眠りが浅いと感じることはありませんか?そう感じても、放置してしまいがちですが、眠りが浅いのは重大な病気のサインかもしれません。今回は、眠りが浅くなる原因や対策、考えられる病気のリスクなどについてご紹介します。

【医師コラム】「眠りが浅い」は病気のサイン?原因と対策

「朝になっても熟睡した感じがしない」とか、「夜中に何回か目覚めた気がする」など、眠りが浅いことを自覚している人は意外と多いものです。「自分の眠りはこんなもの」「眠りが浅いのは歳のせい」とあきらめている人もいますが、眠りを改善する手立てが見つかることもあります。また、ただ眠りが浅いだけ、と放置してしまうと重大な病気のサインを見落としてしまう可能性も
 
眠りのメカニズムと眠りが浅くなる原因を知って、グッスリ眠るための対策を立ててみませんか?

なぜ眠りが浅いのか?

■眠りが浅い原因① 体内時計のリズム
眠気のリズムを作り出しているものは、おもに「体内時計」と「睡眠物質」です。体内時計は24時間より少し長い周期で1日を刻み、昼に活動して夜は眠るリズムを作ります。睡眠物質は、起きている時間の長さに比例して脳の中で増え、眠ると分解されて減ります。この体内時計と睡眠物質のリズムがうまくいかないと、眠りが浅くなります。
 
■眠りが浅い原因② 自律神経のバランス
自律神経には、交感神経と副交感神経があります。交感神経は「昼の神経」とも言われていて、これが活発だと眠気が減り目も覚めます。一方、副交感神経は「夜の神経」ともいわれ、これが交感神経より元気になると眠くなります。夜になっても交感神経の活動が活発な人は、眠りが浅くなってしまいます。
 
■眠りが浅い原因③ ストレスやうつ
強いストレスを感じると、脳が興奮して眠りが浅くなります。うつ状態やうつ病の人も、外からはボーっとしているように見えるかもしれませんが、脳の覚醒度が高いため夜は眠れず昼寝もできない状態にいます。
 
■眠りが浅い原因④ メラトニンの減少
脳の松果体から分泌される「メラトニン」は、「睡眠ホルモン」とも呼ばれています。日中はあまり分泌されませんが、夜になると分泌量が増えて眠気を誘います。メラトニンは明るいところで過ごすと分泌量が減り、暗いところにいると増える性質があります。夜に明るい光を浴びると、メラトニンが減って眠気が弱まったり眠りが浅くなったりするので注意しましょう。

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眠りが浅くなる悪い生活習慣はこれ!

夜に500ルクスを超える明るいところにいると、睡眠ホルモンのメラトニンが減って眠りが浅くなります。家の中は200~400ルクスほどですが、コンビニエンスストアなどは1,500ルクスもあり、夜の買い物は短時間で済ませることが大切です。
 
それほど明るくなくても、テレビやパソコン、モバイル末端、ゲーム機、スマートフォン、携帯電話などの画面も要注意です。これらの電子機器の画面からは、青い光(ブルーライト)がたくさん出ています。ブルーライトはメラトニンを減らす力が強いので、眠る30分~1時間前からは、これらの画面を見ないようにしましょう。
 
眠る前にお酒を飲むと、寝つきはよくなります。しかし、アルコールが分解されて血液の中の濃度が下がってくると、逆に眠りが浅くなります。さらに、アルコールはおしっこの量を増やすので、トイレのために目が覚めやすくなります。お酒を飲むなら、適量(日本酒1合、ビール中瓶1本、ワイングラス2杯)を眠る3時間前までにしておきましょう。

眠りが浅いのは病気のサインかも?

眠りが浅いのはいつものこと…そう思っていると病気を見逃してしまうこともあるかもしれません。眠りが浅いと感じるのは身体が発する何らかのサインだと思って、少し注意してみましょう。
 
■睡眠時無呼吸症候群
眠っている間に息が止まる病気を「睡眠時無呼吸症候群」といいます。いびきをかいている人が急に呼吸しなくなり、しばらくすると大きないびきとともに再び呼吸しはじめるのが特徴です。太った中高年の男性だけでなく、顎が小さい女性も要注意です。朝起きたときに口やのどが渇いている人や、長時間眠ったはずなのに眠気が強い人は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
 
■むずむず脚症候群
「むずむず脚症候群」という、面白い名前の病気があります。これは脚の違和感のために、じっとしていられない病気です。むずむず脚症候群の患者さんの8割に、眠っているあいだに脚が動いてしまう「周期性四肢運動」が起こります。どちらの病気も、眠りが浅くなったり夜中に目覚めたりします。夕方から眠る前にも脚の違和感が出やすいので、気になるときは睡眠障害の専門医を受診しましょう。
 
■レム睡眠行動障害
夢を見ているあいだ、手足の筋肉は動かないようになっています。夢のとおりに身体を動かしたら危ないからです。「レム睡眠行動障害」という病気の患者さんは、この仕組みがうまく働かず、夢と同じように身体を動かしたり寝言をいったりします。寝言が増えたり大きな声になったり、目覚めたときに身体に傷があるときには、早めに睡眠障害の専門医に相談してください。
 
■睡眠状態誤認
最後に、「睡眠状態誤認」をご紹介します。文字どおり、自分の睡眠の状態を勘違いすることです。睡眠状態を誤認している人は、悪いほうに勘違いしているのが問題です。たとえば、夜中に10回以上目が覚めるとか、目が覚めると朝まで一睡もできないという人の脳波を調べると、睡眠に問題がない人と同じぐらいよく眠っていることがあります。自分では眠りが浅いと思っていても、家族から「グッスリ眠っているよ」といわれている人は、睡眠状態誤認かもしれません。
 
「眠りが浅い」のが当たり前になっている人ほど、毎日の睡眠を一度見直してみる価値があります。また、普段よく眠れている人も、「眠りが浅い」が示すサインを見落とさず、病気のサインかもしれないことを踏まえて適切に対処しみてください
 
睡眠は、昼間の活動で使った脳と身体をしっかり休めるためのものです。眠りが浅い状態では十分な疲労回復ができず、疲れを翌日に持ち越してしまうことになります。自分に合った睡眠時間を確保するのはもちろんのこと、熟睡感を得られるような眠りをぜひ手に入れましょう。
 

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photo:Thinkstock / Getty Images

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