休日は異様に眠くて寝過ぎてしまうのはイエローサイン?週末の寝過ぎがNGのワケ

必要な睡眠時間には個人差があるものの、大人の理想的な睡眠時間は凡そ6〜8時間といわれています。しかし、仕事や家事・育児などに追われていると、平日は睡眠時間をしっかり確保できないことも少なくありません。そのぶん休日に寝だめをして、平日の寝不足(睡眠負債)を補ったつもりでいませんか?
 
その週の睡眠不足をその週のうちに解消する程度の休日の寝だめは良いものの、実は、寝だめも程度が過ぎると健康にとってはNGな行為。身体のリズムを乱し、体調不良を引き起こす可能性もあります。
 
今回は平日に高いパフォーマンスを発揮するための、休日の正しい眠り方をまとめました。

寝すぎてしまう原因とは?

たまった家事を片付けて、読書やスポーツをしよう!と思っていたのに、気がついたらお昼すぎまで眠ってしまった……というパターン、心当たりはありませんか?
 
平日は朝起きられるのに、休みの日になると長時間眠り続けてしまう…こんな症状には次の7つの原因が考えられます。

1.心身の疲れ・平日の睡眠不足

心や身体は、日常生活の中で絶えずストレスにさらされているもの。知らず知らずのうちに疲れがたまっていることもあります。
 
平日は緊張状態が続いて気づかずにいても、気が緩む週末になるとたまった疲れがどっと出てしまうのはよくあることです。平日に毎日睡眠不足を積み重ねているために(睡眠負債)、休日にそれを取り戻そうと長時間の睡眠に繋がっている可能性もあります。

2.体調不良のサイン

眠り過ぎてしまう背景には糖尿病やうつ病、双極性障害などの病気が隠れている可能性も。
 
糖尿病は、血糖値を下げる役割のあるホルモンである「インスリン」が正常に働かなくなり、血糖値が不安定になってしまう病。血糖値が高くなりすぎるとインスリンが過剰に分泌され、血糖値は低下。脳にブドウ糖が十分に供給されず、脳の栄養不足に陥ります。脳が栄養不足のとき、強烈な眠気が生まれます。
 
また、うつ病が異常な眠気の原因になることも。布団の中で、身体が鉛のように重く、麻痺しているように感じることはありませんか? 10時間以上も眠ってしまう日が頻繁にあり、眠さのあまり起きていられない状態が続く場合は、近年増加している非定型うつ病という可能性も考えられます。
 
非定型うつ病になると夕方や夜間にひどい倦怠感やだるさを感じ、過眠傾向に陥ります。また、冬季うつ病も過眠症状を伴います。

3.加齢

夜間に目が覚めたり、眠りが浅くて疲れがとれなかったりする…ということが増える傾向にある中高年。
 
40代を過ぎると老化の影響で体内時計が乱れがちになり、メラトニンと呼ばれる睡眠ホルモンが減少傾向になると言われています。
 
その結果、睡眠の質は低下。夜に適切な睡眠がとれないことのしわ寄せは、昼間の眠気だけでなく、休日につい眠り過ぎてしまったり、朝起きにくくなったりする症状として現れます。

4. カフェインの過剰摂取

平日の日中は仕事に集中しようと、1日に何杯もコーヒーやお茶を飲む人も多いはず。
 
しかし、コーヒーをはじめ紅茶や緑茶などにはカフェインが多く含まれています。
 
覚醒作用のあるカフェインの過剰摂取は循環器系を酷使し、疲労感を増幅してしまうことも。またカフェインには利尿作用があります。そのため、摂取し過ぎると知らず知らずのうちに身体の水分不足を誘発してしまいます。
朝になっても身体に疲労感が残り、起きるのが辛くなる原因につながります。

5.自律神経の乱れ

自律神経のバランスが崩れることで、睡眠に影響を与えることも。眠るときには交感神経から副交感神経に切り替わるのが理想ですが、その切り替えがうまくいかないと寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりする原因になります。熟睡できない日が続くと、休日の寝だめにつながってしまいます。
季節の変わり目や、気温の変化が激しい外的な環境変化があるときや、ストレスを感じているときは注意が必要です。
 
