寝る前にハチミツを食べることでダイエットに効果が期待できる、そう語るのは田井メディカルクリニックの田井先生。殺菌加工をされていない国産の「純粋ハチミツ」を寝る1時間ほど前に大さじ1〜2杯食べるのみの簡単な方法ですが、実はこのダイエットは睡眠と大きな関わりをもっています。1杯のハチミツによって身体本来の回復機能を生かし、食事と睡眠の行き届いた健康的な身体を作り上げることができるのだそうです。

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どうやってやるの? 夢のようなダイエット法

 

「ハチミツ冬眠ダイエット」は英国の薬剤師、マイク・マッキネス氏が生み出した方法で、寝る前に大さじ1~2杯のハチミツを食べるという手軽なダイエット方法です。ダイエットというとキツイ運動というイメージがあるかもしれませんが、この方法ではたったそれだけで我慢せずに好きなものを食べることもできるし、無理に運動をする必要もはありません。質の良い睡眠をとり、身体に備わっている修復能力を利用することで無理なくダイエットを行えるのが特長です」(田井先生)

 

実践する際に用意するものは、栄養が豊富な「純粋ハチミツ」。れんげ、アカシアなど、さまざまな種類のハチミツがありますが、種類は何でもOK。田井先生によれば、国産のものがおすすめだそう。

 

「加工されていないハチミツを『純粋ハチミツ』と呼びますが、殺菌過程は加工に含まれません。そのため、純粋と書いてあっても、外国産のものは輸出用に殺菌加工処理され、ハチミツの重要な成分が不活化している可能性が高いです。国産でも中には殺菌処理をされているものはあるので、ので、国産をおすすめします確認してみてください」(田井先生)

 

ハチミツが手に入ったら、寝る1時間ほど前に大さじ1~2杯分を食べるようにします。そのまま食べても問題ありませんが、ぬるま湯に溶かしたり、低脂肪牛乳や無糖ヨーグルトなど、糖分の含まれないものに混ぜたりしてもOK。栄養素が壊れてしまうため、加熱するのは避けた方がよいそう。

 

方法の手軽さからすぐにでも始められそうですが、このダイエットには大前提があります。それは、「普段の食事で、カロリー過多にならない、栄養バランスのよい健康的な食事を心がける」こと。大食いや不規則な食事が影響して肥満につながっている場合は、まず、その食生活を改善してからチャレンジしましょう。

 

「睡眠の質を高める意識を持つことも重要です。ハチミツを食べたからといって、寝ながらスマホをしていては、ブルーライトの影響で睡眠の質が低下してしまいます」(田井先生)

たった一杯のハチミツで痩せる仕組みとは?

 

食事と睡眠環境を整え、ハチミツを用意したら、さっそく今日からダイエット開始! ですが、一般的には寝る前に甘いものをとるのは厳禁とされていますよね? 寝る前にハチミツを食べると痩せるというのは、どういうことなのでしょうか?

 

ハチミツ「冬眠」ダイエットと呼ばれているのは、冬眠中の動物たちと同じメカニズムを利用しているから。冬眠の間、動物たちは何も食べずに寝ていることになります。その間、彼らは体内に溜めこんだ脂肪を燃焼させ、生命を維持しているのです。そのはたらきを応用して「睡眠中に体脂肪を燃やす」のがこのダイエット法。ハチミツだけではなく、「睡眠」が重要な役割を果たします。

 

実は、寝入ってからの約4時間は「徐波睡眠」と呼ばれ、眠りが最も深く、身体の修復機能が活発に活動する時間帯です。脳は成長ホルモンを生み出し、それらが体脂肪のエネルギーを消費して骨や皮膚などの細胞を修復します。この働きがうまくいけば、余分な体脂肪が使用されて、ダイエットにつながるのだそう。

 

「細胞修復の指示を出す脳は、常にエネルギーを必要としています。脳にはエネルギーを蓄えることができないため、代わりにエネルギーを溜めているのが肝臓です。しかし肝臓に蓄えられるエネルギーは75g程度。個人差はありますが、およそ2~3時間で使い切ってしまう量です。すると、徐波睡眠中に脳のエネルギーが不足してしまうんです」(田井先生)

 

脳のエネルギーが切れれば、コルチゾンール やアドレナリンといった「ストレスホルモン」がはたらき、骨や筋肉を分解して不足しているエネルギーを作り出します。

 

「ストレスホルモンが出ていると、交感神経が優位になり、身体は日中の活動期と同じ状態に。睡眠中に興奮状態が続くので、身体を休ませることができません。そのため、翌朝起きられなかったり、疲れが残ったりすることがあるのです」(田井先生)

 

この状態が続くと、生活習慣病や免疫異常など、深刻な症状を引き起こす可能性もあるとか。でも、夕食をたくさん食べておけば、ハチミツでエネルギーを補う必要はないのでは…という疑問も残ります。

 

「当然、夕食をたくさん食べると糖質や脂肪が肝臓にあふれてしまいますので、ハチミツをとるのは逆効果になります。あくまで、栄養バランスがとれた適正カロリーの食事をベースに考えてください。ダイエットの基本は、摂取カロリーを消費カロリーより減らすこと。しかし、先述のように、それでは肝臓に蓄えられているエネルギーが枯渇してしまうので、少量の糖質をとるのです。また、夜遅くまで起きていると、食欲ホルモンにより空腹感を感じてしまうため、それを避けるためにも早寝早起きの生活習慣が必要。さらに、ダイエット中に失いやすいエネルギーをハチミツでとることで、質の高い睡眠を促し、効率のよいダイエットに結びつけるのがこの方法なんです」(田井先生)

 

ちなみにエネルギー源としてハチミツを取り入れるのは、ハチミツに含まれる糖が吸収されやすく、すぐに脳のエネルギーになること、またそれ以外にミネラルなど栄養素が豊富で、カロリーも低いことが理由。成分としては砂糖と似ていますが、ハチミツは天然の化合物が豊富に含まれていて、それが減量に導く可能性があるとも考えられています

簡単だからこそ効果をMAXに! こんなことに気をつけよう

 

ハチミツを上手に取り入れてダイエットを行っていきたいところですが、ただ毎晩ハチミツを舐めているだけでは効果がありません。

 

「食事や睡眠の質を改善しないまま、ダイエットをしようとしても難しいはずです。例えば夕食に脂っこいものを食べた後でハチミツを食べれば、糖尿病のリスクが跳ね上がります」(田井先生)

 

このダイエットでは成長ホルモンのはたらきを利用するため、成長ホルモンが多く分泌される22~2時ごろの「ゴールデンタイム」に寝ることが重要です。つまり、理想の就寝時間は21時ごろ。夜遅くまで働いている人は難しいかもしれませんね。そんなときには「仕事場で早めに夕食を済ませ、帰宅してすぐに寝るのが理想」と田井先生。

 

ゴールデンタイムにしっかり眠ることができれば、目覚めもスッキリ。思い切って生活リズムを変えることで生活習慣が整い、ダイエットだけでなく心身の健康にも良い影響をもたらします。

 

今日からでも簡単に実行できるハチミツ冬眠ダイエット。重要なのはハチミツを食べることよりも、身体本来の回復機能を最大限に活かすこと。良い食事、良い睡眠をとることで、スリムで健康な身体を目指しましょう!

 

監修:田井祐禰先生(田井メディカルクリニック)

 

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photo:Thinkstock / Getty Images

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