睡眠時間が短いと年収ダウン…寝る間を惜しんで働くのツラすぎ

Fuminners(フミナーズ)読者のみなさんは、寝る間を惜しんで働くのが好きですか?日本人は世界的に見てもワーカホリックで睡眠時間が短い、また睡眠時間を削ってまで仕事をしている、というイメージがあります。なんとなく、寝る間も惜しんで働くほうが収入アップに繋がりそうな気がしますが、実はそんなことはないようです。むしろ睡眠時間が長い人の方が、収入が増えるという報告があるのだとか。睡眠時間をしっかりとることは健康的というだけでなく、経済的にもよい効果がある…。その理由とはいったいどんなことなのでしょうか?

睡眠時間が週に1時間多いだけでも、収入アップ!?

2015年に米国労働省の労働統計局が「ATUS」(アメリカン・タイム・ユーズ・サーベイ)というダイアリー式の調査によって得たデータを分析した研究内容に、面白い報告があります。
 
今回の研究では、2013年に記録された18〜65歳の就労者を対象にした調査結果を使用しました。この調査で使われたダイアリーは、1日のスケジュールを細かく区切って、時間ごとに具体的に何をしていたのかを記録していくというもの。
 
この調査・分析によれば、日没が早いエリアに住む人の睡眠時間は平均58.4時間(週)であるのに対し、日没が遅いエリアに住む人の睡眠時間は平均57.6時間と1時間ほど睡眠時間に差があることが分かったといいます。つまり日没が早いエリアに住む人の方が、平均睡眠時間が長いのです。
 
さらに収入について見てみると、日没が早いエリアに住む人の週給は約964.9ドルであるのに対し、日没が遅いエリアに住む人の週給は約949.6ドルと、日没が早いエリアの人の方が収入が多い傾向にあることが報告されました。研究者によれば「長期的に見ると、睡眠時間が週に1時間増えると賃金が4.9%アップする」と報告しています。
 
専門家によると、とりわけセールスマンにその影響が出やすく、その理由は「しっかり睡眠をとって健康かつ幸せそうなセールスマンから物を買いたいと思うから」(※1)なのだそう。セールスマンに限らず、不健康そうな人と健康そうな人では後者の方が仕事デキる人、信頼できる人という印象を受けます。さらに社内でも、信頼されればそれだけ仕事を任せられますし、実働時間を問わず生産性も高まりそうですよね。

睡眠時間が短いと日中の作業ミスが増えてしまう

他にも睡眠時間が短いと、どのくらいミスが増えるのかについて調査した研究があります。
 
21〜38歳の健康な成人48人に協力してもらい、8時間睡眠、6時間睡眠、4時間睡眠のグループと、3日間徹夜のグループの4つに分類し、徹夜グループ以外には14日間その睡眠時間を遵守してもらいながら、すべてのグループに、日中に認知力を試す作業を行ってもらいました。
 
すると、1日6時間と4時間睡眠グループの作業ミスは、3日間全く寝ないグループの2晩徹夜した時点の作業ミスに匹敵したというのです(※2)。つまり睡眠時間が短いほど、仕事のミスやトラブルが増える可能性が高まるということで、ミスが起こる頻度は徹夜した場合とほぼ変わらないレベルで起こりやすくなるということです。
 
作業ミスがあるとやり直しになったり、上司に怒られたり(?)と無駄な時間が発生してさらに作業効率が下がります。調査結果の通り、徹夜で根を詰めて仕事をするよりは少しでも寝たほうがよいといえますね。

日本人でも年収1000万円グループは睡眠を大切にしている傾向が

株式会社プラスリードの調査部門アスリードが、日本で20〜60代以上の男女1,000人を対象に睡眠時間と年収の関係を調査したデータがあります。その結果は下記の通り(※3)。
 
<女性の年収1,000万円以上の高収入グループ>
睡眠時間
8時間〜…20%
7〜8時間…20%
6〜7時間…40%
5〜6時間…20%
 
<男性の年収1,000万円以上の高収入グループ>
睡眠時間
8時間〜…4%
7〜8時間…16%
6〜7時間…32%
5〜6時間…32%
4〜5時間…4%
〜4時間…12%
 
<女性の年収300万円以下の低収入グループ>
睡眠時間
8時間〜…7%
7〜8時間…17%
6〜7時間…33%
5〜6時間…28%
4〜5時間…11%
〜4時間…4%
 
<男性の年収300万円以下の低収入グループ>
睡眠時間
8時間〜…8%
7〜8時間…11%
6〜7時間…31%
5〜6時間…29%
4〜5時間…14%
〜4時間…7%
 
女性の年収1000万以上のグループでは一番多い睡眠時間が6〜7時間で約40%だったのに対し、年収300万以下のグループでは同じく6〜7時間の人数が33%と減少。残りも睡眠時間の短いグループが多くなっています。
男性の比較も、同じく年収が高いグループのほうがよく寝ていることが報告されています。
 
人それぞれ満足のいく睡眠時間は異なりますが、しっかり寝て健康であることが仕事でよい結果を出すことに繋がるのは間違いありません。欧米の企業では、社員に効率よく仕事をしてもらうために昼寝のシステムを導入する企業が増えています。やっぱり、寝る間も惜しんで働くというのはちょっと古い考えのよう。今よりもっと稼ぎたいなら、「しっかり寝てしっかり働く!」ことが必要なのです。
 
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※1 Matthew Gibson et.al
Time Use and Productivity: The Wage Returns to Sleep
※2  Hans P. A. Van Dongen et al; SLEEP, vol. 26, No. 2, 2003
※3 ASU READ

photo:Thinkstock / Getty Images

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