「温泉にいくと眠れない」は温泉の入り方が問題かも。入り方7つのポイント

「疲れたな~」と感じると、「温泉行きたいな~」と思う人も多いのでは?日本人にとって温泉は、とても身近で大切な癒しの空間。でも、せっかく温泉に行ったのに「なぜか温泉にいくと眠れない」という人も多い様子。ゆったり癒やされに行ったのに、かえって疲れてしまった…となるともったいないですよね。
 
そこで今回は、温泉旅行でぐっすり眠るための温泉の入り方や温泉地の選び方を、温泉ビューティー研究家・トラベルジャーナリストの石井宏子さんに伺いました。意外と知らない温泉の入り方、夏におすすめの「ぬる湯」と併せて、温泉旅行前に必見です!

ぐっすり眠れる温泉の入り方

身体が喜ぶ「温泉の入り方」をご存じですか?「せっかくの旅行に、ルールや正しさはいらない!」という意見もごもっともですが、温泉の入り方次第で旅行先での眠りの満足度がグッと上がるなら気になるところ。
 
「温泉の入り方にガチガチに縛られる必要はないのですが、身体が喜ぶちょっとしたポイントを押さえておくと、温泉旅行でもより気持ちのいい眠りを得ることができるんです」(石井さん)
 
【ぐっすり眠るための温泉の入り方】
入り方① 半身浴ではもったいない!ぜひ全身浴を
温泉成分は皮膚からも取り込まれます。半身浴で身体の一部しか温泉に浸からないのでは、温泉成分の皮膚からの取り込みが半減してしまいます。温泉成分を余すところなく取り込むには、ぜひ全身浴を。ただし、お湯の温度やその時の体調に合わせて、湯船に浸かっている時間には気をつけましょう。
 
入り方② 湯船に浸かる時間は、トータル30分/1日を目安にする
「せっかく温泉に来たんだから」と、何度も湯船に浸かる人も多いはず。でも、湯船に浸かるトータルの時間が長すぎると身体が疲れてしまいます。回数は何回に分けてもOKですが、トータル1日30分程度が目安。
 
入り方③ 1日に何度も温泉に入る場合は、入浴のインターバルを設ける
立て続けに入るのではなく、インターバルを設けましょう。入浴は思っている以上に体力を使います。後からどっと疲れがこないよう、休みながら入りましょう。
 
入り方④ 熱湯(あつゆ)の場合は湯船に浸かる時間を短時間にして何度も入る
熱湯(あつゆ)/ぬる湯、どちらも身体に良いお湯です。お湯の温度は好みで選んでOKですが、熱湯で芯まで温まろうと長湯するのは湯あたりのもとになります。短時間で何度かに分けて入る「分割浴」にしましょう。
人の身体は、深部体温(体の深い部分の温度)が下がるときにゆるゆるした眠気がやってくるので、そのためには、一度、深部体温を上げることが有効です。熱めの温泉の場合は、一度に長く入るより、短い時間で少しずつ分けて入ることで体の中の温度を効率よく上げることができます。
 
入り方⑤ 入浴前後でたっぷり水分補給する
常温のお水や白湯など温かいものを。お茶やコーヒーなど利尿作用のあるものは避けましょう。入浴直後、キンキンに冷えた飲み物をプハーと一気飲みするのは、そのときは気持ちいいですが、その後身体が冷えてきます。冷たいものを一気に飲むと胃の温度が急激に下がり、2時間程度は下がったままに。むくみや血行不良の原因になるので避けましょう。
ただしのぼせた場合には、冷たいもので水分補給を。
 
入り方⑥ 美肌の湯に行ったら、ぜひ顔にも温泉成分を!
せっかく美肌効果の高い温泉なのに、首から下だけお湯に浸かる人の多いこと!湯船の中で全身ザブンというわけにはいきませんが、新鮮な源泉が出ている湯口がある温泉の場合は、ぜひ、桶に汲んで洗顔などにも利用しましょう。
 
入り方⑦ 飲める温泉は飲んでみる!
すべての温泉が飲めるわけではないので、「飲用可能」と表示されたものに限ります。飲んでみると、実は泉質や温泉地によって味が異なり、中には「おいしいお出汁」を飲んでいるような味のものも。味の違いも楽しみの1つになり、温泉成分を内側からも取り込めば、内臓活性化・温めにつながります。

ぐっすり眠って満足度を高める温泉旅行 3つの心得

ぐっすり眠るための温泉の入り方は上述の通り。さらにリラックスして癒やされる温泉旅行の心得を3つ紹介します。
 
●温泉にも“いつもの日常”を少しだけ持ち込む
「枕が変わると眠れない」と言われるように、環境が変わって温泉で寝付けなくなることもあります。いつも使っているガーゼタオルを枕カバー代わりにしたり、自宅で使っているアロマグッズを持っていったりすると、非日常の空間でもいつものような安心感が得られます。
 
●温泉は「放電」の時間と心得る
デジタル機器を片ときも手放せず、防水携帯・防水TVなど自宅のお風呂にまで持ち込んでいる人もいるのでは?少なくとも、温泉の湯船の中にはそんなデジタル機器は持ち込めません。電磁波だらけの空間から少しだけ離れ、湯船の中でぼーっとする、温泉はそんな「放電の時間」です。忙しい人は、自分がリラックスする方法を忘れていることもあります。「充電」しようと旅に出かけ、いっぱいいっぱいの身体をさらにパンパンにすることはありません。まずは、ゆったりぼーっと放電してみる、温泉をそんな場所だと考えてみましょう。
 
●「どうして温泉に行きたいか」インスピレーションを大事に温泉地を選ぶ
「いい温泉」とは、自分が満足できた温泉がいい温泉。「いい温泉」=有名な温泉とは限りません。自分に合った温泉を選ぶために大切なのは、「今の自分に何が必要か」「何がしたいか(絶景鑑賞・おいしい料理・美肌・体調改善など)」を最優先に考えること。今の自分は深い緑の景色と何もしない時間に癒されたいと思っているのに、絶品料理と賑やかな娯楽が楽しめる温泉地をすすめられても満足できませんよね。「この泉質が~」と言われてピンとこない人は、旅館の雰囲気や周辺の観光地など、好きなポイントで温泉地を決めれば思い出深い“いい温泉”が見つけられるはずです

さいごに

「温泉にはさまざまな作用を持つ泉質があり、つい成分にばかり注目してしまいますが、そもそも身体に悪い温泉はありません。実は知れば知るほど奥が深いものなんです。久しぶりの温泉でちょっと興奮してしまって眠れないというのとは別に、もし『温泉に行くといつも眠れない』というのなら、入り方を見直してみることも必要かもしれません。とにかく、温泉をもっと楽しんでほしいですね」(石井さん)
 
温泉の入り方と心得えを踏まえれば、さあ、あとはもう温泉に出かけるのみ。忙しくて時間のない人ほど、ぜひ温泉へ!ぐっすり眠れる身体と、活力に満ちた感覚を思い出せるかもしれませんよ。
 
監修:温泉ビューティー研究家・トラベルジャーナリスト 石井宏子

photo:Thinkstock / Getty Images

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