160503_bicho_main

 

最近何かと話題の「腸内フローラ(腸内細菌叢)」。腸の中には種類も数もたくさんの細菌がすんでいますが、顕微鏡でみると、植物が種類ごとに群生する様子に似ているそう。そこで、「お花畑([英]flora)」の意味から、「腸内フローラ」と呼ばれています。腸内フローラは、生活習慣や食事、人種などによって人それぞれ異なります。最近では、健康な人の腸内細菌を病気の患者さんの腸内フローラに移植することで腸内細菌のバランスを正常化し、病気の治療を目指す「糞便移植療法」なども実用化が進められています。今後、腸内細菌の役割の解明が進めば、小さな腸内細菌の可能性がぐんと大きく膨らみそうな予感がしますね。

 

そんな可能性が宿る「腸」と「睡眠」には、実は深い関係があります。一見関連しそうにないこの両者、これから美腸プランナーの小野咲が、腸から考える快眠のヒントを毎月解説していきます!

腸は第2の『脳』!

 

腸は、約8メートルにも及ぶ長い器官です。腸に存在する神経細胞は実に1億個!「第2の脳」とも言われます。口から入った食べ物は、胃を経由し、この長い道を通る過程で消化・吸収され、残りが便として腸内細菌の死骸など共に排泄されます。腸は脳からの指令がなくても働ける唯一の臓器でもあります。人の排泄(デトックス)機能の75%以上を便が担っていることから、きちんと食べてきちんと便を出すことがいかに大切かわかりますよね。最大のデトックスは「便」です。

 

その他にも、腸には重要な役目があります。まず、病原体が身体に侵入しようとするのを防いだり、病気を治そうとする「免疫力」に関わっていること。腸にはたくさんの免疫細胞があり、免疫力の多くが実は腸でつくられています。病気から身を守ってくれているのは腸の働きがあってこそ、というわけです。

 

また、腸は気分や感情にも影響します。腸内環境の悪化が、うつ病や不安神経症と関連する、という研究もあります。さらに最近の研究では、「腸は学ぶことができる」という驚きの発表も。腸に学習能力の可能性があり、コンディション次第で私たちの気分まで影響されている・・・!となると、「腸は第2の脳」と言われることも納得できますね。

腸と睡眠の共通キーワードは「自律神経」

 

腸と睡眠を結びつけるキーワードの1つが「自律神経」です。自律神経のバランスを整えることで、よりよい眠りにつながることはすでに紹介されている通り。その自律神経と腸に、関連があるのです。

 

私たちの腸の中には、善玉菌・悪玉菌・日和見菌がおよそ2:1:7の割合で存在しています。腸内フローラは1人1人異なりますが、どんなに腸内環境が整った人でも一定の割合で悪玉菌があります。(悪玉菌が存在する意味はまた別の機会にご紹介しましょう)

 

日和見菌は、腸の状態によって良くも悪くもどちらにでも転べる菌です。この日和見菌がストレスや不規則な食生活などで悪玉の方に傾くと、腸内環境が悪化します。便秘や下痢、おならが出る、ガスがたまったようにお腹が張るなどは、腸内環境が良好ではないサイン。その腸内環境の悪化が、自律神経のバランスに悪影響を及ぼします。

 

「幸せホルモン」「リラックスホルモン」と言われる「セロトニン」の大半は腸管でつくられていますが、腸内環境が悪化するとこのセロトニンが不足。結果、自律神経のバランスに影響すると考えられています。さらに、まだ解明には至っていませんが、このセロトニンが気分や感情に影響する可能性も示されているのです。

 

いかがでしたか? 消化・吸収だけではない腸の持つ役割について、少しイメージして頂けたでしょうか? 次回からは、腸内細菌の世界や美腸を目指す具体策をご紹介していきます。私たちは食べることに興味はあっても、排泄については意外と無関心になりがちです。腸をきれいに整えて、快便・快眠・快食を一緒に目指しましょう!

 

良い睡眠は整った腸から!? 「腸内環境」を整え睡眠ホルモンを生み出そう

photo:Thinkstock / Getty Images

編集部内で信頼できると判断した情報、並びに医師や専門家への取材を元に信頼性のある情報提供を心がけておりますが、自己の個人的・個別的・具体的な医療上の問題の解決を必要とする場合には、自ら速やかに、医師等の適切な専門家へ相談するか適切な医療機関を受診してください。(詳細は利用規約第3条をご確認ください)