とくに女性は月経周期の影響で自律神経のバランスが崩れることもあります。排卵から月経直前にかけて黄体ホルモンが盛んに分泌されますが、このホルモンは熟睡を妨げる作用があります。

6. 食生活の乱れ

寝る直前に食事をとることも、睡眠を乱す原因の1つ。
消化を終えていない段階で眠りについてしまうと、寝ている間も消化器官が休むことなく働き続けます。睡眠時間は確保しているはずなのに身体の疲れが取れず、翌朝もなんとなく眠い……ということに。
 
夕食は就寝する3時間前には済ませておくのがベストです。仕事で3時間前までに済ませるのが難しい場合は、寝る前のドカ食いを避けられるような工夫が必要です。
例えば、会社で小腹がすいたら軽めのおにぎりを、帰宅した後に自宅でお腹にやさしい消化の良いスープを食べるなど、夕食を複数回に分けてとるのも手です。

7. 過眠症

体調や環境を整え、質の良い眠りをとっているはずなのに強い眠気が続く…そんな場合は過眠症という睡眠の病が潜んでいる可能性も。
 
眠っても眠っても眠気が強いままで、1日に10時間以上眠り続けてしまう日が続くようであれば、過眠症の可能性も疑ってみましょう。睡眠の専門医に相談してみるのが早道です。

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眠り過ぎが引き起こすリスク5つ

日本では「寝る子は育つ」ということわざもあるほど、「長時間睡眠は健康に良い」というイメージがあるかもしれません。しかし、さまざまな研究報告によると、睡眠時間が長ければ長いほど健康につながる、というわけではないようです。
 
眠り過ぎが引き起こすリスクを5つご紹介します。

1.早死にするリスクが高まる

30歳以上の成人100万人を対象にアメリカのがん協会が行った睡眠調査によると、死亡率がもっとも低かったのは睡眠時間が平均的な7~8時間の人で、それよりも睡眠時間が短くなっても長くなっても死亡率が高くなる、という結果が報告されています。
 
さらに、眠り過ぎは糖尿病を発症させる引き金にもなります。
とくに男性では、寝過ぎることで血糖値が高まり、糖尿病を発症するリスクが高まる可能性があると言われています。また、中性脂肪も高めになってしまう傾向も確認されているそう。

2.だるくなる

朝に起きても頭がボーっとした状態が続き、だるさがなかなか取れない、そんな経験はありませんか?
 
過度の睡眠は、身体のリズムを狂わせて倦怠感や脱力感を引き起こします。加えて、脳が休息状態から抜け出すことができません。結果、なかなか覚醒できない原因となります。
 
休日に睡眠リズムが乱れると、翌週の平日にそのしわ寄せがやってきます。せっかくたくさん眠って疲れをとろうとしたのに、まさに逆効果…という悪循環に陥ってしまうのです。

3.頭痛が起こる

たくさん眠ることでストレスや疲れをとろうと思っても、眠り過ぎると頭痛を引き起こしてしまうことがあります。
 
寝ている間は筋肉が緩み、脳と身体は休息し、疲労回復している時間。
眠り過ぎてしまうと頭の血管は必要以上に拡張してしまい、三叉神経(さんさしんけい)と呼ばれる脳神経を刺激してしまいます。そうすると痛みの原因となる物質が放出され、血管の周りに炎症が起こり、その結果頭痛を引き起こします。
 

また、季節を問わず、睡眠中は思っている以上に汗をたくさんかきます。長時間の睡眠は軽度の脱水状態にもつながり、頭痛を引き起こします。

4.腰痛が起こる

長時間ベッドに横たわっていると、腰に大きな負担を与えることも。身体に合わない寝具を使っている場合には、その分その影響も大きくなります。
 
寝ている姿勢は体重の実に40%もの重さが腰にかかると言われています。眠り過ぎは腰痛を悪化させるだけでなく、血行不良も引き起こします。

5.気分障害になる

長く眠り過ぎると、脳の働きが鈍くなり、憂うつな気分に陥りやすくなります。意欲は低下し、家事や仕事をする気がなくなってしまうことも。
 
睡眠時間と学力の関係を調査した結果によると、睡眠時間が6時間未満の生徒と9時間以上の生徒に、テストの正答率が低い傾向がみられたそうです。寝ないのも、寝過ぎるのもどちらも良くないということです。

