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蓄積した疲労を回復しようと十分な睡眠をとったはずが、朝起きたら疲れがとれないばかりか、腰や肩が痛い…なんてことはありませんか? また、腰や肩の痛みが原因で夜中に目が覚めてしまう人もいるようです。健康科学アドバイザーで医学博士の福田千晶先生によれば、その原因には身体のゆがみや睡眠時の姿勢が関係しているとのこと。そこで、ゆがみの原因や解消方法、適正な姿勢などについて、福田先生に話を聞きました。

普段の生活から見える「ゆがみ」のサイン

 

「身体がゆがむ原因はさまざまですが、背中を丸めた姿勢で長時間デスクワークをしていたり、片側の腕ばかり使って荷物を持ったり、いつも同じように脚を組んだりするなど、偏った身体の使い方をしている方によく見られます。女性の場合、不安定なハイヒールを履くことも一因でしょう。身体のゆがみは急に悪化するというよりは、日常の積み重ねでだんだんと悪化し、それが睡眠にも影響を与えていきます」(福田先生)

 

身体のゆがみは急激な変化として現れないため、自分自身では気がつきにくいかもしれませんが、どこかに必ずサインは出ていると福田先生。

 

「分かりやすいものでは、靴底のすり減り方ですね。底面の特定の箇所だけすり減っていたり、片方の靴だけ極端にすり減ったりしていれば、歩き方や重心がずれていて、身体がゆがんでいる証拠です。また、自分が写っている写真を見て、常にどちらかの肩が上がっているとか、女性であればスカートがいつも左右どちらかに回ってしまっているとか。意識して観察すれば、普段の生活の中にもゆがみのサインが出ているかもしれません」(福田先生)

 

また、簡単な方法として、目を閉じて足踏みを行うというチェック方法もあるそう。足踏みをして目を開けた際、自分の身体が元の向きから左右どちらかに回転していれば、身体がゆがんでいる証拠だといいます。では、ゆがみを改善するには、どんな方法があるのでしょうか。

 

「自分自身の身体のゆがみを自覚し、生活スタイルを見直すことが大切です。自分の癖や習慣を客観視し、偏りがあれば、それを矯正するようにしましょう。例えば、噛み合わせもゆがみを生む原因となります。食事をしている時、右の歯で噛むことが多いと思うなら、左でも噛むことを意識して下さい。また、通勤などで荷物を常に右肩にかけている場合は、いつもと反対の肩にかけてみましょう。重要なのはバランスで、意識して偏りを無くすよう心がけることが、ゆがみの改善に繋がります」(福田先生)

睡眠時の「寝返り」が身体の「ゆがみ」を矯正する?

 

睡眠時の姿勢も身体のゆがみと密接な関係があります。睡眠中に行う「寝返り」は本来、身体のゆがみを矯正する役割があるとのこと。自然に寝返りをうつことができれば、ゆがみも改善されて睡眠の質も向上します。しかし、腰痛や肩凝りがひどければ、本能的に痛みを避けて寝返りをうたなくなってしまうそう。では、どんな姿勢で寝ることが理想的なのでしょうか。

 

「理想的な姿勢は人それぞれ違います。横向きのほうが眠れる人、仰向けのほうが眠れる人、あるいはうつ伏せが一番眠りやすいという人などさまざまです。自分が最も心地よいと感じる姿勢がベストなんです。また、誰しも寝ている間に寝返りをうつため、一定の姿勢を保ち続ける人は稀です。姿勢は寝苦しくない程度で自分の感覚に任せ、寝返りがうちやすい環境を整えることが重要です」(福田先生)

 

腰が沈みすぎないベッドや、高すぎない枕など、寝返りをうつ際に余計な負荷のかからない環境を整えることが、ゆがみを改善する近道といえそう。また、横向きで寝る時は少し高めの枕を、仰向けに寝るときは低めの枕を使うなど、その時々によって寝具を使い分ければ、睡眠の質も改善され、ぐっすりと眠ることができるそうです。

 

日々の生活の中で、気付かぬうちに進行する身体のゆがみ。症状が悪化し、痛みが睡眠を妨げるその前に、自分の身体の状況を理解する必要がありそうです。

 

監修:福田千晶(医学博士・健康科学アドバイザー)

 

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photo:Thinkstock / Getty Images

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