解消に役立つということなのです。逆にいうと、夜考えていた不安や悩みが、翌朝も頭から離れていなければ、それは徐波睡眠が得られておらず、浅い睡眠になっていることが考えられます。
 
考え方をコントロールしようとする前に、睡眠の改善に取り組んだほうがよさそうですね!

体内時計は乱れていない?

私達に存在する数々の体内時計の関連性が、不規則な生活によって乱れてしまうと、心と身体に様々な影響を及ぼすことが分かっています。感情がコントロールできないその背景には、体内時計の乱れが潜んでいるのかもしれません。
 
睡眠覚醒リズムの規則性と家庭内暴力の頻度を調べる早稲田大学の研究では、睡眠覚醒リズム障害の悪化は家庭内暴力などの付随症状の悪化と密接な関連を持っていることが分かっています。
 
うつ病と双極性障害は「気分障害」と呼ばれていますが、2000年頃から日本での気分障害の総患者数が急に増えてきました。ちょうどその頃、インターネットやメールが普及してきた時期で、夜間に光に触れる機会が増え、体内時計が夜型にずれてしまったことも関係しているとも読みとれます。
 
体内時計を狂わす最大の要因は、「光」。例えば、自然光が5ルクスの時、自宅では500ルクスというように、約100倍もの不自然な光を浴びる生活を私達は送っています。体内時計が後ろにずれることで、日本にいながらにしてプチ時差ボケを生じやすくなることも。これは心へも大きな影響を与えるので、夜遅くまでスマホやPCなどの電子機器を使用している方は控えるようにしましょう。

不安や悩みごとがあって夜眠れなければ
ノートに翌日考えるポイントを記載

わかってはいるけれど、感情的になって、つい自暴自棄になることも。彼や旦那様に、こうしてほしいのだけど、と要望を伝えるときは、夜ではなく、太陽が高い昼間の時間帯に行いましょう
 
不安や悩みごとがある場合は、「明日、○○と△△について考える」などとノートに書きだして、夜は深堀して考えないようにしましょう。もやもやしているのは、頭が整理できておらず、悩みを具体的に把握できていない証拠です。

頭を冷やすのも手

寝る前、悩みごとがあって悶々としている時、交感神経が優位になり、手足末端の血管は収縮して冷たくなっていますが、頭で思い巡らせているので、脳深部温が熱くなっています。
 
そんなときは、シンプルに、冷蔵庫で冷やしたタオルや冷却シートなどでおでこや頭の後ろを冷やしてみましょう。
 
2004年日本睡眠学会で発表された後頭部冷却と入眠を調べた研究では、後頭部を冷やすことで寝つきや睡眠持続時間の維持に繋がったことも報告されています。いろいろ試しても良くならなかった方は試してみるのも良いかもしれませんね。
 
不安やイライラの心のコントロールと一言でいっても、それは性格が作った結果ではなく、生活習慣が原因となっていることも多くあります。まずは睡眠の質を高めるところから始めてみてくださいね。

photo:Thinkstock / Getty Images

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