平日にパフォーマンスをあげる休日のスリープハック術

続いて、眠り過ぎないようにするための対策を3つのポイントで紹介します。
 

1.1日6〜8時間の睡眠サイクルを保つ

はじめに、1日に6〜8時間の睡眠時間をとる生活サイクルを保つよう心がけましょう。必要な睡眠時間には個人差がありますが、ある程度の睡眠時間が必要なケースが一般的です。
 
起きる時間と寝る時間の目安も見直しましょう。
とくに朝は近所を散歩する、朝食を作るなどといった予定を立てると、より目が覚めやすくなります。就寝・起床時間ともに規則的なことが望ましいですが、現代の生活ではそうきっちりもいかないもの。そんなときには、起床時間を一定にしましょう。
朝起きて、太陽の光を浴びるところから身体の1日のリズムは始まります。身体のリズムの崩れを最小限に留めるには、起床時間のブレを少なくすることがコツです。
 
また、気をつけたいのは昼寝の時間。適度な昼寝は仕事の効率をアップさせますが、昼寝のしすぎは夜間の安眠を妨げ睡眠時間のサイクルを狂わせる原因につながります。昼寝は午後3時までに、20分程度に留めると効果的です。

2.生活習慣を整える

睡眠の質を高めるために、アルコールや刺激の強い食べ物、油っこいヘビーな食べ物は夜に摂取しすぎないように注意してください。食事の量は腹八分目がベスト。胃腸に負担をかけてしまう食事は、消化に時間がかかり、睡眠の質を大きく下げてしまいます。
 
さらに就寝の1時間前に適度な運動やストレッチをするのもおすすめです。身体の筋肉をほぐして心身をリラックスさせてくれるほか、血流がよくなり体温が上がることで眠る頃にはほどよく体温が下がり安眠につながります。ただし、あまり強度の強い運動は避けましょう。身体が目覚めてしまい逆効果です。身体がほどよくリラックスできて心地良いと感じられる程度がベストです。

3.寝室の環境を整える

寝室の環境を整えることで深い眠りが得やすく、睡眠中の効果的な疲労回復につながります。

アロマの香りを活用する

心地良い睡眠をサポートしてくれるアロマは、カモミールやラベンダー、ネロリ、オレンジスイートなど。睡眠前のキャンドルが心配な人は、エッセンシャルオイルをコットンやティッシュに数滴たらして枕元に置き、ほのかに香るようにしても◎。好きな香りを楽しみましょう。

光の強さに注意する

自然な眠りを誘う睡眠ホルモンの「メラトニン」が分泌されるのは、周囲が暗くなったとき。寝る前はテレビやスマートフォンの使用は控えて、寝室の照明も少し暗めにすると、心身の眠る準備が整っていきます。
 
朝は朝日を浴びて、心身を覚醒するセロトニンというホルモンの分泌を促しましょう。朝の太陽の光はサングラスなどでカットせず、目から光を取り入れることがポイントです。

寝室の温度と湿度の調整をする

寝室の温度や湿度も睡眠の質に関係しています。布団の中の温度は33℃、湿度は55%が最適だといわれています。地域や季節、部屋の環境に合わせて、自分が心地良く眠れる温湿度環境を整えましょう。

パジャマの質も快眠に必要

快眠を叶える最適な服装はパジャマです。パジャマを選ぶコツは、サイズと素材。締め付けが少ない、ゆったりしたサイズで、肌触りがよく汗を吸収してくれる素材のものを選びましょう。
 
とくにシルクやコットン100%のパジャマがおすすめ。着心地にも優れ、汗を快適に吸い取ってくれます。また暑い季節にはリネン素材のパジャマも◎。コットンの4倍もの吸水性があるので、汗っかきな方でも心地よく入眠できて目覚めもスッキリです。

終わりに

休日の眠り過ぎは身体の不調を引き起こします。充実した毎日を過ごすためには平日と休日の睡眠サイクルを整えて、睡眠の質を改善することが重要です。
 
人生の1/3は睡眠に費やしています。休日にダラダラと寝すぎてしまって時間を浪費するのはもったいないですよね。貴重な休日だからこそ、睡眠サイクルをしっかり管理して平日のパフォーマンスUPにつなげていきましょう。
 
 
監修:坪田聡(雨晴クリニック副院長)

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