「不眠解消」のヒントは自然の“ゆらぎ”! 疲れたときに試したい森林セラピー

過密スケジュールに追われる現代人は、忙しくて疲れがたまりがち。なかなか不眠解消ができない人も多くいます。そんなときは、仕事を忘れてリラックスするために、「森林」に出かけてみるのはいかがでしょうか?

今回は、森林の癒し効果を健康に生かす「森林セラピー」に注目。「森林セラピー」にはリラックス効果を高め、不眠解消を促す力があります。都会に住んで自然とは無縁の暮らしをしている人は、もしかしたら自然の癒しに不眠解消のヒントが見つかるかもしれません。

そんな森林セラピーがもたらす効果について、特定非営利活動法人 森林セラピーソサエティの理事長・瀬上清貴さん、鈴木舞恋さんにお話を伺いました。

森や山に行くと心地よい理由は「ゆらぎ」にあった

「日々のストレスや町中の喧騒を忘れたい」と、休みの日に山や森へ出かける人もいるでしょう。「自然の中に行くと癒される」というのはよくいわれることですが、その秘密は自然環境の中にある“1/fゆらぎ”にあります。

 

「木漏れ日やそよ風、鳥のさえずり、川のせせらぎなど、森林はまさに大いなる自然が生み出す“ゆらぎ”の宝庫。実は、私たちの脳や心臓の活動の中には常に“ゆらぎ”が存在しています」(瀬上さん)

 

自然の中で心地よさを感じるのは、自身のゆらぎが自然界のゆらぎと共鳴しているから。自然界がもたらす癒しは、樹木やそよ風のゆらぎと、人のゆらぎの波長のシンクロによって生まれているのだそう。私たちのゆらぎと呼応してこそ自然の癒しを感じられるとは、意外な気がします。

 

そんな癒しを感じながら暮らしていれば、不眠解消に悩まされることなどないのかもしれませんが、街に住み、ビルの中で働き、個室で暮らしがちな現代人は、自然のゆらぎを感じる生活からはどんどん遠ざかっています。それゆえに、私たちは癒しを感じることが減り、疲労が増え、思うように不眠解消ができないのかもしれません。

科学的に実証!森林の癒し効果を体験できる森林セラピー

そんな森林浴でもたらされる“ゆらぎ”をはじめとする癒しを科学的に検証し、心と身体の健康に生かす取り組みが、「森林セラピー」です。

「森林浴」という言葉に馴染みがある人も多いかもしれませんが、森林セラピーは医学的な証拠に裏付けされた森林浴効果のこと。かといって、激しい登山やハイキングとも異なります。森を楽しむだけでなく、心身の健康維持や病気の予防を行うことを目指すもの。森林浴から一歩進んだ森の楽しみ方、と言えるでしょう。

 

「五感」を働かせて、森の癒しを感じることを大切にしている森林セラピー。森林セラピーは心身にはたらきかけるので、不眠解消の1つの手段にもなりそうです。

 

「大木に触れ、鳥のさえずりに耳を澄ませ、木漏れ日を感じ、深呼吸をして森の香りを胸いっぱいに吸い込む。森では、そよ風がふわっと頬をなでる感覚も心地良く感じるはず。そうやって自然のゆらぎを経験していただくと、やすらぎが非常に深くなるんです。」(瀬上さん)

 

さらに、森林浴効果として以下のような健康に及ぼす良い効果があるのだそう。

 

【主な森林浴効果】
森林浴効果① がんへの抵抗力が高まる
森林浴によって、3つの抗がんタンパク質(グラニュライシン・パーフォリン・グランザイム)が増加すること、がんを破壊するNK(ナチュラルキラー)細胞の活性が増強することが実証されています。つまり、森林浴をすることで、がんに負けない身体づくりが期待できます。

 

森林浴効果② ストレスが減少する
ストレスがかかると上昇する収縮期血圧や拡張期血圧、脈拍化数が、都会で過ごすよりも森林で過ごすときのほうが低下しています。また、ストレスホルモンのコルチゾールが森林では都市に比べて減少することが実証されています。
ストレスは不眠症状とも関連深いもの。森林でストレスフリーに過ごせるのなら、不眠解消にも寄与してくれそうです。

 

森林浴効果③ リラックス効果が高まる
身体の活力が活発なときに高まる交感神経と、身体がリラックスしているときに高まる副交感神経。森林では、都市部にいるときと比べ、交感神経の活動が抑制され、副交感神経が優位になることが実験で明らかとなっています。都市部の暮らしは昼夜を問わず刺激が多い環境で、交感神経が優位になりがち。ですが、交感神経と副交感神経のバランスは意思でどうにかすることはできません。森の中に身をおくことでリラックスできれば、自律神経のバランスも整いやすくなっていくかもしれません。

森林セラピーには不眠解消の効果も!

前述したとおり、森林では人の身体をリラックスさせる副交感神経が優位になるので、森林セラピーを受けることは、不眠解消への効果も期待できるそう。心地良く眠るためには、眠るときに副交感神経が優位になる身体づくりが必要です。

 

「入眠しにくい、眠りが浅いという方々も気分転換として、半日でも森を歩いて五感を働かせてほしいと思います。ゆらぎを経験することで、眠りに入りやすくなり、深く眠れた……という実感があるはず。最初から完全な不眠解消を目指すのではなく、『眠れた』という成功体験を持つことが、不眠解消へのステップになるかもしれません」(瀬上さん)

 

現在、森林セラピーが体験できる森は全国に62か所ほど。各地で森林セラピストの指導や森林セラピーガイドの案内のもと、行われるさまざまなプログラムがあります。

 

「森林ウォーキング、森の中での呼吸法やヨガ体験、さらに場所によっては、温泉やおいしい料理を楽しむこともできます。山を歩き慣れていないから…という心配もいりません。体調や症状に合わせて専門のガイドが案内しますし、女性におすすめの森もあるんですよ」(鈴木さん)

 

「癒されたい…」と感じるなら、心身がストレスを感じているサイン。森の癒しを効果的に得ることができ、フィットネスやリラクゼーション、料理なども楽しめる森林セラピーをぜひ一度体験してみてはいかがでしょうか。

 

次回はこの「森林セラピー」の楽しみ方を徹底解説します。

 

監修:特定非営利活動法人森林セラピーソサエティ 瀬上清貴・鈴木舞恋

 

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photo:Thinkstock / Getty Images

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